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第十九章 婚約者として過ごす日々
リィカVSセシリー①
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それから数日たち、放課後。
リィカはセシリーと試合場で向かい合っていた。
場所は、三年目の最初に模擬戦を行った、大きく豪華な試合場だ。場所を聞いたとき、リィカは目立ちたくないと思ったが、観戦したいという希望も結構あるようで、ほぼ強制的にその場所になってしまった。
ちなみにユーリとブレッドの戦いもこの場所だったらしい。ある意味、そのせいでリィカとセシリーの戦いに興味を持つ人が増えたといっても過言ではない。
今、リィカはまだ試合場の外にいた。セシリーと向かい合っているが、その雰囲気はまだ友だち同士のそれである。
「リィカ、剣の練習できたの?」
「――全然」
セシリーに聞かれて、リィカはガックリ肩を落とす。ユーリと戦うと、どうしてもエンチャントの応酬になってしまうし、レンデルやミラベルが「教えて!」と言ってくるせいで、練習らしい練習にならなかった。
そう説明すると、セシリーは苦笑した。
「アレクシス殿下に教えてって言ったら、あたしじゃなくリィカを教えてくれたと思うけど」
「だって、セシリーと先に約束したんでしょ? それなのに、そんなことできないよ」
そう言うと、セシリーの笑みが深まった。
「……リィカのそういうところ、好きだよ。自分は勇者一行なんだって、いくらでも強く出られるのに、そうしない。誰が相手でも、対等であろうとする」
「友だちだもの。そんなの当然でしょ?」
「それを当然だって言ってくれるからだよ。……ベルもそうだけど、あたしはホントに友人に恵まれてると思う」
そして、セシリーはリィカに手を出した。
「今日はよろしく、リィカ。あたしのワガママ聞いてくれて、ありがとう」
「わたしこそ、よろしく。――正直に言えば、なんでセシリーがそんなに戦いたいのか、わたしには分からない。けど望むように本気で戦うよ」
分からないからこそ、本気で戦う。きっとそうすることで、何かが分かるかもしれないから。
リィカも手を出して、二人の手が握り合う。そして、どちらからともなく手を離し、お互いに試合場へと登った。
※ ※ ※
「試合開始の合図は?」
「本番の戦いに、そんなものないよ」
「ごもっとも。じゃ、遠慮なく」
セシリーの問いにリィカが答え、それを受けてセシリーがその場で地面を蹴った。アレクほどじゃない。しかし、素早い動きでリィカの前に躍り出る。その時にはすでにセシリーは剣を抜き放っていた。
「【天馬翼轟閃】!」
「…………!」
唱えられたのは、風の直接攻撃の剣技だ。
リィカは咄嗟に魔法を使おうとして……それが禁止であったことを思い出す。舌打ちの一つもしたかった。今からエンチャントは間に合わない。その代わり、脳裏によぎったのは……。
『剣技への対抗手段?』
旅の途中に、泰基に質問したことがある。バルと戦ったアシュラが剣技を使った。であれば、他にも使う魔族がいるかもしれない。
魔法を使う暇もなく剣技が放たれてしまったとき、どう対抗したらいいのか。そう聞いたとき、泰基は少し考える様子を見せて、言った。
『遠距離攻撃ができる剣技二つは、普通に魔法で対抗できるだろ。突き技の剣技もだ。遠距離の二つほどじゃないが、距離があっても発動できる剣技だから、逆にお前たちには有利だ。だから、警戒すべきは直接攻撃の剣技のみだろうが……』
リィカはフッと笑う。泰基が日本に帰っても、旅の間では使うことはなくても、教えてもらったことはちゃんと自分の中に残っている。
『直接攻撃の剣技は、そのインパクトの瞬間に放たれるもの。だからほんの少し、ずらしてやればいいだけだ』
セシリーの放つ剣技の軌道を見ながら、リィカは一歩後ろに下がる。それだけで焦点がずれる。とはいっても、セシリーも剣技の実技三位を争う実力の持ち主。この程度、簡単に対応してくるだろうが、それでも一瞬の間は空いた。
「《土の付与》!」
今度こそ、エンチャントを唱えることに成功する。
セシリーは決して空振りすることはなく、リィカの空けた一歩の間に対応して、剣を振り下ろそうとしていた。その眼前に、リィカの唱えた《土の付与》が大きく広がった。
「なっ!?」
普通《土の付与》とは、剣を土が覆って厚みと長さが増す魔法だ。これを使うと、切るというよりは打撃に近い攻撃になる。
しかし、今リィカが唱えたものは、剣を中心に土が長方形に広がっていた。それを日本人が見たならば、「盾」と表現しただろう。その盾が、セシリーの放った剣技を受け止めたのだ。
セシリーの驚く声を聞きながら、リィカは魔力を流した。
「弾けて!」
「っっっ!」
土でできた盾が、リィカの指示に応じて弾ける。小さな土塊がセシリーへとぶつかり、慌てたセシリーが後ろに下がる。リィカは、エンチャントの解けた剣に再び魔法を唱えた。
「《風の付与》!」
剣の周りに風が渦巻く。その剣を、リィカはその場で横に薙ぐ。その動きに合わせて、渦巻いた風が、ムチのようにセシリーに伸びた。
「ムチャクチャ……っ」
セシリーが毒づくのが聞こえた。この風のムチは結構使っているのだが、アレクやバルから聞いてはいないんだろうか。そんな疑問がわいたが、攻撃の手は緩めない。
「【金鶏陽王斬】!」
唱えられたのは火の直接攻撃の剣技。風のムチの不規則な動きに惑わされることなく、剣技は確実にその動きを捉えて相殺する。
けれど、とリィカは口元を緩める。あくまでもムチが相殺されただけ。エンチャントはまだ残っている。
リィカは再び剣を構え、横薙ぎに切る。剣から、複数の小さい三日月型の風が放たれた。
※ ※ ※
「チャンスがあるとするなら初撃だと思ったが、駄目だったか」
「剣技への対処はユーリもやってたから、リィカも知ってっとは思ったが」
「タイキさんが教えたのか?」
「ああ。らしいぞ」
アレクとバルは、二人の戦いを見ながら会話を交わす。
この場にユーリはいない。離れた場所で、レンデルやミラベルといった魔法組と一緒にいる。代わりに、というわけではないが、この場にいるブレッドが口を開いた。
「教えられただけで簡単にできるもんでもないだろうが」
ユーリにいなされて、リィカも躱してみせた。一応、剣には自信があるというのに、格上とはいえ魔法職にそれをされたことが悔しくてしょうがない。
そんなブレッドに、アレクが肩をすくめてバルは苦笑した。
「俺たちと剣を合わせた影響だろうな」
「ああ。手加減をしていたとはいっても、おれたちと手合わせしてたせいで、色々と見切れるようになってやがる」
剣を振るスピードが速いのもそのせいだろう。ユーリもリィカも、何とか自分たちに食らいつこうとした結果なのだ。
「迷惑極まりない話だな」
ブレッドのしかめられた顔は、心の底からそれを言っていることが分かる。それを分かっていながら、アレクが言ったのは別のことだった。
「だが、やはりリィカがすごいのは魔法だ。あの一瞬で、エンチャントを発動したんだから」
たった一歩の間を修正するだけの、ほんの僅かな間で。
リィカとユーリが剣を習おうとするきっかけとなった、ポールとパールとの戦い。もしあの時に、これだけの早さで魔法の発動ができていたなら、きっと二人が剣を習うこともなかっただろうと思う。
そうであれば、今この試合が行われることもなかったはずだ。それが良かったのか悪かったのか、それを判断するのはユーリであり、リィカだろうが。
アレクはフッと笑った。
「どちらにしても、もうセシリー嬢に勝ち目はないな」
その言葉にバルも口元を緩め、ブレッドは逆に不満そうに口を結ぶ。
だが、どちらも何も言わず、試合場を見上げたのだった。
リィカはセシリーと試合場で向かい合っていた。
場所は、三年目の最初に模擬戦を行った、大きく豪華な試合場だ。場所を聞いたとき、リィカは目立ちたくないと思ったが、観戦したいという希望も結構あるようで、ほぼ強制的にその場所になってしまった。
ちなみにユーリとブレッドの戦いもこの場所だったらしい。ある意味、そのせいでリィカとセシリーの戦いに興味を持つ人が増えたといっても過言ではない。
今、リィカはまだ試合場の外にいた。セシリーと向かい合っているが、その雰囲気はまだ友だち同士のそれである。
「リィカ、剣の練習できたの?」
「――全然」
セシリーに聞かれて、リィカはガックリ肩を落とす。ユーリと戦うと、どうしてもエンチャントの応酬になってしまうし、レンデルやミラベルが「教えて!」と言ってくるせいで、練習らしい練習にならなかった。
そう説明すると、セシリーは苦笑した。
「アレクシス殿下に教えてって言ったら、あたしじゃなくリィカを教えてくれたと思うけど」
「だって、セシリーと先に約束したんでしょ? それなのに、そんなことできないよ」
そう言うと、セシリーの笑みが深まった。
「……リィカのそういうところ、好きだよ。自分は勇者一行なんだって、いくらでも強く出られるのに、そうしない。誰が相手でも、対等であろうとする」
「友だちだもの。そんなの当然でしょ?」
「それを当然だって言ってくれるからだよ。……ベルもそうだけど、あたしはホントに友人に恵まれてると思う」
そして、セシリーはリィカに手を出した。
「今日はよろしく、リィカ。あたしのワガママ聞いてくれて、ありがとう」
「わたしこそ、よろしく。――正直に言えば、なんでセシリーがそんなに戦いたいのか、わたしには分からない。けど望むように本気で戦うよ」
分からないからこそ、本気で戦う。きっとそうすることで、何かが分かるかもしれないから。
リィカも手を出して、二人の手が握り合う。そして、どちらからともなく手を離し、お互いに試合場へと登った。
※ ※ ※
「試合開始の合図は?」
「本番の戦いに、そんなものないよ」
「ごもっとも。じゃ、遠慮なく」
セシリーの問いにリィカが答え、それを受けてセシリーがその場で地面を蹴った。アレクほどじゃない。しかし、素早い動きでリィカの前に躍り出る。その時にはすでにセシリーは剣を抜き放っていた。
「【天馬翼轟閃】!」
「…………!」
唱えられたのは、風の直接攻撃の剣技だ。
リィカは咄嗟に魔法を使おうとして……それが禁止であったことを思い出す。舌打ちの一つもしたかった。今からエンチャントは間に合わない。その代わり、脳裏によぎったのは……。
『剣技への対抗手段?』
旅の途中に、泰基に質問したことがある。バルと戦ったアシュラが剣技を使った。であれば、他にも使う魔族がいるかもしれない。
魔法を使う暇もなく剣技が放たれてしまったとき、どう対抗したらいいのか。そう聞いたとき、泰基は少し考える様子を見せて、言った。
『遠距離攻撃ができる剣技二つは、普通に魔法で対抗できるだろ。突き技の剣技もだ。遠距離の二つほどじゃないが、距離があっても発動できる剣技だから、逆にお前たちには有利だ。だから、警戒すべきは直接攻撃の剣技のみだろうが……』
リィカはフッと笑う。泰基が日本に帰っても、旅の間では使うことはなくても、教えてもらったことはちゃんと自分の中に残っている。
『直接攻撃の剣技は、そのインパクトの瞬間に放たれるもの。だからほんの少し、ずらしてやればいいだけだ』
セシリーの放つ剣技の軌道を見ながら、リィカは一歩後ろに下がる。それだけで焦点がずれる。とはいっても、セシリーも剣技の実技三位を争う実力の持ち主。この程度、簡単に対応してくるだろうが、それでも一瞬の間は空いた。
「《土の付与》!」
今度こそ、エンチャントを唱えることに成功する。
セシリーは決して空振りすることはなく、リィカの空けた一歩の間に対応して、剣を振り下ろそうとしていた。その眼前に、リィカの唱えた《土の付与》が大きく広がった。
「なっ!?」
普通《土の付与》とは、剣を土が覆って厚みと長さが増す魔法だ。これを使うと、切るというよりは打撃に近い攻撃になる。
しかし、今リィカが唱えたものは、剣を中心に土が長方形に広がっていた。それを日本人が見たならば、「盾」と表現しただろう。その盾が、セシリーの放った剣技を受け止めたのだ。
セシリーの驚く声を聞きながら、リィカは魔力を流した。
「弾けて!」
「っっっ!」
土でできた盾が、リィカの指示に応じて弾ける。小さな土塊がセシリーへとぶつかり、慌てたセシリーが後ろに下がる。リィカは、エンチャントの解けた剣に再び魔法を唱えた。
「《風の付与》!」
剣の周りに風が渦巻く。その剣を、リィカはその場で横に薙ぐ。その動きに合わせて、渦巻いた風が、ムチのようにセシリーに伸びた。
「ムチャクチャ……っ」
セシリーが毒づくのが聞こえた。この風のムチは結構使っているのだが、アレクやバルから聞いてはいないんだろうか。そんな疑問がわいたが、攻撃の手は緩めない。
「【金鶏陽王斬】!」
唱えられたのは火の直接攻撃の剣技。風のムチの不規則な動きに惑わされることなく、剣技は確実にその動きを捉えて相殺する。
けれど、とリィカは口元を緩める。あくまでもムチが相殺されただけ。エンチャントはまだ残っている。
リィカは再び剣を構え、横薙ぎに切る。剣から、複数の小さい三日月型の風が放たれた。
※ ※ ※
「チャンスがあるとするなら初撃だと思ったが、駄目だったか」
「剣技への対処はユーリもやってたから、リィカも知ってっとは思ったが」
「タイキさんが教えたのか?」
「ああ。らしいぞ」
アレクとバルは、二人の戦いを見ながら会話を交わす。
この場にユーリはいない。離れた場所で、レンデルやミラベルといった魔法組と一緒にいる。代わりに、というわけではないが、この場にいるブレッドが口を開いた。
「教えられただけで簡単にできるもんでもないだろうが」
ユーリにいなされて、リィカも躱してみせた。一応、剣には自信があるというのに、格上とはいえ魔法職にそれをされたことが悔しくてしょうがない。
そんなブレッドに、アレクが肩をすくめてバルは苦笑した。
「俺たちと剣を合わせた影響だろうな」
「ああ。手加減をしていたとはいっても、おれたちと手合わせしてたせいで、色々と見切れるようになってやがる」
剣を振るスピードが速いのもそのせいだろう。ユーリもリィカも、何とか自分たちに食らいつこうとした結果なのだ。
「迷惑極まりない話だな」
ブレッドのしかめられた顔は、心の底からそれを言っていることが分かる。それを分かっていながら、アレクが言ったのは別のことだった。
「だが、やはりリィカがすごいのは魔法だ。あの一瞬で、エンチャントを発動したんだから」
たった一歩の間を修正するだけの、ほんの僅かな間で。
リィカとユーリが剣を習おうとするきっかけとなった、ポールとパールとの戦い。もしあの時に、これだけの早さで魔法の発動ができていたなら、きっと二人が剣を習うこともなかっただろうと思う。
そうであれば、今この試合が行われることもなかったはずだ。それが良かったのか悪かったのか、それを判断するのはユーリであり、リィカだろうが。
アレクはフッと笑った。
「どちらにしても、もうセシリー嬢に勝ち目はないな」
その言葉にバルも口元を緩め、ブレッドは逆に不満そうに口を結ぶ。
だが、どちらも何も言わず、試合場を見上げたのだった。
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