2 / 17
あの日の余韻
しおりを挟む(ふぅ…。)
杏奈は、ぼんやりと窓外を見て、停まっている飛行機と、誘導路へ進む飛行機を眺める。
数日間のフィリピン滞在中に起きた、あの興奮に満ちた瞬間を思い返すと、パンティが少しずつ濡れ始め、身体がだんだんと熱くなってきた。
(はぁ…。)
再び軽いため息をついた後、ゆっくりと目を閉じると、穏やかで落ち着いた品のある雰囲気と、悪戯な微笑みを向ける姿が浮かび上がる。
明るいブロンドの髪色に、短髪のアップバングのヘアースタイルは、優しい雰囲気に清潔感のある爽やかな印象がプラスされる。
180cm程ある身長に、男らしさを漂わせる引き締まった体格は、彼の魅力をさらに際立たせている。
太くて長い首。
そこから滑らかに続く隆起した首筋と、彫りの深い繊細な鎖骨。
淡い桜色の唇。高い鼻梁と深い眼窩。
鮮やかなエメラルドグリーン色をした、三白眼気味の綺麗な瞳を持つ彼は、スウェーデン出身のルーカスだ。
ルーカスとの刺激的な夜の続きを思い起こそうとしたその瞬間、
「ポーン」
機内に丸みを帯びた音が鳴った。
気を散らされたことに軽い不快感を抱きながら、杏奈は目を開ける。
Good afternoon, Ladies and gentlemen.
Welcome aboard Philippine Airlines flight GNI32, from Manila to Marbelia.
We are now ready for departure.
間もなく離陸のようだ。
(フィリピン、よかったなぁ。)
そう思いながら機内のアナウンスを聞き流していると、杏奈は急な睡魔に襲われ、そのまま身を委ねて眠りに落ちていった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる