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しおりを挟む「にぃ、今日は無理だったけどプリンにカラメルソースかけても美味しいの。他にもバナナプリンとかイチゴプリンとか紅茶や抹茶プリンとかあるの。お祭りで売ってその後も孤児院で売れるようにしたい」
他にもクッキーやパウンドケーキやドーナッツも定番だと思う。
「うん、色々と兄上と話そうね。フィ疲れて眠いでしょー?」
瞼が重たくてものすごく眠い。
「プリン一つルーにぃに」
「分かった。持って帰るよ~」
院長先生の方をチラッと見る。
「先生……さっき……僕が……叫んだ人にごめんなさいって……」
「はい。必ずお伝えします」
「プリン一つ……お詫びに渡して――」
最後まで言い切る前に意識をなくした。クーにぃが抱き締めてくれているから安心して眠りについた。
神妙な顔付きのクーにぃと院長先生が話していた会話を全く知らない。
「アレク様、本当にこのプリンを孤児院で売り出してもいいのですか?」
材料費も調理も簡単で、それでいてとても美味しい。毎日でも食べたい人がきっといるお菓子。
「フィが望むなら、そうなると思う。僕達家族はフィーリィーが悲しむのに弱い。無茶や不可能を言われてるわけでもないしー」
「先程のフィーリィー様にお声をかけた者は、時々、孤児院に来て子供たちに勉強を教えたり遊んだりする方で、今日は来る予定では無かったのですが、近くに用事があって孤児院にも寄ってみたと言っていました。申し訳ありません。配慮が足らず、処罰があれば受けると言っていました」
深々と頭を下げるレイラにアレクがため息をつく。ほんの少し弟と離れた最悪のタイミングで現れた男。
「フィは優しい。処罰したと言ったら泣かれてしまう。伝言とプリンを渡して」
「はい。あの、フィーリィー様は」
「院長としてフィーリィーの様子が心配なのは分かる。けど僕達からフィを奪うのは許さない。原因はまだ分からないけど僕達家族はフィを殴ったことはない」
領主家の人たちの優しい人柄を知っているレイラは嘘ではないと頷く。今もフィーリィーは安心して眠っている。
「色々と決まったら使いの者が来ると思う。フィが言っていた13歳以上の子に先に販売の話を通しておいて」
「いいのですか?」
アレクがフィーリィーの頭を撫でる。
「嫌われて口もきいてもらえず、笑顔が二度と見れなくなるとか嫌だしー、決定は覆らないよ。ただ色々と契約内容を考えないとね」
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