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幼いころの記憶4
しおりを挟む家が隣同士だとわかり、二人は大喜びした。
それから二人はよく遊ぶようになった。
今までお互いをまったく知らなかったが、仲良くなっていくうちに二人は同じ小学校に通っていることが分かった。
夏休みに入ると律と健一は律の家や公園で暗くなるまで遊んだ。
ある日、健一が帰ると珍しく両親がそろって家にいた。
健一の母親は夜の仕事をしていてしかも普段は不倫相手の家で寝泊まりしているため家に帰ってくることはめったにない。
二人は大声でけんかをしていた。健一が帰ってきたもの気づかないほどに、、、
健一はトラウマで人の大声が苦手だった。
自然と隠れてしまう。
「健一はどこよ!?もうこんなに暗いのにまだ帰ってきてないじゃない!」
「うっせえな、そんなの知るかよ。てかそれより金。あ、あと酒買ってきて。」
「あんた仕事くらいしなさいよ!ずっと酒、酒ってちょっとは働きなさいよね!」
「黙れよ!お前なんて誰にでも足開くクソビッチじゃねえか。今だって男の家に住み着いてるんだろ?」
.
.
.
.
「ああ、もうあんたなんかと結婚なんてしなければよかった。」
そういって健一の母親は家から出て行ってしまった。
家が急に静かになる。
健一は心を落ち着かせ、できるだけ自然な風に「ただいま」と言いリビングに行くと父親が貧乏ゆすりをしながら煙草を吸っていた。
「なあ健一、お前さっきの話聞いてたか?」
自分が家にいたことがばれたのかと思い、ドキッとする。
しかし、怒られるのが嫌で嘘をついてしまう。
「う、ううん。聞いてないよ。」
「そっか、、おまえが生まれてからなにもかもうまくいかなくなっちまったよ。お前なんて生まれてこなければよかったのにな。おいで、健一。」
こんなことを言われるのは日常だ。
父親に逆らうことのできない健一はおとなしく父親の前に座った。
「手、出して目つぶって。」
言うとおりに手を出すと急に手が焼けるように熱くなった。
「ぎゃ!」
びっくりして目を開けて手を引っ込める。
すると父が健一の左頬を思いっきり殴った。
「ぐぁっっ」
勢いのあまり健一は床に倒れる。
倒れたところでお腹を蹴り上げられる。
父親の健一に対する暴力は健一が動かなくなるまで続けられた。
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