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熱い夜までの記憶(2)
しおりを挟む広大な敷地のマニラ国立大学は、緑に囲まれた自然豊かなキャンパスで、大学内には道路が通って信号もある。
杏奈が今向かっているD棟は、大学敷地内の奥ばったところにあり、正門から車で10分程の場所に位置する。
(ちょっと遅くなっちゃったなぁ。。)
杏奈は、別の予定が入っていたため、夜10時頃にD棟に到着した。
防音設備が整っていると聞いていたが、棟の前でタクシーを降りると、洋楽のダンスミュージックが微かに聞こえてくる。
入口を開けると、全面ガラス張りのエントランスホールになっており、受付の席に3人の女性が座っていた。
簡単な挨拶をした後で、美佳の連れであることを伝えると、
「美佳なら、大きな柱が近くにあるL字型のソファ席で見たわ!」
と教えてもらった。
受付の案内に従って地下の会場に向かう途中、自分の姿と着ている服装が、ガラス越しに映った。
(……今更だけど、、変じゃないかなぁ。)
と、少し心配になる。
Vネックの白い半袖シャツに、ユニクロの黒のレギンスパンツ。
6cmのヒールを持つ黒いパンプスには、明るい金色のリボン型のチェーンがデザインされている。
服装の心配をしていると、突然、
「Have a great night, Anna!」
と声がかかった。
はっ、と少し驚いて気が付くと、目の前の重そうな扉が開かれようとしていた。
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