帝国防衛軍 復活-1950-

突撃隊長

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本編(戦争中期)

第21話:対馬海峡掃討作戦2

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駆逐艦「雪風」
「電探室より艦橋。多数の爆発を前方海域に確認しました。」
その報告とほとんど同時に、通信室から緊急救難信号を発していた海防艦「14号」及び残りの2隻からの応答が無くなったと知らせてきた。
「海防艦は壊滅か?」
「まだ分かりませんが…」
「待機中の大艇を呼んでおけ。」
「はっ。」
万が一の為に、近くの空域には二式大艇が2機、交代で待機していた。
「針路の変更は出来るか?」
「我々は出来ますが、輸送船の燃料があるかは分かりません。」
「ちょっと検討してみてくれ。」
「分かりました。」
「第1種戦闘配置、対潜戦闘配置!」
「はっ」
手名が命令を下し、全艦に警報がなり始める。
「敵は探知できるのか?」
「いえ、未だ爆雷などの反響音が酷く…」
「分かった。」
そして、すぐに航海士が紙を持って艦橋に飛び込んでくる。
「艦隊全艦の残燃料が判明しました。」
「どれだ?」
手名は航海長もよびつつ、紙をのぞき込む。
「うぅ、キツいか…」
「艦長、これはこのまま行ったほうがいいです。この燃料で西水道にも回れますが、回避機動などを行うと考えると…」
航海長が進言する。
「うん、そうだな…」
言い終わると同時に、ジリリリリッと電話がなり、副長が電話をとり、すぐに復唱する。
「緊急!敵潜探知しました!」
「直ちに攻撃だ!」
「はっ!」
「敵潜探知、対潜戦闘用意!最大戦速!」
「ヘッジホッグ用意しろ!」
艦内の各所に一瞬で命令が伝わる。
手名は航海士が持つ紙を1度じっと見てから、艦長席に戻る。
「輸送船には針路そのままと伝えておけ。」
「はっ。」
航海士は踵を返して走って艦橋を出ていった

「敵潜の数は?」
「2以上、多数います!」
「くそ、待ち伏せされたかっ! 一番近いのはっ?」
「12時方向に1隻、距離350!」
艦隊の戦闘にいたのは、雪風だけだったため、今すぐに対潜戦闘に参加できるのは雪風だけだった。
「距離200!」
「ヘッジホッグ撃ち方用意!」
「距離180!」
「撃てっ!」
バシュッ!
24発の爆雷が一斉に放たれる。
そして、数秒の後、もう一つの発射機から二斉射目も放たれる。
「とっとと、再装填しろ!」
「はっ!」
同時に伝声管から悲鳴に似た声が聞こえる。
「雷跡、両舷から来ます!右舷、4時方向から3、左舷8時方向から3!」
「両舷前進全速!」
「避け無いのですかっ?」
「艦尾を振ったらどっちにも当たっちまう!」
手名は艦長席から立ち上がり、懸命に考える。
彼が席からたった瞬間、右舷の海面が盛り上がり、雪風を揺らした。
「ヘッジホッグ着弾します!」
「魚雷、右舷後ろ、近づきます!」
2つの報告が全く同時に艦橋に響き渡る。
手名はどこかの戦いでやった事のあるという方法を思いついた。
「後部右舷側K砲、爆雷装填!深度10!」
「なっ!」
「艦長、10で爆発させると…」
「分かっている。発射した直後に、後部爆雷担当は総員退避させろ。爆風で魚雷の進路を変えさせる。」
「わっ、分かりました。」
「艦への損傷も考えて、ダメコンチームも待機させろ。」
「はっ。」
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