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猫の力41

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「大杖は、こ、こっち」
「小杖やナイフはこっちだ。なに? ナイフは魔術道具じゃないだと? ナイフも呪文発動具として優秀だ。初期スキルは確かにナイフの扱い方程度だが、研鑽を積めばナイフで戦いながらナイフで魔法を撃つという戦い方も出来る。現に私はそうしてきた」
 アリュエナは元々短剣やナイフを使って戦ってたみたいだけど、魔法の才能がかなりあったから、彼女に魔法を教えた帝国魔導士にナイフでの魔法の戦い方を習ったらしい
 その師匠はもう亡くなってしまっているけど、今でもその人の教えをしっかり守ってるらしい
「お、大杖の、しょ、初期スキルは、ま、ま、魔法の威力を、高めて、くれます。スキルを使って、魔法威力向上して、それであの人形を、撃ってください」
 大杖を持った生徒二人、メアリーともう一人の少女が人形の前に立つ
「魔法威力向上!」
 二人はスキルを発動して自分達の強化をした
 おお、見える見える。二人の魔力が高まってるのが!
「ファイア!」
「アイシクル!」
 二人はそれぞれ人形に向かって魔法を撃つ
 人形はポーンと飛んでいって地面にドスンと落ちた
 やっぱり威力がものすごく上がってる
 メアリーもかなり驚いてた
「う、うん、よくできたね。いい子いい子」
 二人の頭をよしよしするヴァレスクさん
 コミュ障だけど、子供達へ教えるのには向いてるね
 子供と接するときは満面の笑みだもん
「よし、小杖の子達は前へ」
 小杖を持った男子生徒一人が前へ出る
 彼はお母さんが魔導士らしくて、憧れてるから魔導士を目指してるんだって
 それで武器はお母さんと同じ小杖、タクトと呼ばれる杖
「いい構えだ。さあ初期スキルの身体強化を使ってみろ。魔術人形を動かすから強化した動体視力で狙い撃つんだ!」
「はい!」
 人形がぴょこんと飛び跳ね始め、あちこちに動き回る
 彼はタクトを構えて、よーーく狙って電撃魔法を撃った
「ボルト!!」
 バチィッと激しい音がして人形が倒れる
 あの速さを捕らえれる動体視力にしっかりと強化されてるね
「よしいいぞ! 筋がいいな! いい魔導士になれる!」
「やった!」
 嬉しそう
「次はナイフだな。えーっと、あれ? どこ行った?」
「ここです先生」
「うわびっくりした! もうスキルを使ってたのか!? しかも中級スキルの隠密を! 凄いじゃないか!」
「あの、使ってないんですけど」
 ナイフを使うのは前髪で顔半分が隠れた少女
 恥ずかしがり屋っぽい見た目だけど結構よくしゃべる
 名前はマーシェ
 隠密スキルを使ってないのにアリュエナに気づかれなかったのは、彼女は天性の影の薄さがあるから
 だからよくしゃべる。自分がここにいるとアピールするために
「すまん。では初期スキルを」
「はい」
 マーシェはナイフの初期スキル、バイトを使った
 素早く二回付くスキルで、人形の背後から突き刺した
「お前魔導士より暗殺者向きだな・・・。いや、魔法を使って隠密に敵を倒す暗殺魔導士。うむ、それで行こう」
「かっこいい! 私それになりたい!」
 うんうん、こういう風に将来の夢が決まるのはいいね
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