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熱い夜までの記憶(1)
しおりを挟む「杏奈!」
声のする方を振り向くと、親友の美佳が手を振っている。
ここは、フィリピンのマニラ国際空港。
杏奈はマルベリア大学に留学中だが、セメスターブレイク(学期休み期間)に、マニラ国立大学に留学している美佳に会いにやって来た。
「ようこそ、フィリピンへ!フライトは大丈夫だった?」
「大丈夫だった!マルベリアは台風で天気悪かったけど、フライト欠航にならなくてよかったよ!
それより、どう?留学生活は順調?」
「無事にマニラ着いてよかった!
留学生活はねぇ。まぁ順調だけど、授業についていくのが大変。。(泣)授業で上手く発言できない時もあって、その度に自信喪失してるよぉ。。」
軽く泣き真似をする美佳を励ましつつ、残りの留学生活の中で挑戦したいことや、留学中に行った旅行話で盛り上がった。
空港のタクシー乗り場に着き、マニラ空港から市内まではタクシーで移動する。
40分程で市内には着くようで、値段も2,000円程でいけるとのことだ。
初めてフィリピンに来た杏奈は、Googleマップを片手にあれこれ質問し、市内の様子を車越しに見ていた。
タクシーに乗って30分くらい経過し、宿泊するホテルも近づいてきた時、美佳が「あっ!話忘れてた!」と言って、たった今思い出したことを話し始めた。
「聞いてよ!私が取ってるビジネスクラスにさ、ルーカスっていう名前のスウェーデン人のイケメンがいるの!」
「えぇ~!そうなんだ!写真は??」
「この人!」
「っっ!!!イ、イケメンすぎる!」
「でしょ??でも実際に見たらもっと驚くよ!息を呑むほどカッコイイの!
彼女と別れて、今はフリーなんだけど、彼のガールフレンドになりたいって大学中のほぼ全ての女子が思ってて、かなりの人気者なのよ!」
「へぇ~!写真だけでもカッコいいもんね。人気者はわかるわ!会いたいなぁ!ねぇ、なんとかならないの?」
「ふっふっふっ(笑)実はぁ~~、、、」
「えっっ?!!なによ!なになに??」
「今週の金曜夜に、飲み会に誘われてて、杏奈も都合良ければどうかな?って。たぶんルーカスも来ると思う!
どれくらい集まるかわからないけど、30~40人くらい?来るみたい。場所は、大学の使われてないD棟だからTシャツとか楽な服装で大丈夫!」
「行く行く!!美佳様ぁ~!」
「よかった!(笑)
実は、幹事には、杏奈も参加するって先週伝えちゃってたの!(笑)」
「なんだよぉ~(笑)」
杏奈と美佳が笑い合っていると、ちょうど宿泊先のホテルに着いた。
それから2日間、美佳と杏奈は、一緒にマニラ市内の観光を楽しんだ。
そして金曜日夜。
杏奈は、ホテルからD棟へ向かっていた。
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