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ご近所不倫に溺れたシタ妻の末路
「ねぇ、今日…」
「そんな体力今ないよ」
私は乃愛、30歳のカフェ店員。
夫とは結婚して2年、早くもレス状態に陥っている。
下着を新調したり色々試してみたが結果は一向に出ない。
同じベッドで寝ているのに、孤独感に苛まれる毎日。
私はもう、女として見られなくなったのだろうか?
そんな疑問を抱きながら過ごす中、隣の家に若い夫婦が引っ越してきた。
「初めまして、末永と申します」
奥さんを連れて挨拶に来た旦那さんは背が高く顔立ちもルックスも良く内心私は奥さんが羨ましくなった。
「素敵なご夫婦だったね、新婚さんかな?」
「別に良いだろ、そんなこと」
いつしか夫とは他愛もない会話すら減っていた。
「あのさ…どう思ってるの?将来の事。あたし、そろそろ子供が欲しいなって思ってて」
「今すぐじゃなくても遅くないだろ」
夫は私の目も見てくれない。
「そうだね」
それから私は夫と距離を取るようになり食事も寝る部屋も別々、会話は必要最低限、家庭内別居を始めた。
「俺、今日遅くなる。会社の飲み会あるから」
「…うん」
家庭内別居から一週間後、夫に話しかけられてもこれ以上話したくもないとすら思うようになっていた。
もう夫とは一生仮面夫婦のままなんだろう。
そう思っていた私に悪魔が囁いたのはある日突然の事だった。
「新名さん?」
仕事帰りに立ち寄ったドラッグストアで声をかけてきたのは隣に引っ越してきた夫婦の旦那さんだった。
「末永さん…」
「たまたまですね」
私は買い物を終えると、その流れで彼と近くの公園のベンチに腰掛けた。この日は何となく、真っ直ぐ家に帰る気になれなかった。
「大丈夫なんですか?奥さん、待ってるんじゃ」
「全然大丈夫です、妻は今会社の出張で明日まで家にいないので」
「そうなんですか。奥さんが羨ましいです、こんな良い旦那さんに出会えたんだから」
「そんな事ないですよ。旦那さんと何かあったんですか?」
「えっ?何もないよ、むしろ何か起きる気配すらないよ」
「どうしてそうやって無理するかなあ」
彼の優しさに、甘えそうだった。
「無理なんかしてないよ」
「俺にはそうは見えないですけどね」
「…たいした事じゃないんだけど、家庭内別居なんだよね。結婚して2年しか経ってないのにレス状態だし。会話もたいして続かないし、もう一生多分、子供はつくらないかもね」
「新名さん…」
「あたし何言ってるんだろう。ごめん、帰るね」
先に帰ろうとベンチから立ち上がると彼が後ろから抱き締めてきた。
「ちょっと…」
「新名さんだけじゃないんです、うちもなんです。うちも…レスなんです」
「…えっ?」
「すみません、急に」
我に返ったかのように彼は私から離れた。
「ごめんなさい、聞かなかった事にして下さい」
「嫌です」
「…と、言うと?」
「末永さんの事、ほっとけないです…」
その日以来、私は夫の目を盗んで彼と会うようになった。
怪しまれないように会うのはいつも郊外を選んだ。互いに家庭の不満やレスになったきっかけを話している時は旦那の事も彼の奥さんの事も気にならなかった。
そんなある日、仕事を終え携帯をふと見ると彼から会って話したいとメールが届いていた。待ち合わせ場所は郊外にある公園だった。急いで向かうと、彼はベンチに腰掛けていた。
「末永さん」
「新名さん…ごめんね急に呼び出して」
「どうしたの?」
「昨日…結婚記念日だったんだけど、だめだったんだ。久々に誘ってみたんだけど妊娠するのは今じゃないって拒否されちゃって…俺、もうわからなくて」
まるで以前の自分を見ているようだった。
「新名さん…今日ってまだ時間ありますか」
「大丈夫、旦那今日から出張だから」
その日の夜、とうとう私は彼と身体の関係を持った。
夫に女として見られなくなった私はすでに彼のいない生活なんて考えられなくなっていた。
この時はまだ夫が一人の女性と連絡を取っている事などつゆも知らずにいた。
それから私は彼と会う度に情事を重ねるようになっていた。
彼が私に触れる指、彼の肌の温もり、唇の感触…彼のすべてを独り占めせずにはいられなかった。
その分、夫とのレスの悩みも気にならなくなり家庭内別居という環境にすっかり慣れていた。ただ、結婚記念日はもうすぐ間近に近づいていたが夫と過ごす気などさらさら無かった。
「結婚記念日なのに、俺といて良いの?」
結婚記念日は彼と県外に出掛けた。
「良いの良いの、夫とはもうそんな雰囲気じゃないから」
去年までは夫と結婚記念日にドライブデートや旅行を楽しんでいたが私にとっては遠い過去のように感じた。
「もういっそ、二人でどこかに逃げようか」
「えっ?」
「いや…嫁と別れて乃愛さんと、遠いところに行けたらなって思って」
彼が何故、そんな事を言い出したのかこの時はまだわからなかった。
悲劇はある日突然私を襲った。
「何これ…」
しばらく見ていなかった夫との共同貯金を貯めた通帳アプリを見てみると結婚記念日に20万円も引き落とされていた。
「ただいま」
その日の夜、夫が帰宅すると私は夫を問い詰めた。
「あたしに何か言う事ない?」
「乃愛…?」
「共同貯金の20万何に使ったの!?」
「ごめん…最近会社の飲み会とか色々出費が重なって」
「飲みに行くのに20万もかかるわけないよね?」
「言えない事だってあるんだよ!」
いつも冷静沈着な夫が声を荒らげたのはこの時が初めてだった。
「言えない事…?」
「俺…乃愛を裏切った。一度だけ…隣の奥さんとそういう事になって、妊娠させた…でも赤ちゃんはもう」
「聞きたくない!」
耐えられなくなった私は家を飛び出し、彼の住む家に向かったがすでに引っ越していて売物件の張り紙が貼られていた。
彼にすぐ電話をかけたが、留守電になってしまった。
それから何日経っても彼とは連絡がつかず夫とは一言も話していない。家事や掃除すら手がつかなくなり家の中は荒れていった。
彼の消息を知ったのは、数週間後の事だった。
「えっ…?」
ネットニュースをふと見ると、彼は奥さんに暴力を奮い現行犯逮捕されていた。奥さんの不倫が原因で口論になったと供述しているとの事だった。結局彼は、奥さんを選んだのだ。
私は夫と離婚、働いていた職場を去り実家に帰った。
精神的に疲弊していたのもあって家に引きこもる日々が一ヶ月近く続いたがその後何とか地元の小さな飲食店に就職する事が出来た。
地元に戻ってからも、彼の事を忘れるのに時間はかかった。彼は結局奥さんの元に戻ったが彼に優しくされた事だけはどうしても忘れられずにいた。彼が逮捕された事により正式に離婚した事を奥さんのSNSで知ったがもう一度会いたいという気持ちにはならなかった。
いつか心から幸せと言える日が、私には来るのだろうか…?
「そんな体力今ないよ」
私は乃愛、30歳のカフェ店員。
夫とは結婚して2年、早くもレス状態に陥っている。
下着を新調したり色々試してみたが結果は一向に出ない。
同じベッドで寝ているのに、孤独感に苛まれる毎日。
私はもう、女として見られなくなったのだろうか?
そんな疑問を抱きながら過ごす中、隣の家に若い夫婦が引っ越してきた。
「初めまして、末永と申します」
奥さんを連れて挨拶に来た旦那さんは背が高く顔立ちもルックスも良く内心私は奥さんが羨ましくなった。
「素敵なご夫婦だったね、新婚さんかな?」
「別に良いだろ、そんなこと」
いつしか夫とは他愛もない会話すら減っていた。
「あのさ…どう思ってるの?将来の事。あたし、そろそろ子供が欲しいなって思ってて」
「今すぐじゃなくても遅くないだろ」
夫は私の目も見てくれない。
「そうだね」
それから私は夫と距離を取るようになり食事も寝る部屋も別々、会話は必要最低限、家庭内別居を始めた。
「俺、今日遅くなる。会社の飲み会あるから」
「…うん」
家庭内別居から一週間後、夫に話しかけられてもこれ以上話したくもないとすら思うようになっていた。
もう夫とは一生仮面夫婦のままなんだろう。
そう思っていた私に悪魔が囁いたのはある日突然の事だった。
「新名さん?」
仕事帰りに立ち寄ったドラッグストアで声をかけてきたのは隣に引っ越してきた夫婦の旦那さんだった。
「末永さん…」
「たまたまですね」
私は買い物を終えると、その流れで彼と近くの公園のベンチに腰掛けた。この日は何となく、真っ直ぐ家に帰る気になれなかった。
「大丈夫なんですか?奥さん、待ってるんじゃ」
「全然大丈夫です、妻は今会社の出張で明日まで家にいないので」
「そうなんですか。奥さんが羨ましいです、こんな良い旦那さんに出会えたんだから」
「そんな事ないですよ。旦那さんと何かあったんですか?」
「えっ?何もないよ、むしろ何か起きる気配すらないよ」
「どうしてそうやって無理するかなあ」
彼の優しさに、甘えそうだった。
「無理なんかしてないよ」
「俺にはそうは見えないですけどね」
「…たいした事じゃないんだけど、家庭内別居なんだよね。結婚して2年しか経ってないのにレス状態だし。会話もたいして続かないし、もう一生多分、子供はつくらないかもね」
「新名さん…」
「あたし何言ってるんだろう。ごめん、帰るね」
先に帰ろうとベンチから立ち上がると彼が後ろから抱き締めてきた。
「ちょっと…」
「新名さんだけじゃないんです、うちもなんです。うちも…レスなんです」
「…えっ?」
「すみません、急に」
我に返ったかのように彼は私から離れた。
「ごめんなさい、聞かなかった事にして下さい」
「嫌です」
「…と、言うと?」
「末永さんの事、ほっとけないです…」
その日以来、私は夫の目を盗んで彼と会うようになった。
怪しまれないように会うのはいつも郊外を選んだ。互いに家庭の不満やレスになったきっかけを話している時は旦那の事も彼の奥さんの事も気にならなかった。
そんなある日、仕事を終え携帯をふと見ると彼から会って話したいとメールが届いていた。待ち合わせ場所は郊外にある公園だった。急いで向かうと、彼はベンチに腰掛けていた。
「末永さん」
「新名さん…ごめんね急に呼び出して」
「どうしたの?」
「昨日…結婚記念日だったんだけど、だめだったんだ。久々に誘ってみたんだけど妊娠するのは今じゃないって拒否されちゃって…俺、もうわからなくて」
まるで以前の自分を見ているようだった。
「新名さん…今日ってまだ時間ありますか」
「大丈夫、旦那今日から出張だから」
その日の夜、とうとう私は彼と身体の関係を持った。
夫に女として見られなくなった私はすでに彼のいない生活なんて考えられなくなっていた。
この時はまだ夫が一人の女性と連絡を取っている事などつゆも知らずにいた。
それから私は彼と会う度に情事を重ねるようになっていた。
彼が私に触れる指、彼の肌の温もり、唇の感触…彼のすべてを独り占めせずにはいられなかった。
その分、夫とのレスの悩みも気にならなくなり家庭内別居という環境にすっかり慣れていた。ただ、結婚記念日はもうすぐ間近に近づいていたが夫と過ごす気などさらさら無かった。
「結婚記念日なのに、俺といて良いの?」
結婚記念日は彼と県外に出掛けた。
「良いの良いの、夫とはもうそんな雰囲気じゃないから」
去年までは夫と結婚記念日にドライブデートや旅行を楽しんでいたが私にとっては遠い過去のように感じた。
「もういっそ、二人でどこかに逃げようか」
「えっ?」
「いや…嫁と別れて乃愛さんと、遠いところに行けたらなって思って」
彼が何故、そんな事を言い出したのかこの時はまだわからなかった。
悲劇はある日突然私を襲った。
「何これ…」
しばらく見ていなかった夫との共同貯金を貯めた通帳アプリを見てみると結婚記念日に20万円も引き落とされていた。
「ただいま」
その日の夜、夫が帰宅すると私は夫を問い詰めた。
「あたしに何か言う事ない?」
「乃愛…?」
「共同貯金の20万何に使ったの!?」
「ごめん…最近会社の飲み会とか色々出費が重なって」
「飲みに行くのに20万もかかるわけないよね?」
「言えない事だってあるんだよ!」
いつも冷静沈着な夫が声を荒らげたのはこの時が初めてだった。
「言えない事…?」
「俺…乃愛を裏切った。一度だけ…隣の奥さんとそういう事になって、妊娠させた…でも赤ちゃんはもう」
「聞きたくない!」
耐えられなくなった私は家を飛び出し、彼の住む家に向かったがすでに引っ越していて売物件の張り紙が貼られていた。
彼にすぐ電話をかけたが、留守電になってしまった。
それから何日経っても彼とは連絡がつかず夫とは一言も話していない。家事や掃除すら手がつかなくなり家の中は荒れていった。
彼の消息を知ったのは、数週間後の事だった。
「えっ…?」
ネットニュースをふと見ると、彼は奥さんに暴力を奮い現行犯逮捕されていた。奥さんの不倫が原因で口論になったと供述しているとの事だった。結局彼は、奥さんを選んだのだ。
私は夫と離婚、働いていた職場を去り実家に帰った。
精神的に疲弊していたのもあって家に引きこもる日々が一ヶ月近く続いたがその後何とか地元の小さな飲食店に就職する事が出来た。
地元に戻ってからも、彼の事を忘れるのに時間はかかった。彼は結局奥さんの元に戻ったが彼に優しくされた事だけはどうしても忘れられずにいた。彼が逮捕された事により正式に離婚した事を奥さんのSNSで知ったがもう一度会いたいという気持ちにはならなかった。
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