魔法使いと皇の剣

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1章 出会い

スイレン国

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 ジン達は長い人の列の横を歩いていた。
 先には石造りの巨大な壊れた橋があり、橋の左右先は巨大な滝になっていた。


 滝からは水がとめどなく流れて、行き止まりの壊れた橋の遥か先まで、左右から水が流れだしていたが橋の下には水等はなく、深い暗闇が続いてるだけだった。


 そんな橋には多くの人が列をなし、順番を待つかのようにしていた。


 ジン達はそんな列から刺さる視線を気にせずに歩いていき、橋の行き止まりまでたどり着いた。
 ジン達が橋の手前まで来ると、壊れていた橋はその形を元の立派な橋に戻し、ジン達を向かい入れた。


 橋の先には巨大な門があり、更に門の先には、微かに今いる位置から見る事が出来る巨大な城が確認できた、ジン達はバルドを打ち倒し、自分達の使える国に帰ってきていた。

「いつきても慣れんな⋯」

 キョウはゲンナリしたように呟き、それに同調するようバショウも続いた。


「いつ帰ってきても人の列、そして奴らの視線、あ~嫌だねぇー、しかも門を越えても、命がけで帰ってきた俺たちにどうせ歓迎もないだろうよ」


 頭を掻きながら恨みつらみ話すバショウを宥めるようランは苦笑いを浮かべ

「仕方ないです、それに私は慣れましよ、視線よりも今だにこの橋にくると驚きます、自衛の為でしょうがこれ程までの結界はやはり、恐ろしさと尊敬を抱きますよ」
 
 仲間達の話を聞きながらジンも同意していた。
 
 スイレンの国は強力な結界で守られており、スイレン国民という名の、ソルメーラの眷属や信徒以外は自由な出入りが出来ない国だった。

 それ以外の者が国に入るにはソルメーラの選定が必要となり、それに通らなければ、永遠と壊れた橋の前で立ち往生する羽目になる、無理に渡ろうとしても、奈落の下に一直線だった。


 帰る事が殆どないとはいえ、何度も通ったジン達ですら慣れない光景だ初めて来る者で驚かない者はいないだろうと思う。

 巨大門はジン達が来ると自然に開きはじめ国へと招き入れた。

 ジン達は疲労感漂う足で門の先に向かうと、綺羅びやかな城下町が活気を賑わせていた。

 建物の外観はどれも赤く、建物の上に建物を建てたかのようなものが多数あり、様々な露店も町に溢れかえっていた。
 
 そんな町並みは見渡す限り様々な種族で溢れており、
 着物を羽織った狐の頭をした種族や、トカゲの頭をした種族、人の顔に耳や尻尾を生やした種族等様々だ。


 しかしそんな様々な種族が暮らし、活気を賑わしている町は、ジン達を歓迎していなかった。

 
 ジン達が通ると、直ぐに人混みは息を沈め散っていき口節に、皇の剣と囁きあっており、そんな人々の反応に、皆いつもの事だと歩く中、バショウはだけまるで、一世一代の大戦を勝ち抜いた英雄のように堂々と人混みの中央歩き存在を示していた。

 
 そんな様子にキョウは呆れていたが、ランは楽しそうに微笑んでいた、ジンもまたその光景をみて笑っていた

 真っ直ぐ進み、城下町を抜けると、其処には入り口と同じよう巨大な門があり、最初の門と同じよう、ジン達が来ると自然と門は開き、中へ招き入れた。

 門を潜った先はいつものよう静かなものだった、一つ一つの建物がくっつき合い不思議な魅力があった城下町と違い門を潜った先は、綺麗に規則正しく配置された建物と少ない人が忙しくしていた。
 
 数多くの娯楽の為の城下町とは違い、真っ直ぐと兵舎に向けて歩いてるジン達がたどり着いたのは、いわゆる役所だった。

 主に城下町での商売の取り決めや、城下町に住まう人だけでなく、城下町の隣にある住民街の人々の税など数多くの事がらの為、せっせと働いていた、時には、上と呼ばれる宮廷からの指示等に板挟みになり可哀想な事になっている。


 朝早くなら多くの人が見られるが、今のは時間は皆建物の中におり、その為か非常に歩きやすくジン達は助かっていた。


 この役所街を抜ければ兵舎へと辿り着き更に奥にいけばいわゆる上の人間と呼ばれる、古くからスイレンを牛耳ってきた、眷属達が住まう地区だった。

 ジン達は静かな町並みを抜け、やっとの事で兵舎と呼ばれる皇の剣達が住まう地区にきた、もっとも殆どが任務に出ており、町と呼ぶにはあまり適してない、場所ではあったが人目を気にしなくて良いので皆ホッとしていた。

 
「毎回思うが、街のつくりを変えるか、そのままここに帰ってこれるようできないのもんかね?毎度、遠いし嫌視線と付き合うのは勘弁してもらいね」
 
 バショウはそういい身体を伸ばしていた
 そんなバショウにランは同意をしつつ
 
「仕方ないですよ、上の方々からしたら、自分達の地区の近くに何かあった時の為に私達を置いときたいのでしょう」

「わかっちゃいるがよ、帰ってきて城下町で羽根を伸ばすことも出来ない此方としちゃ、あんな娯楽に溢れた地区を素通りさせられ、貰うのは嫌な視線だらけとありゃ改善を求めるのは仕方ないだろうよ」

「気持ちは分かるが、俺たちに言っても仕方ない愚痴くらい聞いてやれるが、いつも同じ返答を聞く羽目になるのバショウだぞ」

 バショウの続く愚痴にキョウも諦めたように諭していた

「バショウの言いたい事もわかりますし、俺も同意ですが、ここから先更に面倒がある俺の愚痴でも戻ってきたら聞いてください」

 ジンがそういうとバショウは直ぐ様
「んじゃお先だ」と自身の兵舎へ去っていった

 続くようキョウも申し訳なさそうに
「すまないな、変われるもの変わってやりたい気持ちはあるがどうしようもない、俺も先に戻らせてもらう」

 そういい兵舎へ帰っていった。
 
 残されたジンとランだったがランも困ったように笑顔を向けると

「戻ってきた愚痴ならいくらでも聞くので、あまり溜め込まないで下さいね、ジン。私もいつか役目を変われるように頑張りますから」
そう残し兵舎へ向かっていった

 ジンはそそくさと解散した仲間達に恨みの目を向けると溜息混じりに重たい足を引きずり、兵舎の先へと向かい上に向かって歩き出した。
 

 兵舎を抜けた先、眷属の住まう地区は綺羅びやだが特殊な地区だった、街というよりは一つの屋敷だった。

 上を見上げたら空がみえる他の地区とは違い、門を開けたら巨大な渡り廊下がいくつもあり、合間から空をみる事はできるが、ただ上を見上げても高い渡り廊下の天井をみることになる。

 ジンは渡り廊下を歩きながら目的の場所を目指す間にも様々な眷属達とすれ違う羽目になった。

 眷属達は城下町の住民達が向ける、恐れや嫌悪ではなく、蔑みの目でジンをみてきた、ジンはそんな目を無視して、いくつものフロアを超えた先にある、目的の場所へとたどり着くと扉の前でノックをして反応を待った。直ぐ様男の声で

「入れ」と短い返答があり、ジンが扉を開け中に入ると部屋は辺り一面、水だらけの池のようになっており、人が二人並んで歩ける細長い道の先に、声の主がいた。


 蛙のような顔に人型の身体をもつ蛙属の男でありジン達の上官にあたる人物であるクワン
 クワンはジンの顔をみると淡々と

「帰還ご苦労、報告は鴉による文面で受けている。 追加で報告がある場合は聞こう。なければもう良い、身体を休めよ。次の任務に関しては現在、四眷属が協議中追って知らせる」
 
 ジンはやり取りが直ぐにすんだ事は喜んだが、同時にこれだけの為にわざわざ足を向かわされた事に気落ちしていた。

 そんな気持ちを悟られないよう、ジンは早くこの場を離れたい気持ちで素直に従う事にした。

「寛大なお言葉有難うございます。それでは失礼致します」

 そういい外に出たジンはすぐ目の前に立っている人影に声をかけた

「報告有難うございました。おかげすんなり終わりました」

 御礼を言われた人物の表情は分からなかった。
 鳩と呼ばれ主に任務詳細の伝令や報告等を行う隊の名称だ、彼女達にも名前はあるだろうが、ジン達にはわからなかった。


 そもそも神出鬼没に何処からともなく現れては事だけ伝え、その顔は仮面で隠され、黒い羽織に身をまとっている為に謎だらけだ、唯一分かるのは少ない会話の声質と隠しきれない胸の膨らみで、女性とだけはわかるぐらいだ

「ソルメーラ様がお待ちです」

 ジンの御礼に対しては何にもないようで、淡々と言付けだけを述べ鴉は去っていった。

 ジンは国が崇める神の呼び出しに驚きはしていたが、すんなりと受け入れ、入れる者は殆んどいない神のもとへと奥に進んでいった
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