35 / 788
第三章 マイ・フェア・レディ
12
「ユーリ、今頃見学を楽しんでるかな?」
政務の合間、ふと思い出した僕は
騎士団の方を見やった。
レジナスの双剣姿を見てカッコいい、と
はしゃぐ姿はとても微笑ましかった。
女の子なのに剣を怖がることもなく、騎士団を
見学出来ると知ったらとても喜んでいた。
ちょうど警備の都合上そろそろ騎士団の面々にも
癒し子のことは紹介したいと思っていた。
彼らは召喚の儀式に立ち会ってはいたが
ユーリの顔は知らない。
これから彼女が王宮以外の場所でその力を
発揮する時には彼らの協力が不可欠だ。
顔を知ってもらい、言葉を交わして
その人となりを理解してもらえれば
騎士達もこれから先
ユーリの護衛につく時の真剣味が違ってくる。
何より、あのレジナスの表情を変えられる位の
人物だと知ればいくら子どもだろうと
ないがしろにはしないだろう。
幼な子だが、ぞんざいな扱いはさせない。
その牽制のためにもユーリとレジナスが
一緒に騎士団に顔を出せることになったのは
ちょうど良かった。一息入れるか、と
お茶を淹れるために立ち上がる。
仕事に集中したいので、政務官達には書類を
置いていってもらい人払いをしているので
好きなお茶も自由に楽しんでいる。
紅茶を一口飲んでほっと息をついた。
「そういえばレジナス、ちゃんとユーリに
いいところは見せられたかなあ」
今朝声を掛けた時は、まるで意味が分からない。
という顔をしていたけど、何だかなあ。
僕の目が見えない時は、ユーリに対する
レジナスの態度がなんだか過保護だな、とか
妹が出来たみたいで嬉しいのかな?と
思っていたけど
目が治り、いざ2人の様子を目の当たりに
してみたら一目瞭然だ。
・・・なんだいレジナス、ユーリの事が
好きなんじゃないか。
だからあんなに構って
あれこれ世話を焼いてたのか。
でもこれは昔からレジナスと一緒だった
僕だから
気付いたのかも知れない。
パッと見は普段とそこまで
表情は変わらないし、レジナス自身も
感情を抑えているようだった。
奥の院に、ユーリが引っ越すよう勧めた時も
レジナスは一緒に移ってきていいか、なんて
突然言い出したけどあの時も自分自身の
ユーリに対する気持ちを自覚してなくて、
自分の中の感情に戸惑っているみたいだった。
それはユーリのことが好きだからだよ、
と教えてあげたいけど・・・どうしようかなあ。
僕はユーリの事が好きだ。
話していて楽しいし、ユーリが喜んでいると
僕までたまらなく嬉しくなる。
ふとした仕草も可愛くて目が離せないし、
何かしているとつい目で追ってしまう。
あのきらきらした、
夜空に星が輝いているような瞳を
飽きることなくずっと見ていたい。
そして、僕がそう思っているように
ユーリも僕に対してそう思ってくれたら
どんなに幸せだろう。
僕を治したユーリが、治すだけでなく
様々な魔法効果を僕に付与してしまい
責任を取ると言い出した時に
じゃあずっと一緒に居て、と言ったけど
冗談だと思われてしまったから
僕がユーリを想うほど、
まだユーリは僕のことを
想ってくれていないのは確実だ。
今は一緒の宮で顔を合わせる事も多いから
早く僕のことを意識してくれるようになると
いいなと思っている。それとも、もう少し
積極的に動くべきだろうか?
そう。僕は僕の気持ちをきちんと分かっている。
ユーリが好きで、手に入れたい。
ずっと僕を見ていて、と言いたくなる。
でもそう思うと同時に、ユーリを見つめる
レジナスの優しい目を思い出す。
彼があんなに愛しそうに誰かを
見つめているのは初めてだ。
あまりの感情表現の不器用さに嫁が来るのか、
好きな人なんて出来るのかと一時期は
兄上やカティヤと心配したこともあった。
そのレジナスに好いた相手が出来た。
普通なら喜ぶべきことだ。
想像してみる。
僕の隣にはユーリ。
幸せそうにあの美しい瞳を煌めかせて、
僕と見つめ合い微笑んでいる。
と、突然ぱっと反対側を向いて
そちらに話しかけると、
鈴を転がしたような笑い声を上げる。
相手はレジナスだ。
2人はお互いを見つめ合い、
レジナスの目にも幸せそうな色が浮かんでいる。
何度も想像して見たけれど、
驚くことにその時の僕はレジナスに対して
あまり嫉妬をしていないのだ。
こっちを見て、とは思う。
でも僕だけを見て、とは思わない。
3人一緒にいる風景があまりにも
自然に想像出来てしまうのだ。
だからだろうか。
レジナスにも早くユーリに対する
気持ちを自覚して欲しいと思うのは。
自覚して、彼女に振り向いて欲しいと思って、
どうすれば手に入るか悩んで、
僕と同じところまで堕ちてきて欲しいと
さえ思ってしまう。
本棚から一冊の本を引き抜く。
僕がユーリへの気持ちを自覚してから
何度も読み返した本だ。
王室典範と国内の法令特殊事例が載っている。
婚姻に関する特殊事例。
基本、ルーシャ国は一夫一妻制。
ただし貴族平民に関わらず
特別な能力を持つ者はその定めにあらず。
その特別な才能と血を後世に引き継ぎ
人々を守るため、魔物と天災にさらされ
過酷な世界を生き抜くために
遥か昔に定められた法だ。
だから僕達王族や神官、優れた魔導士は
その特別な能力や血脈を
なるべくたくさん残すため、
ある程度までの一夫多妻が認められている。
兄上はヴィルマ義姉上一筋だから例外だけど、
父上は僕達の亡くなった母親・・・正妃のほかに
4人の側妃を持ち今も皆仲睦まじく暮らしている。
ユーリは王族はおろか、
この世界の人間ですらない。
だけど特別な能力を持つ者だ。
本の中のとあるページを開く。
この本は王室典範の中でもかなり
特殊な事例が載っているけど僕が
この本の中で何度も読み返して
いたのはここだ。
『救国の勇者にして偉大なる指導者
レン・カンバラは人々から求められるままに
2人の正妃と5人の側妃を娶り、
なお一層ルーシャ国の繁栄に貢献した。
この事例は異世界からの召喚者による
特殊事例である。
それ以外の王族を含む
ルーシャ国人民については
5人以上の配偶者を娶るには
貴族議会・人民立法院・大神官法廷の
3議会の全会一致での承認以外は
認めずー・・・』
まさかユーリに7人も夫をとれとは
言わないが、
この前例があるなら将来的に
僕とレジナスの2人が
同時にユーリの配偶者に
並び立つことも出来る。
でもそのためにもまずはレジナスが
ユーリに対する自分の気持ちを自覚しないと。
それから、ユーリ。彼女にも僕とレジナスの
2人を意識してもらわなければならない。
話はそれからだ。
「だからいい機会だと思って、今朝は声を
掛けたんだけどなぁ・・・」
レジナスの奴、全然分かってなかったな。
それどころか、ユーリに接する僕を見てたまに
こいつ正気か?みたいな心配そうな
視線を感じるのは何故だろう。
僕がユーリを好きなことは
分かっているはずなのに。
レジナスがユーリへの気持ちを自覚したら、
2人でユーリのかわいいところについて
語り合うことも出来るだろうか?
ああ、それともレジナスと結託して、
2人一緒にユーリを真ん中にして彼女が
音を上げるまでどろどろに甘やかして
あげるのもいいかも知れない。
そんな日が来るのが待ち遠しい。
それまではまだとりあえず、僕だけが彼女を
うんと可愛がってあげよう。
優しい笑みを投げかけ、
美しい宝石とドレスで着飾らせ、
美食であの愛らしい笑顔を引き出そう。
小さくてもいつだって彼女は僕の美しい人だ。
でもいつか、・・・そう。
近い将来、僕とレジナス2人にとっての
大切な人になるといいなと思う。
そんな事を願いながら、
僕は本を静かに閉じて
今騎士団にいるはずのユーリと
レジナスの2人に思いを馳せた。
政務の合間、ふと思い出した僕は
騎士団の方を見やった。
レジナスの双剣姿を見てカッコいい、と
はしゃぐ姿はとても微笑ましかった。
女の子なのに剣を怖がることもなく、騎士団を
見学出来ると知ったらとても喜んでいた。
ちょうど警備の都合上そろそろ騎士団の面々にも
癒し子のことは紹介したいと思っていた。
彼らは召喚の儀式に立ち会ってはいたが
ユーリの顔は知らない。
これから彼女が王宮以外の場所でその力を
発揮する時には彼らの協力が不可欠だ。
顔を知ってもらい、言葉を交わして
その人となりを理解してもらえれば
騎士達もこれから先
ユーリの護衛につく時の真剣味が違ってくる。
何より、あのレジナスの表情を変えられる位の
人物だと知ればいくら子どもだろうと
ないがしろにはしないだろう。
幼な子だが、ぞんざいな扱いはさせない。
その牽制のためにもユーリとレジナスが
一緒に騎士団に顔を出せることになったのは
ちょうど良かった。一息入れるか、と
お茶を淹れるために立ち上がる。
仕事に集中したいので、政務官達には書類を
置いていってもらい人払いをしているので
好きなお茶も自由に楽しんでいる。
紅茶を一口飲んでほっと息をついた。
「そういえばレジナス、ちゃんとユーリに
いいところは見せられたかなあ」
今朝声を掛けた時は、まるで意味が分からない。
という顔をしていたけど、何だかなあ。
僕の目が見えない時は、ユーリに対する
レジナスの態度がなんだか過保護だな、とか
妹が出来たみたいで嬉しいのかな?と
思っていたけど
目が治り、いざ2人の様子を目の当たりに
してみたら一目瞭然だ。
・・・なんだいレジナス、ユーリの事が
好きなんじゃないか。
だからあんなに構って
あれこれ世話を焼いてたのか。
でもこれは昔からレジナスと一緒だった
僕だから
気付いたのかも知れない。
パッと見は普段とそこまで
表情は変わらないし、レジナス自身も
感情を抑えているようだった。
奥の院に、ユーリが引っ越すよう勧めた時も
レジナスは一緒に移ってきていいか、なんて
突然言い出したけどあの時も自分自身の
ユーリに対する気持ちを自覚してなくて、
自分の中の感情に戸惑っているみたいだった。
それはユーリのことが好きだからだよ、
と教えてあげたいけど・・・どうしようかなあ。
僕はユーリの事が好きだ。
話していて楽しいし、ユーリが喜んでいると
僕までたまらなく嬉しくなる。
ふとした仕草も可愛くて目が離せないし、
何かしているとつい目で追ってしまう。
あのきらきらした、
夜空に星が輝いているような瞳を
飽きることなくずっと見ていたい。
そして、僕がそう思っているように
ユーリも僕に対してそう思ってくれたら
どんなに幸せだろう。
僕を治したユーリが、治すだけでなく
様々な魔法効果を僕に付与してしまい
責任を取ると言い出した時に
じゃあずっと一緒に居て、と言ったけど
冗談だと思われてしまったから
僕がユーリを想うほど、
まだユーリは僕のことを
想ってくれていないのは確実だ。
今は一緒の宮で顔を合わせる事も多いから
早く僕のことを意識してくれるようになると
いいなと思っている。それとも、もう少し
積極的に動くべきだろうか?
そう。僕は僕の気持ちをきちんと分かっている。
ユーリが好きで、手に入れたい。
ずっと僕を見ていて、と言いたくなる。
でもそう思うと同時に、ユーリを見つめる
レジナスの優しい目を思い出す。
彼があんなに愛しそうに誰かを
見つめているのは初めてだ。
あまりの感情表現の不器用さに嫁が来るのか、
好きな人なんて出来るのかと一時期は
兄上やカティヤと心配したこともあった。
そのレジナスに好いた相手が出来た。
普通なら喜ぶべきことだ。
想像してみる。
僕の隣にはユーリ。
幸せそうにあの美しい瞳を煌めかせて、
僕と見つめ合い微笑んでいる。
と、突然ぱっと反対側を向いて
そちらに話しかけると、
鈴を転がしたような笑い声を上げる。
相手はレジナスだ。
2人はお互いを見つめ合い、
レジナスの目にも幸せそうな色が浮かんでいる。
何度も想像して見たけれど、
驚くことにその時の僕はレジナスに対して
あまり嫉妬をしていないのだ。
こっちを見て、とは思う。
でも僕だけを見て、とは思わない。
3人一緒にいる風景があまりにも
自然に想像出来てしまうのだ。
だからだろうか。
レジナスにも早くユーリに対する
気持ちを自覚して欲しいと思うのは。
自覚して、彼女に振り向いて欲しいと思って、
どうすれば手に入るか悩んで、
僕と同じところまで堕ちてきて欲しいと
さえ思ってしまう。
本棚から一冊の本を引き抜く。
僕がユーリへの気持ちを自覚してから
何度も読み返した本だ。
王室典範と国内の法令特殊事例が載っている。
婚姻に関する特殊事例。
基本、ルーシャ国は一夫一妻制。
ただし貴族平民に関わらず
特別な能力を持つ者はその定めにあらず。
その特別な才能と血を後世に引き継ぎ
人々を守るため、魔物と天災にさらされ
過酷な世界を生き抜くために
遥か昔に定められた法だ。
だから僕達王族や神官、優れた魔導士は
その特別な能力や血脈を
なるべくたくさん残すため、
ある程度までの一夫多妻が認められている。
兄上はヴィルマ義姉上一筋だから例外だけど、
父上は僕達の亡くなった母親・・・正妃のほかに
4人の側妃を持ち今も皆仲睦まじく暮らしている。
ユーリは王族はおろか、
この世界の人間ですらない。
だけど特別な能力を持つ者だ。
本の中のとあるページを開く。
この本は王室典範の中でもかなり
特殊な事例が載っているけど僕が
この本の中で何度も読み返して
いたのはここだ。
『救国の勇者にして偉大なる指導者
レン・カンバラは人々から求められるままに
2人の正妃と5人の側妃を娶り、
なお一層ルーシャ国の繁栄に貢献した。
この事例は異世界からの召喚者による
特殊事例である。
それ以外の王族を含む
ルーシャ国人民については
5人以上の配偶者を娶るには
貴族議会・人民立法院・大神官法廷の
3議会の全会一致での承認以外は
認めずー・・・』
まさかユーリに7人も夫をとれとは
言わないが、
この前例があるなら将来的に
僕とレジナスの2人が
同時にユーリの配偶者に
並び立つことも出来る。
でもそのためにもまずはレジナスが
ユーリに対する自分の気持ちを自覚しないと。
それから、ユーリ。彼女にも僕とレジナスの
2人を意識してもらわなければならない。
話はそれからだ。
「だからいい機会だと思って、今朝は声を
掛けたんだけどなぁ・・・」
レジナスの奴、全然分かってなかったな。
それどころか、ユーリに接する僕を見てたまに
こいつ正気か?みたいな心配そうな
視線を感じるのは何故だろう。
僕がユーリを好きなことは
分かっているはずなのに。
レジナスがユーリへの気持ちを自覚したら、
2人でユーリのかわいいところについて
語り合うことも出来るだろうか?
ああ、それともレジナスと結託して、
2人一緒にユーリを真ん中にして彼女が
音を上げるまでどろどろに甘やかして
あげるのもいいかも知れない。
そんな日が来るのが待ち遠しい。
それまではまだとりあえず、僕だけが彼女を
うんと可愛がってあげよう。
優しい笑みを投げかけ、
美しい宝石とドレスで着飾らせ、
美食であの愛らしい笑顔を引き出そう。
小さくてもいつだって彼女は僕の美しい人だ。
でもいつか、・・・そう。
近い将来、僕とレジナス2人にとっての
大切な人になるといいなと思う。
そんな事を願いながら、
僕は本を静かに閉じて
今騎士団にいるはずのユーリと
レジナスの2人に思いを馳せた。
あなたにおすすめの小説
空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される
木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。
婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。
やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。
「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!
碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった!
落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。
オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。
ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!?
*カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております
地味令嬢の私が婚約破棄された結果、なぜか最強王子に溺愛されてます
白米
恋愛
侯爵家の三女・ミレイアは、控えめで目立たない“地味令嬢”。
特に取り柄もなく、華やかな社交界ではいつも壁の花。だが幼いころに交わされた約束で、彼女は王弟・レオンハルト殿下との婚約者となっていた。
だがある日、突然の婚約破棄通告――。
「やはり君とは釣り合わない」
そう言い放ったのは、表向きには完璧な王弟殿下。そしてその横には、社交界の華と呼ばれる公爵令嬢の姿が。
悲しみも怒りも感じる間もなく、あっさりと手放されたミレイア。
しかしその瞬間を見ていたのが、王家随一の武闘派にして“最強”と噂される第一王子・ユリウスだった。
「……くだらん。お前を手放すなんて、あいつは見る目がないな」
「よければ、俺が貰ってやろうか?」
冗談かと思いきや、なぜか本気のご様子!?
次の日には「俺の婚約者として紹介する」と言われ、さらには
「笑った顔が見たい」「他の男の前で泣くな」
――溺愛モードが止まらない!
気がつけば異世界
蝋梅
恋愛
芹沢 ゆら(27)は、いつものように事務仕事を終え帰宅してみれば、母に小さい段ボールの箱を渡される。
それは、つい最近亡くなった骨董屋を営んでいた叔父からの品だった。
その段ボールから最後に取り出した小さなオルゴールの箱の中には指輪が1つ。やっと合う小指にはめてみたら、部屋にいたはずが円柱のてっぺんにいた。
これは現実なのだろうか?
私は、まだ事の重大さに気づいていなかった。