セレブ嫌いとセレブ ~君の中に俺の居場所ある？~

１４ 一部R15 思ってもなかった再会

　３日後から本社勤務の竜哉
　記念パーティーとして今夜いつもの４人で集まる

　聖斗が提案してくれた計画
　楽しみすぎて１人ニヤニヤしながら
　竜哉は待ち合わせ場所へ向かって歩いていた

　「よう、竜哉！」

　耳を疑いたくなるような思い出したくもない声
　忘れられるはずのない声
　なんで…？

　竜哉は言葉を失い震えだした
　一番会いたくない奴
　まさかの洋平と会ってしまった

　世間は狭い
　こういうのは良い意味で使いたい
　こんな奴と会うなんて

　思わず後ずさりすると背中に衝撃を受けた
　後ろには洋平のツレと思われる奴が
　ニヤニヤして立っていた

　洋「俺達と遊ぼうか？　久しぶりだもんな」
　竜「よ、予定が…」
　洋「つれないなぁ～」

　竜哉は今にも潰れてしまいそうな
　恐怖に怯えている
　走って逃げればいいものの
　足に力が入らない

　洋「また俺の邪魔すんの？」
　竜「えっ、　あ、　あの…」
　洋「来いよ」

　洋平の話し方は棘のある優しい口調
　以前と変わっていない
　その言い方が怖い
　何か企んでいる時の話し方

　洋平は竜哉の腕をつかんで
　後ろからはツレがガードしている
　逃げる余地はない

　今は使われていないであろう
　廃工場のような所へ連れてこられた

　洋「さてどうやって遊ぼうか？」
　竜「本当に予定があって…」
　洋「俺をないがしろにすんの？」

　パシッ！！

　洋平は思い切り竜哉をビンタした
　あまりにも恐怖すぎて痛みはあまり感じない

　あの時と同じだ
　怒らせたらまた…
　何されるかわからない
　震えが止まらない竜哉

　洋「誰かと会うのかな？」
　竜「大切な人と…」

　しまった…
　言わなくてもいいことを言ってしまった

　洋「俺より大切な人ってむかつくね？」

　ヤバイ
　目が斜め下を向いていて笑っていない
　なんとか機嫌をとらないと

　と思っていた時、鋭い痛みが走った

　竜哉は腹をカッターナイフで切りつけられていた

　竜「あっ…！　んっ、ぐっは…」

　洋「俺のキスマーク思い出してくれたかな？」

　洋平のキスマーク
　それはカッターナイフで体を傷つけること

　洋「竜哉はこういうの慣れてるよね
　　　喜んでたしなぁ」

　喜ぶはずがない
　また…

　洋「誰と会～うのかな～？」
　竜「………」

　恐怖で竜哉は言葉を発することができない
　うつむいて震えていた

　洋「無視しないでよ～」

　洋平はまたカッターで傷をつけた
　竜哉は完全にヤバくなっている
　恐怖でパニックになっていてもう何もできない

　そんな時、竜哉のスマホに着信の音が響いた
　なんとかして助けを求めたい
　でも、洋平がスマホを取り上げた

　洋「華崎　聖斗？
　　　あの大企業の華崎か？」

　竜「ダメ！
　　　その人に関係ないから」

　洋平は嫌な不気味な笑顔を作った