セレブ嫌いとセレブ ~君の中に俺の居場所ある？~

１２ 光を信じて

　２日後MAILER４人のグループトークに
　慎二からの通知がきた

　なんか心配させてしまってごめんなさい
　亮平がもうすぐ誕生日だからデートの練習を友達に付き合ってもらって
　まさかそんなとこ亮平が見てるとは思わなかった

　しかも浮気とか思ってみんなに相談してるとか
　亮平の頭たたいてやったよ！

　サプライズが台無しになっちゃったねって
　４人で爆笑

　竜哉の個人MAILERに通知

　「今夜２人で会いたい」
　聖斗からだった
　
　何だろう？
　なんとなく気まずいなぁ
　って、何想像してるんだろ
　うぬぼれるな自分

　待ち合わせ場所に向かったら
　誰もいない公園のベンチに
　ひっそりと聖斗は待っていた

　少しの躊躇があり
　遠くから見ていたら気づかれた
　ゆっくり歩いて行き
　竜哉もそっと聖斗の隣に腰をおろした

　竜「どうしたの？　話って…」
　聖「こないだの話、俺…　本気なんだよ」
　竜「片想いの人？」

　（なんでそんなに冷静でいられるの？）

　聖「わからない？」

　竜哉は胸が締め付けられるほど苦しい
　もしかしたらとは思っている
　でも、もし違ってただの勘違いだったら
　そんな恥ずかしいことなんて耐えられない

　怖いから自分に向けられたことだとは否定し
　はぐらかしてばかりいた

　でも、聞きたい気持ちもあるし
　辛い思いするのは嫌だし

　竜「僕は怖い」

　竜哉の口から出たのは短い言葉だった
　でも、それが本音だった

　聖「今までの人のこと？」

　竜哉の目を優しく見つめながら
　ゆっくり聞いた

　竜「知ってるの…？」
　聖「亮平から聞いた」

　竜哉は知ってたんだというような
　少しゆるく微笑んで目を泳がせた

　竜「そっか…、こんな僕なんかーー」

　聖「一緒にしないで！」

　竜哉の言葉を遮って聖斗は強い口調でかぶせてきた

　竜哉は体中に衝撃が走った
　好かれるのはうれしいけど
　またウソだったら…
　もう今度こそ立ち直れない

　聖「俺は竜哉のことが好きなんだよ
　　　ずっと前から見てた
　　　俺のことまだ信じきれなくてもいいから
　　　ゆっくりでいいから見てほしい」

　竜「僕はちょっと優しくされたら
　　　すぐ好きになってだまされやすいし」

　聖「竜哉言ったよ
　　　〝がまんして近くにいるか、わずかな光を信じるか〟って
　　　俺は光に賭けるよ」

　竜「僕は…」

　竜哉は大きく深呼吸をしてから
　聖斗の目を見て話し始める