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ショタな魔王様
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本当に大切なものだったことは彼の顔を見ればわかる。
一体何をやらかしたんだ俺はと頭を掻く。
ゆっくり花畑に腰を下ろし、胡座の上で肩肘をついた。
目線が合わせるともちろん目も合う。アルは気まずそうにしているが、目を逸らすことはしなかった。
「ニオは、あそこに帰りたいの?あの白いだけのお城に」
大陸一純粋で純潔な城。アスラトリスの白は永遠のもの。
国の子供でも復唱できる言葉。言い聞かせるように、何度も何度も覚えさせられる。言葉に違いなく、城も国も基本的には白い。
黒いものを無理やり上から塗り潰すみたいに。
......黒にどんなに色を混ぜても、白にはならないことを知ってるくせに。
「帰りたい.....よ」
「どうして?あそこにニオがいる理由は何?」
真っ直ぐで、宝石のような瞳に見つめられて、少したじろいだ。
理由を聞かれた瞬間、すぐに浮かばなかった自分が嫌になる。
「国のため、というか家族のためかな」
血のつながりは消えない。
出来損ないのなり損ないの俺はいつでも国を出ていいと言われていた。自由にしろと、言ってしまえば諦められた。でも捨てられたわけじゃなかった。
皇子としての最低限の教育は受けたいと言えば受けられたし、部屋だって望めば豪華な部屋も用意される。
けれどどこまで行っても空虚な感情はついてまわって。
死にたくない。城にはいたくない。でも一人で生きられるだけの力も勇気もない。俺は本当に情けない奴だった。
「あそこには、父も弟達もいる」
俺がいてもいなくても、何も変わらないあの場所が俺は何よりも大事だということを知っている。
国が回るための全てを担う家族達。
捨てないでいてくれた感謝より、殺さないでいてくれた喜びよりも懐かしい記憶。それは本当に小さい頃の話だ。
笑顔の両親、赤子の弟達。あの小さな手を握った出来損ないじゃなかったときの俺。朧げなのに輝いている幸せの時間。
俺があの国を愛する理由はそれだけだった。
家族のいる国。家族の愛する国。家族が守る国。
「国に俺はいらない。けど俺にはあの国が必要だ。あの場所だけが俺の居場所だから」
「ここをニオの居場所にすればいいじゃない」
「......ここに俺の家族はいないよ」
「僕も家族だよ。君が許してくれるなら家族になる」
ずいっと目の前にオルレアが一輪差し出される。それもすぐ粒に、砂になって消えていってしまうけれど。吹いて浮かんだその先には、揺らがない夜空のような瞳がじぃっと俺を見つめている。
「俺が、許す?」
「僕は無理矢理嫌なこと、あんまりニオにしたくない。だからニオにはずっと自分の意思でここにいてほしい。僕の、お嫁さんになってほしい」
純然たる愛情を向けられたのは初めてだった。
あんなに澄んでいるように感じた国より、暖かい。
「君の守りたいもの、大切なもの。ずっと刺さってるものも。全部共有させて。傷を抱えすぎて苦しそうなニオを僕は見たくない」
「どうしてそこまで」
「僕はニオが好き。言っておくけど、ニオに断られてもお城を壊したりも国を落としたりもしない」
アルが俺の手を握る。
魔王なのにか弱くて人の子と変わらない小さな手だ。俺の体温よりずっと低くて冷たいのに、身体中に広がる熱は一体なんだろう。
「イエスもノーも君が決めて。ニオの大切の天秤はどちらに傾いてる?」
一体何をやらかしたんだ俺はと頭を掻く。
ゆっくり花畑に腰を下ろし、胡座の上で肩肘をついた。
目線が合わせるともちろん目も合う。アルは気まずそうにしているが、目を逸らすことはしなかった。
「ニオは、あそこに帰りたいの?あの白いだけのお城に」
大陸一純粋で純潔な城。アスラトリスの白は永遠のもの。
国の子供でも復唱できる言葉。言い聞かせるように、何度も何度も覚えさせられる。言葉に違いなく、城も国も基本的には白い。
黒いものを無理やり上から塗り潰すみたいに。
......黒にどんなに色を混ぜても、白にはならないことを知ってるくせに。
「帰りたい.....よ」
「どうして?あそこにニオがいる理由は何?」
真っ直ぐで、宝石のような瞳に見つめられて、少したじろいだ。
理由を聞かれた瞬間、すぐに浮かばなかった自分が嫌になる。
「国のため、というか家族のためかな」
血のつながりは消えない。
出来損ないのなり損ないの俺はいつでも国を出ていいと言われていた。自由にしろと、言ってしまえば諦められた。でも捨てられたわけじゃなかった。
皇子としての最低限の教育は受けたいと言えば受けられたし、部屋だって望めば豪華な部屋も用意される。
けれどどこまで行っても空虚な感情はついてまわって。
死にたくない。城にはいたくない。でも一人で生きられるだけの力も勇気もない。俺は本当に情けない奴だった。
「あそこには、父も弟達もいる」
俺がいてもいなくても、何も変わらないあの場所が俺は何よりも大事だということを知っている。
国が回るための全てを担う家族達。
捨てないでいてくれた感謝より、殺さないでいてくれた喜びよりも懐かしい記憶。それは本当に小さい頃の話だ。
笑顔の両親、赤子の弟達。あの小さな手を握った出来損ないじゃなかったときの俺。朧げなのに輝いている幸せの時間。
俺があの国を愛する理由はそれだけだった。
家族のいる国。家族の愛する国。家族が守る国。
「国に俺はいらない。けど俺にはあの国が必要だ。あの場所だけが俺の居場所だから」
「ここをニオの居場所にすればいいじゃない」
「......ここに俺の家族はいないよ」
「僕も家族だよ。君が許してくれるなら家族になる」
ずいっと目の前にオルレアが一輪差し出される。それもすぐ粒に、砂になって消えていってしまうけれど。吹いて浮かんだその先には、揺らがない夜空のような瞳がじぃっと俺を見つめている。
「俺が、許す?」
「僕は無理矢理嫌なこと、あんまりニオにしたくない。だからニオにはずっと自分の意思でここにいてほしい。僕の、お嫁さんになってほしい」
純然たる愛情を向けられたのは初めてだった。
あんなに澄んでいるように感じた国より、暖かい。
「君の守りたいもの、大切なもの。ずっと刺さってるものも。全部共有させて。傷を抱えすぎて苦しそうなニオを僕は見たくない」
「どうしてそこまで」
「僕はニオが好き。言っておくけど、ニオに断られてもお城を壊したりも国を落としたりもしない」
アルが俺の手を握る。
魔王なのにか弱くて人の子と変わらない小さな手だ。俺の体温よりずっと低くて冷たいのに、身体中に広がる熱は一体なんだろう。
「イエスもノーも君が決めて。ニオの大切の天秤はどちらに傾いてる?」
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