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乱暴、怒りのセレーヌ!
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「申し上げます、エリゼ様! 迷いの森の北方にゴブリンの群れが接近中です」
エリゼの生い立ちや村の史実を知りしんみりしていると、エリゼの侍従が慌てて飛び込んでくる。
「むっ! またゴブリンか……奴らが迷いの森を突破出来るとは思えぬが、立て続けにゴブリンが現れるのは妙だな。何か異変が起きているのか?」
エリゼと侍従の話を聞いて、ゴブリン嫌いのセレーヌは思わず顔を顰めるが、次の瞬間何かを思い出したようで大きな声を張り上げていた。
「大変ですミツル様――テントを回収していません。テントの中に大事な物が……」
「んっ? 確かにあの時はリーアたちの声が聞こえて慌てて飛び出したけど、必要な物はアイテムボックスに殆ど入れたはずだけど?」
「いえ、あの、その……実はミツル様に喜んでもらおうと、秘かに作成していたセクシーな下着を置いたままなのです。ですから直ぐに取りに行かねばなりません!」
言うや否や、セレーヌは弾よりも早く駆け出していく。それはタバコモドキを服用している――某私立探偵のヒーローを遥かに凌ぐスピードであった。
「ちょっと、セレーヌさん! 独りだと危ないよ」
「こらっ、ダーリン――勝手に村を出られたら困るのだ! ……ええい仕方がない私も行く。ゴン、ダン、リーア、私と共に来るのだ!」
疾風のように走るセレーヌを追走していくと、やがて野営していた場所に辿り着いた。そこには一足先に辿り着いたセレーヌが、茫然と立ち尽くしていた。
「これは酷いな……」
私の目の前には潰れたテントと、テントの中にあった荷物が散乱していた。ゴブリンたちの仕業だろうか――置いてあった食料は食い散らかされ、目ぼしいものは粗方持ち去られたようだ。そして沸々と怒りの炎を滾らせ、爆発寸前のセレーヌを挑発するように二匹のゴブリンが岩陰から現れた。
一匹のゴブリンはフラワーレースの黒いTバックを、某女優の不倫相手の医者のように頭から被り、もう一匹のゴブリンは、リボンで解けるピンク色のオープンクロッチの下着を履いてレ●ザーラモンHGのように腰を振っている。
「ミツル様の為に作った大事な下着を……殺す、絶対に生かして返しません💢」
セレーヌの凄まじい殺気が辺りに漂い始める。私やエリゼたちは後退り、殺気の直撃を受けたゴブリンは挑発を止めてガタガタと震え始めた。
「ファイヤーバレット!!!」
セレーヌの魔道具から赤光の弾丸が重機関銃のように次々と放たれる。以前にゴブリンを殲滅した時を凌駕する弾速と破壊力で、ゴブリンたちは数秒で木っ端微塵となり吹き飛んでいった。
「さすがダーリンの従者と言ったところか……だがダーリン! この近くにある川の滝壺には得体の知れない危険な魔物が潜んでいるのだ。早くここから離れた方がいい」
「エリゼさん、その魔物なら倒しましたよ」
「何ッ!」
「そうです、ミツル様が倒しました。そして命懸けで私を助けて、衰弱している私に口移しでポーションを飲ませてくれました。あの時のミツル様の勇姿を思い出すだけで……はぁっ、はぁっ♡」
不機嫌であったセレーヌが態度を一変させ、顔を赤らめながら身体をクネクネさせている。それを見てエリゼは若干引いているようだ。
「そ、そうか……それはうらやまけしからんが、これでゴブリンが立て続けに現れた理由がわかったぞ。ダーリン――実は、あの川の遥か上流には……」
エリゼの説明によると、エコエコアザラシが住み付いていた川の上流には巨大な湖があるそうだ。そして湖の中には島があり、ゴブリンたちは湖に囲まれた天然の要塞で外敵を寄せ付けず、一大勢力を築いているようだ。皮肉な事に凶悪なエコエコアザラシを討伐した事により、ゴブリンの行動範囲が村の近くまでに広がったようだ。
「うふふふっ、ミツル様! 大事な下着を盗んだり、ミツル様との逢瀬を邪魔したゴブリンを許すわけにはいきません。直ぐにでも根絶やしにしましょう」
「そ、そうだね! ゴブリンが現れた責任の一端は私にある。作戦を練ってからゴブリンの討伐をしようか」
「はい♡ 何処までも付いて行きます♪ 二人っきりでゴブリンを殲滅して、その後はミツル様にご褒美をおねだりして、あんな事やこんな事を……えへへっ♡」
「ま、待て! これは村の問題だ。勿論、私も同行するぞ。第一、色ボケ女と二人っきりにさせたら、ダーリンの身に危険が生じる! そんな事は絶対に許さんぞ」
「ミツル様を誑かす、乳だけが取り柄のホルスタイン女に、そんな事を言われる筋合いはありません!」
「「ぐぬぬっ!!!」」
いがみ合う二人を何とか抑えて、私たちは取り敢えず村に帰還するのであった。
「何故、ダーリンと一緒にゴブリン退治に行くのに反対するのだ。ゴブリン如きに引けを取る私ではないぞ」
「エリゼ様は村の長なのですよ、少しは自重してください」
村に帰るや否やゴブリン退治の準備を始めたエリゼであったが、ダークエルフの侍従や獣人の護衛たちは猛反対である。散々駄々をこねていたが、渋々と村に残ることを承諾したようだ。だが代わりに、エリゼの父であるショウイチの残した武器を持っていけと言い出し始めたのだ。
「ダーリン♡ ゴブリンの討伐に行くなら父上の武器を持っていってくれ、きっと役に立つはずだ」
「えっ? これはエリゼさんとって大事な形見だよね?」
「いいのだ、ダーリンの身の安全の方が大事だ。それにその様な武器は、我々には使いこなせないのだ。それとダーリンの護衛に屈強な者たちを何人か同行させるぞ」
「必要ありません、ミツル様と私の二人で充分です。人の恋路の邪魔する奴は馬に蹴られて死んでください。まあ、ホルスタインが馬に蹴られるというのも、けったいな話ですが……」
「人を牛扱いするな、この貧乳女!」
「貧乳ではありません、貴女が無駄に大きいだけです。それに肌のきめ細やかさ、形、張り、感度、どれをとっても私の勝ちです!」
「面白い、どちらの胸が好みか――ダーリンに決めてもらおう」
「望むところです、乳が大きいだけの女に負ける道理はありません」
「「いざ、尋常に勝負!!」」
「ちょっと二人とも、こんな所で脱がないでえぇぇぇぇっ!!!」
人目を憚ることなく脱ぎだしたエリゼとセレーヌを、私は慌てて止めるのであった。
「んっ! これは何だろう?」
エリゼに渡された武器をアイテムボックスに移し終え、中身を確認していると、見覚えのない物が紛れ込んでいる。
「自宅と自動販売機?」
何となく嫌な予感がした私は、場所を空けてもらうと恐る恐る中身を取り出してみる。
ズド―――ン!!!
「うわっー!」
「キャー!」
「何事だぁぁ!」
凄まじい地響きと共に土埃が舞い上がる。突然の出来事に獣人の護衛やエリゼの侍従たちは、驚嘆の声を上げている。目の前に現れたのは、前世界で私が住んでいた二階建ての家である。そして何故か車のガレージには、所狭しと自動販売機が立ち並んでいた。
「これは一体……」
困惑している私の目の前に、ヒラヒラと一枚の紙が舞い落ちてくる。落ちてきた紙を確認すると、それはファラ様からの手紙であった。その手紙を読んだ私は、改めてファラ様の強欲さを思い知らされるのであった。
エリゼの生い立ちや村の史実を知りしんみりしていると、エリゼの侍従が慌てて飛び込んでくる。
「むっ! またゴブリンか……奴らが迷いの森を突破出来るとは思えぬが、立て続けにゴブリンが現れるのは妙だな。何か異変が起きているのか?」
エリゼと侍従の話を聞いて、ゴブリン嫌いのセレーヌは思わず顔を顰めるが、次の瞬間何かを思い出したようで大きな声を張り上げていた。
「大変ですミツル様――テントを回収していません。テントの中に大事な物が……」
「んっ? 確かにあの時はリーアたちの声が聞こえて慌てて飛び出したけど、必要な物はアイテムボックスに殆ど入れたはずだけど?」
「いえ、あの、その……実はミツル様に喜んでもらおうと、秘かに作成していたセクシーな下着を置いたままなのです。ですから直ぐに取りに行かねばなりません!」
言うや否や、セレーヌは弾よりも早く駆け出していく。それはタバコモドキを服用している――某私立探偵のヒーローを遥かに凌ぐスピードであった。
「ちょっと、セレーヌさん! 独りだと危ないよ」
「こらっ、ダーリン――勝手に村を出られたら困るのだ! ……ええい仕方がない私も行く。ゴン、ダン、リーア、私と共に来るのだ!」
疾風のように走るセレーヌを追走していくと、やがて野営していた場所に辿り着いた。そこには一足先に辿り着いたセレーヌが、茫然と立ち尽くしていた。
「これは酷いな……」
私の目の前には潰れたテントと、テントの中にあった荷物が散乱していた。ゴブリンたちの仕業だろうか――置いてあった食料は食い散らかされ、目ぼしいものは粗方持ち去られたようだ。そして沸々と怒りの炎を滾らせ、爆発寸前のセレーヌを挑発するように二匹のゴブリンが岩陰から現れた。
一匹のゴブリンはフラワーレースの黒いTバックを、某女優の不倫相手の医者のように頭から被り、もう一匹のゴブリンは、リボンで解けるピンク色のオープンクロッチの下着を履いてレ●ザーラモンHGのように腰を振っている。
「ミツル様の為に作った大事な下着を……殺す、絶対に生かして返しません💢」
セレーヌの凄まじい殺気が辺りに漂い始める。私やエリゼたちは後退り、殺気の直撃を受けたゴブリンは挑発を止めてガタガタと震え始めた。
「ファイヤーバレット!!!」
セレーヌの魔道具から赤光の弾丸が重機関銃のように次々と放たれる。以前にゴブリンを殲滅した時を凌駕する弾速と破壊力で、ゴブリンたちは数秒で木っ端微塵となり吹き飛んでいった。
「さすがダーリンの従者と言ったところか……だがダーリン! この近くにある川の滝壺には得体の知れない危険な魔物が潜んでいるのだ。早くここから離れた方がいい」
「エリゼさん、その魔物なら倒しましたよ」
「何ッ!」
「そうです、ミツル様が倒しました。そして命懸けで私を助けて、衰弱している私に口移しでポーションを飲ませてくれました。あの時のミツル様の勇姿を思い出すだけで……はぁっ、はぁっ♡」
不機嫌であったセレーヌが態度を一変させ、顔を赤らめながら身体をクネクネさせている。それを見てエリゼは若干引いているようだ。
「そ、そうか……それはうらやまけしからんが、これでゴブリンが立て続けに現れた理由がわかったぞ。ダーリン――実は、あの川の遥か上流には……」
エリゼの説明によると、エコエコアザラシが住み付いていた川の上流には巨大な湖があるそうだ。そして湖の中には島があり、ゴブリンたちは湖に囲まれた天然の要塞で外敵を寄せ付けず、一大勢力を築いているようだ。皮肉な事に凶悪なエコエコアザラシを討伐した事により、ゴブリンの行動範囲が村の近くまでに広がったようだ。
「うふふふっ、ミツル様! 大事な下着を盗んだり、ミツル様との逢瀬を邪魔したゴブリンを許すわけにはいきません。直ぐにでも根絶やしにしましょう」
「そ、そうだね! ゴブリンが現れた責任の一端は私にある。作戦を練ってからゴブリンの討伐をしようか」
「はい♡ 何処までも付いて行きます♪ 二人っきりでゴブリンを殲滅して、その後はミツル様にご褒美をおねだりして、あんな事やこんな事を……えへへっ♡」
「ま、待て! これは村の問題だ。勿論、私も同行するぞ。第一、色ボケ女と二人っきりにさせたら、ダーリンの身に危険が生じる! そんな事は絶対に許さんぞ」
「ミツル様を誑かす、乳だけが取り柄のホルスタイン女に、そんな事を言われる筋合いはありません!」
「「ぐぬぬっ!!!」」
いがみ合う二人を何とか抑えて、私たちは取り敢えず村に帰還するのであった。
「何故、ダーリンと一緒にゴブリン退治に行くのに反対するのだ。ゴブリン如きに引けを取る私ではないぞ」
「エリゼ様は村の長なのですよ、少しは自重してください」
村に帰るや否やゴブリン退治の準備を始めたエリゼであったが、ダークエルフの侍従や獣人の護衛たちは猛反対である。散々駄々をこねていたが、渋々と村に残ることを承諾したようだ。だが代わりに、エリゼの父であるショウイチの残した武器を持っていけと言い出し始めたのだ。
「ダーリン♡ ゴブリンの討伐に行くなら父上の武器を持っていってくれ、きっと役に立つはずだ」
「えっ? これはエリゼさんとって大事な形見だよね?」
「いいのだ、ダーリンの身の安全の方が大事だ。それにその様な武器は、我々には使いこなせないのだ。それとダーリンの護衛に屈強な者たちを何人か同行させるぞ」
「必要ありません、ミツル様と私の二人で充分です。人の恋路の邪魔する奴は馬に蹴られて死んでください。まあ、ホルスタインが馬に蹴られるというのも、けったいな話ですが……」
「人を牛扱いするな、この貧乳女!」
「貧乳ではありません、貴女が無駄に大きいだけです。それに肌のきめ細やかさ、形、張り、感度、どれをとっても私の勝ちです!」
「面白い、どちらの胸が好みか――ダーリンに決めてもらおう」
「望むところです、乳が大きいだけの女に負ける道理はありません」
「「いざ、尋常に勝負!!」」
「ちょっと二人とも、こんな所で脱がないでえぇぇぇぇっ!!!」
人目を憚ることなく脱ぎだしたエリゼとセレーヌを、私は慌てて止めるのであった。
「んっ! これは何だろう?」
エリゼに渡された武器をアイテムボックスに移し終え、中身を確認していると、見覚えのない物が紛れ込んでいる。
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凄まじい地響きと共に土埃が舞い上がる。突然の出来事に獣人の護衛やエリゼの侍従たちは、驚嘆の声を上げている。目の前に現れたのは、前世界で私が住んでいた二階建ての家である。そして何故か車のガレージには、所狭しと自動販売機が立ち並んでいた。
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