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番外編
医者でも湯でも治せぬ病 4
朝食を食べた後の私達は、話していたようにレジナスさんは町中を見に行き私は女将さんとお祭りの簡単な打ち合わせをした。
オリンピックの聖火を灯す女の人みたいな、古代ギリシャ風の白くて長いドレスを着るみたいでその服のサイズ調整をしたり座る場所や花冠を渡す練習をしたりしていると、ポンポンと花火の上がる音がした。
「おや、始まるね。さあそれじゃ移動しようか!」
女将さんに促されて宿から出れば、宿の前に止めてあった花女神の乗る馬車の前にはすでに今年の女神役を見ようとする人達が集まって来ていた。
「あれが今年の花女神様なのね!」
「綺麗ねぇ」
「本当だ、キレイなねぇちゃんだなぁ‼︎」
わいわいと賑やかな人達を前に女将さんが、
「ほらユーリちゃん、ちょっと手を振ってあげて!練習だよ‼︎」
とこっそり耳打ちをした。今から目の前の屋根のない馬車に乗り、町の中心部にあるイベント会場に移動するのだ。
「お姉ちゃん、これ・・・」
一人の小さな女の子が私にそっと野花の花束を渡してくれる。自分で摘んで来たのかな?
ちょっと考えて、花で飾られたドレスと一緒に、頭にも花冠を被せられていた自分の頭上に手を伸ばす。
ありがとう、と自分の被っていた花冠をその女の子の頭に乗せれば輝くような笑顔を見せてくれた。
特に癒しの力を使ったわけでもないのにこんなに喜んでもらえるのは嬉しい。
思っていたよりも集まっていた人達に少し緊張していたけどその笑顔に癒されて気持ちが楽になった。
そのまま馬車に乗って笑顔を作り手を振れば、周りの人達も喜んでくれて手を振りかえしてくれたり小さい子たちが馬車を追いかけてきたりと賑やかだ。
そのままイベント会場につけば花女神の席に案内されて、町長さんの話が始まった。
どうやら時間制限ありの狩りや火おこしの早さ競争、ロープ登りの早さ競いなどいくつかの競技をしてその中から勝ち抜いた人達で最後に弓の腕前を競って優勝者を決めるらしい。
なるほど、生活に直結した競争ばかりでいかにも地方の町らしいイベントだ。
腕自慢っていうからてっきり剣でお互い戦ったりするのかと思っていたからそんなのじゃなくて良かった。
万が一、怪我人が出ても今の私はまだ完全に癒しの力を使えないから人同士が争うような競技がないのは安心だ。
ちなみにレジナスさんもどこかで見ているのかなと町長さんの話を聞きながらこっそり辺りを伺ってみたけど、あの目立つ体格はどこにも見当たらない。
町中を見物するって言ってたけど、どこにいるんだろう?
町長さんの開会の挨拶も終わり、宿屋の女将さんが私を花女神の座る席へと案内してくれたのでレジナスさんを見なかったか聞いてみたら知らないと言う。だけど、
「大丈夫、腕自慢の優勝者が決まる頃にはきっと姿を見せるよ。ユーリちゃんのこと、くれぐれもよろしく頼むって今朝も言われたしね‼︎」
と意味あり気な笑顔で私に微笑んで見せた。
それが何を意味しているのかすごく気になったけど、それを確かめる間もなくすぐに競技が始まる。
最初は火おこしから始まって、さすが普段から狩りで自炊をすることも多い地方の人達は、そこではほとんどの人達は脱落することなく次の競技に進んだ。
次は町の広場に作られた、2階建ての建物の間に張り渡され垂らされたロープを昇る早さ競いで、先着順に参加者の半分がそこで振り落とされた。
それだけでも大変な盛り上がりで、周りでそれを見ている若い女の子達もきゃあきゃあ言って応援している。
うーん、分かる気はする。がっしりした体付きの若い男の人達が腕をまくり上げて筋肉を見せながらするするとロープを昇っていく様は年頃の女の子達にはすごく魅力的に見えるだろう。
私だってここにレジナスさんがいて参加していたら目を奪われて夢中で見ていたかもしれない。
でも実際、もしレジナスさんが参加していたら火おこしもロープ登りもダントツで一番な気もするから、やっぱり参加しなくて良かったのかな・・・なんて考えていたら、腕自慢大会は次の競技の前に一旦休憩を挟むらしく宿屋の女将さんにはお疲れ様、と飲み物を手渡された。
「次は町に隣接した森での狩りだよ。二時間経ったら戻って来てもらって、その時の狩りの成果の上位五人で最後の弓矢勝負に進むんだよ。」
「狩りの成果はどうやって順位をつけるんですか?」
「基本、獲物の大きさだけどウサギみたいな小さい物なら三羽でキツネ一匹分、五羽でシカ一頭分、みたいな数え方かねぇ。」
へぇー、そうなんだ。面白いなと女将さんと話していたら
「アンタが臨時の女神様か!」
と声を掛けられた。声のした方を見れば金髪碧眼で整った顔立ちにがっしりした体格の男の人が同じような年代の若者三人くらいと連れ立って私を見ていた。
「あ、はい・・・よろしくお願いします?」
上から下までじろじろと、私を値踏みするように見るものだからなんだか失礼だな?と思う。
「ベルナの代わりになるような美人なんてこんな町にはいないと思っていたけどなかなかどうして、ベルナに負けず劣らずのキレイどころじゃないか!女将さん、いい子を連れて来たなあ」
なぜか満足気に頷くその人に、取り巻きのような三人もニヤニヤと頷きながら同意している。やな感じだ。
「本当なら優勝したオレを花女神のベルナに祝ってもらって、そのままみんなの前で婚約発表からのどんちゃん騒ぎで例年にない祭りの盛り上げをするつもりだったんだけどなあ・・・いや仕方ない、アンタから勝利の祝福をしてもらうのも悪くないな。」
男の人はそんなことを言って一人で勝手に照れたようにしながらも自信たっぷりに、長めの前髪をさらりとかき上げた。
周りできゃあ、という小さな歓声が聞こえたから、もしかしてこの人はよくある町一番の人気者とか町の若者の中心人物とかだろうか。
話ぶりからすると、本来の花女神役のベルナさん?という人はこの人の恋人で、イベントの最後には優勝した自分と花女神役の人との婚約発表で更に場を盛り上げたかったみたいだけど・・・。
なんだったら今からでも病気で寝込んだベルナさんとやらのところへこっそり行って内緒で癒しの力を使って治してこようかな?それくらいの余力ならあるし。
そんな事を思っていたらその人に突然手を取られた。
「オレはハンスって言うんだ、よろしくな。ここ三年ほどは毎回この腕自慢大会で優勝してる。アンタの口付けを貰えるように、今年も優勝出来るよう頑張るからぜひ応援してくれ!」
そう言って、両手で包み込んだ私の手をぎゅっと握る。ひえっ、こんなにグイグイ来る人は苦手だ。
なんていうか、今までは癒し子っていう立場もあって私にこんな風に強引に迫ってくる人はいなかったので、どうすればいいか分からない。
もしここにシェラさんがいたら、今ごろ有無を言わさずこの人の手は切り落とされてそうだけど。
しかもなんて言った?私から口付けを貰う?てことはやっぱり花冠だけじゃなくて、祝福のキスもセット?
面食らって思わず固まってしまいながらそんな事を考えていたら
「いてぇ‼︎」
そのハンスさんと言う人が突然声を上げて私から手を離すと自分の後ろ頭を押さえた。
「ハンス、血が出てる!」
取り巻きの一人の若者が青くなって言った。
ハンスさんも、頭にやった手を見てぎょっとしている。その手にはべっとりと血がついていた。
「馴れ馴れしいことするからだよ、きっと誰かに石でも投げられたんだろ!ほらハンス、手当てしてやるから向こうに行くよ。狩りの準備もしないといけないだろ‼︎」
呆れたように女将さんはそう言って私にはごめんねと謝るとハンスさんの腕を引いた。
「い、石・・・?でもそんな小石、どこにも落ちてないぞ?くっそー、誰だよ危ねぇなあ・・・!」
ぶつぶつ言いながら女将さんに引きずられていくハンスさんをお大事に、と作り笑顔で手を振って見送る。
足元を見ても、私達のいたところに落ちている石はどれも小石というにも小さな、砂利のような石つぶてみたいなものしかない。
だけどもし、こんな小さな石つぶてを人ごみの中にいるハンスさんの後ろ頭めがけて正確に・・・それも血が出るほど強く当てることが出来るというなら。
そんな人は一人しか心当たりがない。
「まさかレジナスさん、どこかで私を見守ってる・・・?」
きょろきょろとあたりを見回してもやっぱりあの目立つ大きな体はどこにも見当たらないけど。
一体どこにいるんだろう?不思議に思っているうちに、腕自慢大会は次の競技の狩りへと進んでいった。
オリンピックの聖火を灯す女の人みたいな、古代ギリシャ風の白くて長いドレスを着るみたいでその服のサイズ調整をしたり座る場所や花冠を渡す練習をしたりしていると、ポンポンと花火の上がる音がした。
「おや、始まるね。さあそれじゃ移動しようか!」
女将さんに促されて宿から出れば、宿の前に止めてあった花女神の乗る馬車の前にはすでに今年の女神役を見ようとする人達が集まって来ていた。
「あれが今年の花女神様なのね!」
「綺麗ねぇ」
「本当だ、キレイなねぇちゃんだなぁ‼︎」
わいわいと賑やかな人達を前に女将さんが、
「ほらユーリちゃん、ちょっと手を振ってあげて!練習だよ‼︎」
とこっそり耳打ちをした。今から目の前の屋根のない馬車に乗り、町の中心部にあるイベント会場に移動するのだ。
「お姉ちゃん、これ・・・」
一人の小さな女の子が私にそっと野花の花束を渡してくれる。自分で摘んで来たのかな?
ちょっと考えて、花で飾られたドレスと一緒に、頭にも花冠を被せられていた自分の頭上に手を伸ばす。
ありがとう、と自分の被っていた花冠をその女の子の頭に乗せれば輝くような笑顔を見せてくれた。
特に癒しの力を使ったわけでもないのにこんなに喜んでもらえるのは嬉しい。
思っていたよりも集まっていた人達に少し緊張していたけどその笑顔に癒されて気持ちが楽になった。
そのまま馬車に乗って笑顔を作り手を振れば、周りの人達も喜んでくれて手を振りかえしてくれたり小さい子たちが馬車を追いかけてきたりと賑やかだ。
そのままイベント会場につけば花女神の席に案内されて、町長さんの話が始まった。
どうやら時間制限ありの狩りや火おこしの早さ競争、ロープ登りの早さ競いなどいくつかの競技をしてその中から勝ち抜いた人達で最後に弓の腕前を競って優勝者を決めるらしい。
なるほど、生活に直結した競争ばかりでいかにも地方の町らしいイベントだ。
腕自慢っていうからてっきり剣でお互い戦ったりするのかと思っていたからそんなのじゃなくて良かった。
万が一、怪我人が出ても今の私はまだ完全に癒しの力を使えないから人同士が争うような競技がないのは安心だ。
ちなみにレジナスさんもどこかで見ているのかなと町長さんの話を聞きながらこっそり辺りを伺ってみたけど、あの目立つ体格はどこにも見当たらない。
町中を見物するって言ってたけど、どこにいるんだろう?
町長さんの開会の挨拶も終わり、宿屋の女将さんが私を花女神の座る席へと案内してくれたのでレジナスさんを見なかったか聞いてみたら知らないと言う。だけど、
「大丈夫、腕自慢の優勝者が決まる頃にはきっと姿を見せるよ。ユーリちゃんのこと、くれぐれもよろしく頼むって今朝も言われたしね‼︎」
と意味あり気な笑顔で私に微笑んで見せた。
それが何を意味しているのかすごく気になったけど、それを確かめる間もなくすぐに競技が始まる。
最初は火おこしから始まって、さすが普段から狩りで自炊をすることも多い地方の人達は、そこではほとんどの人達は脱落することなく次の競技に進んだ。
次は町の広場に作られた、2階建ての建物の間に張り渡され垂らされたロープを昇る早さ競いで、先着順に参加者の半分がそこで振り落とされた。
それだけでも大変な盛り上がりで、周りでそれを見ている若い女の子達もきゃあきゃあ言って応援している。
うーん、分かる気はする。がっしりした体付きの若い男の人達が腕をまくり上げて筋肉を見せながらするするとロープを昇っていく様は年頃の女の子達にはすごく魅力的に見えるだろう。
私だってここにレジナスさんがいて参加していたら目を奪われて夢中で見ていたかもしれない。
でも実際、もしレジナスさんが参加していたら火おこしもロープ登りもダントツで一番な気もするから、やっぱり参加しなくて良かったのかな・・・なんて考えていたら、腕自慢大会は次の競技の前に一旦休憩を挟むらしく宿屋の女将さんにはお疲れ様、と飲み物を手渡された。
「次は町に隣接した森での狩りだよ。二時間経ったら戻って来てもらって、その時の狩りの成果の上位五人で最後の弓矢勝負に進むんだよ。」
「狩りの成果はどうやって順位をつけるんですか?」
「基本、獲物の大きさだけどウサギみたいな小さい物なら三羽でキツネ一匹分、五羽でシカ一頭分、みたいな数え方かねぇ。」
へぇー、そうなんだ。面白いなと女将さんと話していたら
「アンタが臨時の女神様か!」
と声を掛けられた。声のした方を見れば金髪碧眼で整った顔立ちにがっしりした体格の男の人が同じような年代の若者三人くらいと連れ立って私を見ていた。
「あ、はい・・・よろしくお願いします?」
上から下までじろじろと、私を値踏みするように見るものだからなんだか失礼だな?と思う。
「ベルナの代わりになるような美人なんてこんな町にはいないと思っていたけどなかなかどうして、ベルナに負けず劣らずのキレイどころじゃないか!女将さん、いい子を連れて来たなあ」
なぜか満足気に頷くその人に、取り巻きのような三人もニヤニヤと頷きながら同意している。やな感じだ。
「本当なら優勝したオレを花女神のベルナに祝ってもらって、そのままみんなの前で婚約発表からのどんちゃん騒ぎで例年にない祭りの盛り上げをするつもりだったんだけどなあ・・・いや仕方ない、アンタから勝利の祝福をしてもらうのも悪くないな。」
男の人はそんなことを言って一人で勝手に照れたようにしながらも自信たっぷりに、長めの前髪をさらりとかき上げた。
周りできゃあ、という小さな歓声が聞こえたから、もしかしてこの人はよくある町一番の人気者とか町の若者の中心人物とかだろうか。
話ぶりからすると、本来の花女神役のベルナさん?という人はこの人の恋人で、イベントの最後には優勝した自分と花女神役の人との婚約発表で更に場を盛り上げたかったみたいだけど・・・。
なんだったら今からでも病気で寝込んだベルナさんとやらのところへこっそり行って内緒で癒しの力を使って治してこようかな?それくらいの余力ならあるし。
そんな事を思っていたらその人に突然手を取られた。
「オレはハンスって言うんだ、よろしくな。ここ三年ほどは毎回この腕自慢大会で優勝してる。アンタの口付けを貰えるように、今年も優勝出来るよう頑張るからぜひ応援してくれ!」
そう言って、両手で包み込んだ私の手をぎゅっと握る。ひえっ、こんなにグイグイ来る人は苦手だ。
なんていうか、今までは癒し子っていう立場もあって私にこんな風に強引に迫ってくる人はいなかったので、どうすればいいか分からない。
もしここにシェラさんがいたら、今ごろ有無を言わさずこの人の手は切り落とされてそうだけど。
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「いてぇ‼︎」
そのハンスさんと言う人が突然声を上げて私から手を離すと自分の後ろ頭を押さえた。
「ハンス、血が出てる!」
取り巻きの一人の若者が青くなって言った。
ハンスさんも、頭にやった手を見てぎょっとしている。その手にはべっとりと血がついていた。
「馴れ馴れしいことするからだよ、きっと誰かに石でも投げられたんだろ!ほらハンス、手当てしてやるから向こうに行くよ。狩りの準備もしないといけないだろ‼︎」
呆れたように女将さんはそう言って私にはごめんねと謝るとハンスさんの腕を引いた。
「い、石・・・?でもそんな小石、どこにも落ちてないぞ?くっそー、誰だよ危ねぇなあ・・・!」
ぶつぶつ言いながら女将さんに引きずられていくハンスさんをお大事に、と作り笑顔で手を振って見送る。
足元を見ても、私達のいたところに落ちている石はどれも小石というにも小さな、砂利のような石つぶてみたいなものしかない。
だけどもし、こんな小さな石つぶてを人ごみの中にいるハンスさんの後ろ頭めがけて正確に・・・それも血が出るほど強く当てることが出来るというなら。
そんな人は一人しか心当たりがない。
「まさかレジナスさん、どこかで私を見守ってる・・・?」
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