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37話
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「最後にもう1度確認しておこう。貴様がユーキを殺したので間違いないのだな?」
ゼギウスたちが家の中に入ってから目の前に立つ筋肉の塊にそう聞かれる。何回か出た名前だが、それが誰なのかも分からない。
久しぶりに加減無しで戦っていいと許可が出たのは嬉しいけど、この相手では物足りない。ゼギウスと戦う準備運動にもなりはしない。
「悪いけどそのユーキっていうのが誰か分からないんだよね。でもゼギウスが言ったならそうだと思うよ」
「そうか、その答えで十分だ。慈悲もない」
目の前に居る筋肉の塊はそう言うと肌の色が血で染めたように赤黒くなり角が生える。その姿はまるで魔物のようだが、違う。魔物のような理性はなくバケモノやケモノと言うのが正しい。
ゼギウスくらい地力があるなら戦略でなくとも遊びにはなるが、この程度では遊びにもならない。そう思って欠伸をしているとバケモノは動いた。
拳をグッと握り気づけばバケモノは目の前に居て拳を振るう。それを何もせずに生身で受けとめた。
反応に遅れた訳でも避けられなかった訳でもない。防御態勢すら取るに足らないと判断したのだ。
ズシン!と鈍い衝撃が体を伝う。少し侮っていた。これなら遊びにはなりそうだ。
そのまま肉弾戦になるかと思いきやバケモノは距離を取る。
「今度は何をするのかな?」
少しはこの遊びにも楽しみが見出せて次の手に期待しているとすぐに次の一手は打たれた。
「《憤怒の轟雷》」
そう唱えたバケモノのスキルは辺り一帯に無数の雷を落とし続ける。それは私に的を絞った攻撃ではなくこの庭全体を範囲とした攻撃のようで逃げ場はない。
これは凄いや。この範囲でこの威力、とても人間の出せるスキルじゃない。傲慢の時は一瞬で終わらせたから分からなかったが、これが人間の七罪の力、確かにこれなら数でも質でも魔物に劣る人間が柱程度になら勝てる可能性はある。
そんなことを思っていると1発2発と雷が当たる。体は痺れ、確かなダメージがあった。
しかし、所詮は痺れ程度、ゼギウスに起こられて正座させられていた時と同じだ。肉弾戦から少しは期待したしスキルを見た時も期待したが、いざ触れてみると期待外れだ。ただの見掛け倒し。
「少しでも期待した私がバカだった。でも格の差を見せるには丁度いいよね。《鳴り響け》」
そう独り言のように愚痴をこぼすと即席のスキルを唱える。それは《憤怒の轟雷》と同威力、同範囲の雷を庭全体に落として相殺した。
「貴様、我輩を侮辱するのも大概にせよ!」
バケモノは怒り狂ったように大声を上げ向かってくる。私の挑発に気づいたようだ。
「まだ、肉弾戦の方が遊びになるからね」
「なら堪能するがいい」
拳を激しく打ち合う。私の体はこのバケモノの数分の1程度で筋肉の量なんて比べるまでもない。だけど拳の打ち合いは私が勝っている。
この意味をこのバケモノや家の中で見ている人たちは分かっているだろうか。鍛錬や経験では補い切れない圧倒的な力の差。それが私たち庭と七罪の間にはある。
スキルでも物理でも私の方が圧倒的に上なことは示した。これで全員納得しただろう。だから最後はゼギウスに許可された本気で終わらせる。
「《滅雷》」
バケモノを蹴り飛ばしてそうスキルを唱える。それはハオとゼギウスが戦った時と同様のスキルだが、威力が違う。
《憤怒の豪雷》と《鳴り響け》を全て集約しても足りない威力の雷がバケモノの体を飲み込むと、そこには何も残らなかった。
家の中に行くと庭の者はゼギウスしかおらず、その場に居た全員が言葉も出ないといったような顔をしている。力の差を見せつけるにはさっきので十分だったようだ。
「アホ、最初から本気で戦え」
「でも力の差を見せつけろって言われたもん」
「俺と庭の指示どっちが優先だ?」
その聞き方はズルい。そんなものゼギウスに決まっている。
私の中の優先順位はゼギウスと母様が1位、次に庭に居る者、そしてその他だ。
「それはゼギウスだけど……」
「別に怒ってる訳じゃねぇ。ただ、ラクルはいい奴だった。だから最初から全力で戦ってやってほしかった」
これもまたズルい。普段は憎まれ口ばっかり言うゼギウスがフォローするようなことを言うと凄く申し訳なくなる。
それにしてもゼギウスがいい奴だったなんて言うのは珍しい。いつもはアホだの面倒くさいだのそういうことしか言わないのに、それだけ言うってことは本当にいい奴だったのだろう。まぁ、ゼギウスのいい奴かどうかは面倒事が多いか少ないかだろうから本質的ないい奴かは分からないが。
どうであれ仕事は終わった。次はゼギウスと母様を会わせて、その後ゼギウスと戦う。七罪の事は他に任せればいい。
「ゼギウス、母様に会いに行こ!」
「分かった。それじゃあ俺は少し行ってくるからここで待ってろよ」
そうゼギウスは見覚えのある3人に向かって言うと階段を上っていく。
「ゼギウスって母様に会うの何年振りくらい?」
「3年振りくらいだな。まぁ、原初は俺のこと見てたんだろうしいいだろ」
「ダメだよ。母様は直接ゼギウスに会いたがってるしゼギウスと話したがってるの!」
ゼギウスと母様が久しぶりに会う嬉しさを抑えられないまま、そう話していると母様の居る部屋の前に着いた。
「入るぞ」と言うとゼギウスは扉を開けて部屋に入っていく。それに続いて私も部屋に入る。
「久しぶりですね、ゼギウス。以前会った時よりも大きくなりましたか?」
薄暗い部屋の奥、ベッドの上からいつもよりも嬉しそうな声が聞こえてくる。やっぱり母様はゼギウスとの再会が嬉しいようだ。
「変わってねぇしどうせ見てただろ」
ゼギウスもゼギウスで声が少し嬉しそうだ。ゼギウスも会いたいなら定期的に帰ってくればいいのに。
「反抗期ですか…小さい頃はもっと素直でしたのに……」
「それで原初が俺に何の用だ?」
「原初…その呼び方はあまり好きではないのですが…昔みたいにお母さんと呼んでくれませんか?」
これは演技じゃなくて本気で落ち込んでいる。でも、私はゼギウスが母様のことをお母さんと呼んでいるのを聞いたことがない。私が生まれてからはそう呼ばなくなったのだろうか。
「いつから俺の母になったんだよ。原初は原初だろ」
「いつからと聞かれますと出会った時からになるでしょうか。あの頃のゼギウスはまだこんなに小さくて可愛かったですね。あっ、今が可愛くないと言っている訳ではないのですよ。今もゼギウスは可愛いですよ」
「真面目な返しを期待して聞いた訳じゃねぇよ…」
珍しくゼギウスが会話で押されている。母様は凄いな。
「ゼギウス、ここに戻ってくる気はありませんか?」
母様がそう提案する。私もその提案には賛成だ。
「少なくとも今はねぇな。別にここが嫌いな訳じゃねぇが、やることがあるのは分かってるだろ?それが終わったらその時、改めて考える」
「そうですか…私もそうですがナナシも寂しがるのでたまにはこうして顔を見せに来てください。やはり遠くから見ているのと直接会うのとでは違いますからね」
「そうだな。ナナシに迎えに来させるならそれもいいかもしれねぇな」
私が迎えに行くと言っても適当にはぐらかしたくせに母様が言うと納得するんだ…
「そうですね。ゼギウスが合図を送ってくださればいつでもナナシを迎えに送ります」
いつの間にか私が迎えに行くことになっているけど、ゼギウスが来てくれるなら私も嬉しいからいっか。でも私と母様の扱いの違いに少し腹が立つ。
「ゼギウス、私の時と違って母様に甘い。私にももっと甘くしろ!もっと遊べ!」
「アホか、俺が帰らねぇ要因の1つはお前だ」
「アホって酷い!私はゼギウスの面倒事を押し付けられてるのに!それにお前って呼ぶな!」
「今回のはお前が招いた結果だろ。お・ま・え・が!」
「あー!またお前って呼んだナナシって呼べー!」
そうゼギウスに飛び掛かりしがみついてそう講義をする。ゼギウスは「離れろ」と言っているが離れる気はない。
そんな私たちを母様は「ゼギウスとナナシは仲がいいですね。ナナシを生んだ意味がありました」と温かい目で見守ってくれていた。やっぱり家族で居ると楽しいな。
ゼギウスたちが家の中に入ってから目の前に立つ筋肉の塊にそう聞かれる。何回か出た名前だが、それが誰なのかも分からない。
久しぶりに加減無しで戦っていいと許可が出たのは嬉しいけど、この相手では物足りない。ゼギウスと戦う準備運動にもなりはしない。
「悪いけどそのユーキっていうのが誰か分からないんだよね。でもゼギウスが言ったならそうだと思うよ」
「そうか、その答えで十分だ。慈悲もない」
目の前に居る筋肉の塊はそう言うと肌の色が血で染めたように赤黒くなり角が生える。その姿はまるで魔物のようだが、違う。魔物のような理性はなくバケモノやケモノと言うのが正しい。
ゼギウスくらい地力があるなら戦略でなくとも遊びにはなるが、この程度では遊びにもならない。そう思って欠伸をしているとバケモノは動いた。
拳をグッと握り気づけばバケモノは目の前に居て拳を振るう。それを何もせずに生身で受けとめた。
反応に遅れた訳でも避けられなかった訳でもない。防御態勢すら取るに足らないと判断したのだ。
ズシン!と鈍い衝撃が体を伝う。少し侮っていた。これなら遊びにはなりそうだ。
そのまま肉弾戦になるかと思いきやバケモノは距離を取る。
「今度は何をするのかな?」
少しはこの遊びにも楽しみが見出せて次の手に期待しているとすぐに次の一手は打たれた。
「《憤怒の轟雷》」
そう唱えたバケモノのスキルは辺り一帯に無数の雷を落とし続ける。それは私に的を絞った攻撃ではなくこの庭全体を範囲とした攻撃のようで逃げ場はない。
これは凄いや。この範囲でこの威力、とても人間の出せるスキルじゃない。傲慢の時は一瞬で終わらせたから分からなかったが、これが人間の七罪の力、確かにこれなら数でも質でも魔物に劣る人間が柱程度になら勝てる可能性はある。
そんなことを思っていると1発2発と雷が当たる。体は痺れ、確かなダメージがあった。
しかし、所詮は痺れ程度、ゼギウスに起こられて正座させられていた時と同じだ。肉弾戦から少しは期待したしスキルを見た時も期待したが、いざ触れてみると期待外れだ。ただの見掛け倒し。
「少しでも期待した私がバカだった。でも格の差を見せるには丁度いいよね。《鳴り響け》」
そう独り言のように愚痴をこぼすと即席のスキルを唱える。それは《憤怒の轟雷》と同威力、同範囲の雷を庭全体に落として相殺した。
「貴様、我輩を侮辱するのも大概にせよ!」
バケモノは怒り狂ったように大声を上げ向かってくる。私の挑発に気づいたようだ。
「まだ、肉弾戦の方が遊びになるからね」
「なら堪能するがいい」
拳を激しく打ち合う。私の体はこのバケモノの数分の1程度で筋肉の量なんて比べるまでもない。だけど拳の打ち合いは私が勝っている。
この意味をこのバケモノや家の中で見ている人たちは分かっているだろうか。鍛錬や経験では補い切れない圧倒的な力の差。それが私たち庭と七罪の間にはある。
スキルでも物理でも私の方が圧倒的に上なことは示した。これで全員納得しただろう。だから最後はゼギウスに許可された本気で終わらせる。
「《滅雷》」
バケモノを蹴り飛ばしてそうスキルを唱える。それはハオとゼギウスが戦った時と同様のスキルだが、威力が違う。
《憤怒の豪雷》と《鳴り響け》を全て集約しても足りない威力の雷がバケモノの体を飲み込むと、そこには何も残らなかった。
家の中に行くと庭の者はゼギウスしかおらず、その場に居た全員が言葉も出ないといったような顔をしている。力の差を見せつけるにはさっきので十分だったようだ。
「アホ、最初から本気で戦え」
「でも力の差を見せつけろって言われたもん」
「俺と庭の指示どっちが優先だ?」
その聞き方はズルい。そんなものゼギウスに決まっている。
私の中の優先順位はゼギウスと母様が1位、次に庭に居る者、そしてその他だ。
「それはゼギウスだけど……」
「別に怒ってる訳じゃねぇ。ただ、ラクルはいい奴だった。だから最初から全力で戦ってやってほしかった」
これもまたズルい。普段は憎まれ口ばっかり言うゼギウスがフォローするようなことを言うと凄く申し訳なくなる。
それにしてもゼギウスがいい奴だったなんて言うのは珍しい。いつもはアホだの面倒くさいだのそういうことしか言わないのに、それだけ言うってことは本当にいい奴だったのだろう。まぁ、ゼギウスのいい奴かどうかは面倒事が多いか少ないかだろうから本質的ないい奴かは分からないが。
どうであれ仕事は終わった。次はゼギウスと母様を会わせて、その後ゼギウスと戦う。七罪の事は他に任せればいい。
「ゼギウス、母様に会いに行こ!」
「分かった。それじゃあ俺は少し行ってくるからここで待ってろよ」
そうゼギウスは見覚えのある3人に向かって言うと階段を上っていく。
「ゼギウスって母様に会うの何年振りくらい?」
「3年振りくらいだな。まぁ、原初は俺のこと見てたんだろうしいいだろ」
「ダメだよ。母様は直接ゼギウスに会いたがってるしゼギウスと話したがってるの!」
ゼギウスと母様が久しぶりに会う嬉しさを抑えられないまま、そう話していると母様の居る部屋の前に着いた。
「入るぞ」と言うとゼギウスは扉を開けて部屋に入っていく。それに続いて私も部屋に入る。
「久しぶりですね、ゼギウス。以前会った時よりも大きくなりましたか?」
薄暗い部屋の奥、ベッドの上からいつもよりも嬉しそうな声が聞こえてくる。やっぱり母様はゼギウスとの再会が嬉しいようだ。
「変わってねぇしどうせ見てただろ」
ゼギウスもゼギウスで声が少し嬉しそうだ。ゼギウスも会いたいなら定期的に帰ってくればいいのに。
「反抗期ですか…小さい頃はもっと素直でしたのに……」
「それで原初が俺に何の用だ?」
「原初…その呼び方はあまり好きではないのですが…昔みたいにお母さんと呼んでくれませんか?」
これは演技じゃなくて本気で落ち込んでいる。でも、私はゼギウスが母様のことをお母さんと呼んでいるのを聞いたことがない。私が生まれてからはそう呼ばなくなったのだろうか。
「いつから俺の母になったんだよ。原初は原初だろ」
「いつからと聞かれますと出会った時からになるでしょうか。あの頃のゼギウスはまだこんなに小さくて可愛かったですね。あっ、今が可愛くないと言っている訳ではないのですよ。今もゼギウスは可愛いですよ」
「真面目な返しを期待して聞いた訳じゃねぇよ…」
珍しくゼギウスが会話で押されている。母様は凄いな。
「ゼギウス、ここに戻ってくる気はありませんか?」
母様がそう提案する。私もその提案には賛成だ。
「少なくとも今はねぇな。別にここが嫌いな訳じゃねぇが、やることがあるのは分かってるだろ?それが終わったらその時、改めて考える」
「そうですか…私もそうですがナナシも寂しがるのでたまにはこうして顔を見せに来てください。やはり遠くから見ているのと直接会うのとでは違いますからね」
「そうだな。ナナシに迎えに来させるならそれもいいかもしれねぇな」
私が迎えに行くと言っても適当にはぐらかしたくせに母様が言うと納得するんだ…
「そうですね。ゼギウスが合図を送ってくださればいつでもナナシを迎えに送ります」
いつの間にか私が迎えに行くことになっているけど、ゼギウスが来てくれるなら私も嬉しいからいっか。でも私と母様の扱いの違いに少し腹が立つ。
「ゼギウス、私の時と違って母様に甘い。私にももっと甘くしろ!もっと遊べ!」
「アホか、俺が帰らねぇ要因の1つはお前だ」
「アホって酷い!私はゼギウスの面倒事を押し付けられてるのに!それにお前って呼ぶな!」
「今回のはお前が招いた結果だろ。お・ま・え・が!」
「あー!またお前って呼んだナナシって呼べー!」
そうゼギウスに飛び掛かりしがみついてそう講義をする。ゼギウスは「離れろ」と言っているが離れる気はない。
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