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番外編
ご注文は子猫ですか? 13
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レンガ造りにしか見えない壁の向こう側へゆっくりとエル君と二人、吸い込まれていく。
と次の瞬間、前のめりにつんのめるようにして昨日と同じ路地裏へぽんと放り出されるように飛び出した。
危ない、とエル君が自分の糸状の武器を私の体にしゅるっと巻き付けて支えてくれたので何とか転ばずに済む。
目の前では何人もの騎士さんやフードを被ったローブ姿の人達が入り乱れている最中だった。すると、その様子にエル君は
「ユーリ様、こっちへ」
私をぐいと引いて昨日ミルクが座っていた木箱がいくつも積み重なっているその陰へと誘導してくれた。
「あ、ありがと・・・」
「くっそ、何だよこいつら!」
「魔導士?ウチの国の奴らじゃなさそうだぞ!!」
エル君にお礼を言おうとした私の言葉が護衛騎士さん達の声で遮られる。
はっとして木箱の陰からこっそり覗き込めば、刺客らしき濃いグレーのローブ姿の数人と騎士さん達が応戦していた。
そしてその真ん中にはエヴァン様もいる。
ローブ姿の刺客が手に持っている、まるで指揮者のタクトみたいないわゆる『魔法使いの杖』らしき物をエヴァン様の方へと向ければ何もない空中に氷の刃や鋭いナイフがいくつも現れてエヴァン様に襲いかかっていく。
「あっ、危ない・・・!」
思わず小さな叫び声を上げてしまう。
その間も刺客の攻撃はやまず、そのいくつかはエヴァン様の頬や腕をかすめてじわりとその体に血を滲ませている。
「・・・!!」
癒しの力で助けなきゃ、と反射的に木箱の陰から出そうになった。だけどそれをエル君に引き止められてしまう。
「待ってくださいユーリ様、よく見て。」
「え?」
エル君に指差されたエヴァン様を見れば、その体が淡く光り体に滲んだ血や擦り傷がすぐに消えてしまっている。
「あれ、さっきユーリ様が猫の姿のエヴァン様に付けた加護じゃないですか?」
言われてみれば。確かにさっき私はエヴァン様の猫魔法が解けてしまう位強い加護を猫の首輪に付けてしまっていたけど。
その加護を付けた首輪は今、まるでブレスレットのようにエヴァン様の手首で揺れている。
どうやらその力は猫の姿の時だけでなく人間のエヴァン様も守ってくれているみたいだ。
「よ、良かった・・・!」
ほっとしてもう一度、邪魔にならないよう木箱の陰に身を隠す。
エヴァン様が1人だけ身一つで出て行った時はどうなるかと思った。
だけど私の加護の力が働いて怪我をしてもすぐ治り、私の護衛騎士さん達も加勢してくれているこの状況なら何とかなるだろうか?
と、その時だ。エヴァン様がカフェの裏口から持って行ったあの箒をくるりと逆さまにしたかと思うと、その柄の先でガリガリと素早く地面に魔法陣のような円を描きそのままそれでトンと地面を打った。
するとぱあっと光った地面から光の柱が立ち上がりナイフや氷の刃を地面に落として無効化してしまう。
同時にエヴァン様と刺客の間に騎士さん達が割り込み、
「誰これ!?何でこの人は襲われてるわけ?」
「猫攫いじゃなくて貴族を誘拐して身代金を取ろうとする奴らか!?」
「いやでもこの人なんか見たことあるような・・・!?」
訳も分からないままにエヴァン様を助けながら刺客を捕らえようとしてくれている。
「面倒をかけて悪いね君たち!!」
そんな騎士さんにすまない、と謝りながらエヴァン様も追撃の手は緩めない。
柄の方を下にして逆さまに持っていた箒の、穂先の部分を幾つかむしるように引き抜くとそれを素早くナイフ投げのように刺客達へと投げ放った。
するとエヴァン様の手から放たれた箒の穂先は薄く光ると一瞬で数匹の蛇へとその姿を変える。
「ひぇっ!?」
また思わず喉の奥から声が出てしまった。いきなり蛇が自分に向かって飛んでくるなんて嫌すぎる。
長い蛇に姿を変えた元箒のそれは、的確に刺客達の足や手を捉えて縛り上げて身動きを出来なくしていく。
「く、そっ・・・!」
刺客の手からカランと乾いた音を立てて魔法の杖が落ちる。すかさずエヴァン様が
「騎士殿、すぐにそれを叩き壊してくれないか?でなければまた昨日のように隠し身の術を使われて逃げられてしまうよ」
とアドバイスをした。その言葉に騎士さん達が急いで刺客の手から落ちた杖を踏み折ったり、その手から杖を奪い取って壊している。
その様子を確かめたエヴァン様は満足げに頷きながら次の指示を出す。
「この愚か者達は周りに騒ぎにならないよう、このまま秘密裏に王宮まで届けてくれないか?こいつらの身元はレジナスに引き渡してくれればすぐにそれがどこの誰なのかが明らかになる。それじゃ、頼んだよ」
その言葉に
「何なんだこいつ・・・?」
「ていうか、結局襲われていたのは誰だったんだ?」
「何で俺達にこの不審者の始末を命じるんだよ、レジナス様のことまで呼び捨てにして。一体なんの権限があって・・・」
よく分からない争いに巻き込まれた挙句、はたと我に返った騎士さん達が周りを見回した。
だけどその時にはもうエヴァン様の姿はかき消えていて、地面にはさっきまで武器代わりに使われていた箒とその体に服のように巻き付けていた布が落ちているだけだ。
「もしかしてまた猫になったんですかね?」
ふと呟けば、どこかであの白猫がにゃーんと鳴いたその声が聞こえるようだった。エル君も
「人騒がせが過ぎますね。これ、結局ユーリ様が怒られるやつじゃないですか?」
かぶりを振りながらため息をついている。
「え?まさかそんな怒られるなんて。確かに思わずカフェの外に出ちゃったし、騎士さん達まで巻き込んじゃいましたけど・・・え?あれ?ホントだ!?ど、どうしましょうエル君!?」
エヴァン様を助けるためとはいえ、今更ながら衝動的に自分がしでかした事を振り返り青くなる。
「ユーリ様、もう10歳じゃないんですから少しは落ち着いた大人になってください」
「私だってそんな子どものつもりはないですよ!いや、もしかするとまだあの頃の感覚が残ってる・・・?」
そんな見た目は大人、心は子どもみたいなのはイヤだけど。
「とりあえず騎士さん達にはお礼と謝罪をして、王宮に戻ったらまたレジナスさんにも謝ります!」
そうだ、そうしよう。とりあえず今は訳も分からないままエヴァン様の国の刺客と応戦することになってしまった騎士さん達にお礼とお詫びを言ってその怪我を治そうと木箱の陰から騎士さん達へと駆け寄る。
急な出来事に巻き込んでごめんなさい、と謝りながら手をかざして刺客達との戦いでついた傷を治していけば、騎士さん達はみんな笑顔で許してくれた。
「ユーリ様のお役に立てたのなら光栄です!」
「よく分からないですけど王都を騒がす不審者を今度こそ捕らえられましたし!」
「お力まで使って怪我を治していただくなんて勿体無いくらいですよ」
「猫耳のユーリ様が至近距離で俺を癒してくれてる・・・!?」
最後の方はなんだかよく分からない感激の仕方までされてしまったけど、許してくれたならありがたい。
そうホッとした時だった。
「ユーリ!!」
今ここにいるはずのないレジナスさんの声が後ろから聞こえて固まった。
・・・え?何で?幻聴かな?
私がカフェから脱走、じゃなくて出たってバレるの早くない?
恐る恐る後ろを振り返れば、
「一体どういう事なんだ?」
幻聴でも夢幻でもなく、眉間に深く皺を刻んだ気難しい顔のレジナスさんが間違いなくそこに立っていた。
と次の瞬間、前のめりにつんのめるようにして昨日と同じ路地裏へぽんと放り出されるように飛び出した。
危ない、とエル君が自分の糸状の武器を私の体にしゅるっと巻き付けて支えてくれたので何とか転ばずに済む。
目の前では何人もの騎士さんやフードを被ったローブ姿の人達が入り乱れている最中だった。すると、その様子にエル君は
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「あ、ありがと・・・」
「くっそ、何だよこいつら!」
「魔導士?ウチの国の奴らじゃなさそうだぞ!!」
エル君にお礼を言おうとした私の言葉が護衛騎士さん達の声で遮られる。
はっとして木箱の陰からこっそり覗き込めば、刺客らしき濃いグレーのローブ姿の数人と騎士さん達が応戦していた。
そしてその真ん中にはエヴァン様もいる。
ローブ姿の刺客が手に持っている、まるで指揮者のタクトみたいないわゆる『魔法使いの杖』らしき物をエヴァン様の方へと向ければ何もない空中に氷の刃や鋭いナイフがいくつも現れてエヴァン様に襲いかかっていく。
「あっ、危ない・・・!」
思わず小さな叫び声を上げてしまう。
その間も刺客の攻撃はやまず、そのいくつかはエヴァン様の頬や腕をかすめてじわりとその体に血を滲ませている。
「・・・!!」
癒しの力で助けなきゃ、と反射的に木箱の陰から出そうになった。だけどそれをエル君に引き止められてしまう。
「待ってくださいユーリ様、よく見て。」
「え?」
エル君に指差されたエヴァン様を見れば、その体が淡く光り体に滲んだ血や擦り傷がすぐに消えてしまっている。
「あれ、さっきユーリ様が猫の姿のエヴァン様に付けた加護じゃないですか?」
言われてみれば。確かにさっき私はエヴァン様の猫魔法が解けてしまう位強い加護を猫の首輪に付けてしまっていたけど。
その加護を付けた首輪は今、まるでブレスレットのようにエヴァン様の手首で揺れている。
どうやらその力は猫の姿の時だけでなく人間のエヴァン様も守ってくれているみたいだ。
「よ、良かった・・・!」
ほっとしてもう一度、邪魔にならないよう木箱の陰に身を隠す。
エヴァン様が1人だけ身一つで出て行った時はどうなるかと思った。
だけど私の加護の力が働いて怪我をしてもすぐ治り、私の護衛騎士さん達も加勢してくれているこの状況なら何とかなるだろうか?
と、その時だ。エヴァン様がカフェの裏口から持って行ったあの箒をくるりと逆さまにしたかと思うと、その柄の先でガリガリと素早く地面に魔法陣のような円を描きそのままそれでトンと地面を打った。
するとぱあっと光った地面から光の柱が立ち上がりナイフや氷の刃を地面に落として無効化してしまう。
同時にエヴァン様と刺客の間に騎士さん達が割り込み、
「誰これ!?何でこの人は襲われてるわけ?」
「猫攫いじゃなくて貴族を誘拐して身代金を取ろうとする奴らか!?」
「いやでもこの人なんか見たことあるような・・・!?」
訳も分からないままにエヴァン様を助けながら刺客を捕らえようとしてくれている。
「面倒をかけて悪いね君たち!!」
そんな騎士さんにすまない、と謝りながらエヴァン様も追撃の手は緩めない。
柄の方を下にして逆さまに持っていた箒の、穂先の部分を幾つかむしるように引き抜くとそれを素早くナイフ投げのように刺客達へと投げ放った。
するとエヴァン様の手から放たれた箒の穂先は薄く光ると一瞬で数匹の蛇へとその姿を変える。
「ひぇっ!?」
また思わず喉の奥から声が出てしまった。いきなり蛇が自分に向かって飛んでくるなんて嫌すぎる。
長い蛇に姿を変えた元箒のそれは、的確に刺客達の足や手を捉えて縛り上げて身動きを出来なくしていく。
「く、そっ・・・!」
刺客の手からカランと乾いた音を立てて魔法の杖が落ちる。すかさずエヴァン様が
「騎士殿、すぐにそれを叩き壊してくれないか?でなければまた昨日のように隠し身の術を使われて逃げられてしまうよ」
とアドバイスをした。その言葉に騎士さん達が急いで刺客の手から落ちた杖を踏み折ったり、その手から杖を奪い取って壊している。
その様子を確かめたエヴァン様は満足げに頷きながら次の指示を出す。
「この愚か者達は周りに騒ぎにならないよう、このまま秘密裏に王宮まで届けてくれないか?こいつらの身元はレジナスに引き渡してくれればすぐにそれがどこの誰なのかが明らかになる。それじゃ、頼んだよ」
その言葉に
「何なんだこいつ・・・?」
「ていうか、結局襲われていたのは誰だったんだ?」
「何で俺達にこの不審者の始末を命じるんだよ、レジナス様のことまで呼び捨てにして。一体なんの権限があって・・・」
よく分からない争いに巻き込まれた挙句、はたと我に返った騎士さん達が周りを見回した。
だけどその時にはもうエヴァン様の姿はかき消えていて、地面にはさっきまで武器代わりに使われていた箒とその体に服のように巻き付けていた布が落ちているだけだ。
「もしかしてまた猫になったんですかね?」
ふと呟けば、どこかであの白猫がにゃーんと鳴いたその声が聞こえるようだった。エル君も
「人騒がせが過ぎますね。これ、結局ユーリ様が怒られるやつじゃないですか?」
かぶりを振りながらため息をついている。
「え?まさかそんな怒られるなんて。確かに思わずカフェの外に出ちゃったし、騎士さん達まで巻き込んじゃいましたけど・・・え?あれ?ホントだ!?ど、どうしましょうエル君!?」
エヴァン様を助けるためとはいえ、今更ながら衝動的に自分がしでかした事を振り返り青くなる。
「ユーリ様、もう10歳じゃないんですから少しは落ち着いた大人になってください」
「私だってそんな子どものつもりはないですよ!いや、もしかするとまだあの頃の感覚が残ってる・・・?」
そんな見た目は大人、心は子どもみたいなのはイヤだけど。
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そうだ、そうしよう。とりあえず今は訳も分からないままエヴァン様の国の刺客と応戦することになってしまった騎士さん達にお礼とお詫びを言ってその怪我を治そうと木箱の陰から騎士さん達へと駆け寄る。
急な出来事に巻き込んでごめんなさい、と謝りながら手をかざして刺客達との戦いでついた傷を治していけば、騎士さん達はみんな笑顔で許してくれた。
「ユーリ様のお役に立てたのなら光栄です!」
「よく分からないですけど王都を騒がす不審者を今度こそ捕らえられましたし!」
「お力まで使って怪我を治していただくなんて勿体無いくらいですよ」
「猫耳のユーリ様が至近距離で俺を癒してくれてる・・・!?」
最後の方はなんだかよく分からない感激の仕方までされてしまったけど、許してくれたならありがたい。
そうホッとした時だった。
「ユーリ!!」
今ここにいるはずのないレジナスさんの声が後ろから聞こえて固まった。
・・・え?何で?幻聴かな?
私がカフェから脱走、じゃなくて出たってバレるの早くない?
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