【完結】悪役令息⁈異世界転生?したらいきなり婚約破棄されました。あれこれあったけど、こんな俺が元騎士団団長に執着&溺愛されるお話

さつき

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12、つぶらな瞳のお願いに負けたグリーコさんと、ショックを受けたシエル

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シエルは子どもたちにこっそり、言った。
注意とかアドバイスとかではない。
ただなんとなーく、ボソッと言っただけ。

 ・頼み事をする時はちゃんと人の目をみて、手を合わせてお願いする。
 ・どんなに老けていそうでも年齢不詳の方には、性別関係なく"様"または"さん"づけする。
 ・年齢がそこそこでも微妙だと思っても、余程でない限り"おじさん"と"おばさん"呼びは絶対禁止。
 ・とくに30代は微妙な年齢なので(元、経験者)お兄ちゃん、お兄さんと呼ばれるとうれしい、じゃなくて、喜ばれます。

「「「グリーコ(様(さん(お兄ちゃん)))お願い!!!」」」
見事にバラバラな呼び方で少し焦ってしまった。
だけど気にしてないフリをした。
ちょっと、目をそらしてしまいました。
グリーコさん、ごめんなさい。
仕事を終えたグリーコさんは、驚いたあと急にオロオロしてしまった。
可愛い子3人ともう一人の可愛い子はコリラックさんの腕の中にいる状態で、コリラックさん、そして僕はグリーコさんに頭を下げお願いをした。
高熱を出しているたぬきの獣人族であるリータ君の為、獣人族が司祭をしている教会、イバド町までこの子たちも同乗させて欲しいと頼み込んだのだった。
ここにも教会はあるのらしいのだが……。
次の町には同じ獣人族である方が司祭をしているのでリータ君を助けてくれる可能性が高いらしいと、コリラックさんは言葉を濁しながら言った。
水分補給も少しずつではあるけれど、スプーンで飲ませていた。
果実汁が入ったスポーツドリンク的なモノが欲しいと思い、作れそうなモノを探す為カバンをゴソゴソしてるフリをした。
この便利な肩掛けのカバンは、グリーコさんがプレゼントしてくれたものだ。

すごく便利な大きめなカバン。
後ろに回せば中身により座布団になるかもしれないし、寝る時には枕がわりにもなるかもしれない優れもの。
その便利な大きめなカバン、実はグリーコさんが商談の間、チクチクチクと一針一針、よくわからない愛情を込め改造してくれたそうだ。
仕事中にそんな事してもいいのかなぁと思ったのが、表情に現れていたのかグリーコさんが説明してくれた。
もともとは、グリーコさんのお店にカバンや布靴などを作って卸している人の作品らしいけど、完成している物はもちろん、完成間近のカバンも一緒にいくつか買い取ったそうだ。
そして、それらのうちの一つを少し改造したらしい。
 中が大きく3つに分かれていて2つはそのまま物を入れれる様になっていた。そして秘密の場所、丁度真ん中部分が底抜けになっていた。
2つのカバンを底以外の両脇を紺色のリボンで縁取りっぽく縫われていた。
アイテムボックス持ちの僕の為のカバン。
アイテムボックスを誤魔化すためのカバンとして、底抜けの方に手を入れ、物を出し入れする仕様。
少し大きめのカバンだけど、色味も優しい深めのグリーン系に紺色の縁取り、草木で染めてあるそうだ。
すっごく嬉しくて、底抜けたとこから手を出し手を振ると「あれぇ、カバン破けちゃったの?僕、縫い物できるからしてあげるよ。」と言われてしまった。
僕??ぼく?ぼくぅ~?
えっ?あっ、僕っ子っていうアレなのか?
女の子なのに、自分のことをそういうらしいと聞いた事が…ある。そっかぁ、こんな可愛い子が"僕"だなんて、違和感あるけど可愛いからヨシ!!
「ありがとう。これはこれで便利な使い方が出来るように、えーと、あっ、んんっ…グリーコさんが作ってくれた底抜けカバンなんだよー。ほらグリーコさんも底抜けに明るくてすごい優しいだろう?!ほら、ねっ、ねっ!!」
く、苦しい言い訳だが、アイテムボックス持ちは、あまりいないから知られないようにした方がいいらしい。
グリーコさん、ごめんなさい。
「底抜けのグリーコ(さん・様・お兄ちゃん)すご~い!!」
グリーコさんは、一瞬戸惑ったような表情をしたが困ったように笑っていた。
コリラックさんは、肩を振るわせ後ろ向きだったが、たぶん笑っているのだろう。
やはり、言い訳がかなり苦しかったのだろう。
まぁ、なんとか誤魔化せたあと、カバンからと見せかけアイテムボックスから甘いリンゴっぽい果物と、サトウキビっぽいものと塩を取り出した。
柑橘系があれば良かったんだけど、この材料でも甘くて美味しいのが出来そうだ。
サトウキビっぽいものは、食べやすい長さに切られているのが屋台で売っていた。
みずみずしいサトウキビっぽいモノをガジガジ噛みながら吸うと甘かった。
ほぼサトウキビだったので、あとで皆で荷馬車で食べようと思って数本多めに買っていたモノだった。

りんごっぽいのをすりおろしたいけど、おろす為の道具はない。
(*注意*シエルは、創造魔法どころか魔法を使える事をしばしば忘れてます)
なのでみじん切りにでもしようかなと料理経験ほぼなしのは思った。
さぁ切ろうとした時、包丁もない事に今更ながら気づいてしまった!!
気づくの遅っ!!って自分でも思ってしまった。
家出する時、調理道具も用意するべきだったかもしれない。すっかり忘れていた。
仕方がないとそう思い、この腰の短剣で切ろうとした、「リリンゴを食べたいのか?」とコリラックさんに聞かれた。
リリンゴ?このりんごっぽい果物の事だよね?
(*注意*シエルは創造魔法で作ったはずの鑑定魔法の存在も今、忘れてます)
スポーツドリンクっぽいのを作りたいとは言えないので、"リリンゴ"?を本当はすりおろしたいけど、道具がない事、包丁もないので、短剣でみじん切りにしてそれを絞って、サトウキビっぽいのも絞りひとつまみの塩を入れる事を説明した。
少し考えたコリラックさんは、リリンゴとシュガッキーほぼさとうきびを握りつぶした。
「怪力魔法?!」
(*注意*魔法の存在、ちょびっと思い出したシエル)
「いや?普通に握りつぶしただけだ」
すごい!!
うらやましい!!
ちなみに、僕もマネしてまだ潰れてないリリンゴとシュガッキーを最初は片手で、そして最後に両手で握り潰そうとした。
だけど、悲しいことにそのまんまの…いや、少しへっこんだ気がする果物と野菜がポツンとあった。
子どもたちも握りつぶしに参加したが、9歳のきつねの獣人族であるクリムちゃんだけがすご~し、ほんのちょびっとリリンゴにひびが入っていた。
 可愛い顔して握力すごいんだなぁと思ってしまったと同時に、9歳に負けた18歳のオレ、少し凹んでしまった。
コリラックさんとクリムちゃんのおかげで、異世界版スポーツドリンク(握りつぶした絞り汁入り)を皆で飲んだ。
美味しいと褒められ、照れてしまった。
だけどその飲み物、コリラックさんの力技のおかげで作った飲み物。
僕、氷水と握りつぶされ搾られた汁と塩を混ぜただけ。

それぞれ買った食べ物を交換しながらイバド町に向けゆっくりと荷馬車は進んでいた。
もちろんリータ君の頭を冷やしたり、水分補給もした。

荷馬車は順調にセブン町からイバド町に向かっていた。
その途中、トイレ休憩で新事実?!いや、驚く出来事があった。
代わりばんこに、草むらや岩かげなどでトイレ休憩をいつものようにしようとした。
リータ君はコリラックさんに支えて貰いながら済ませた。
僕とリータ君以外のちびっ子たちとトイレ休憩。
女の子もいるからと思い、少し離れてしようと思ったけどピッタリくっついてくる可愛い子たち。
仕方がないから、小さい子だしまぁいいかと思い、以前のオレより少~し可愛いサイズのアレを取り出した。
チョロチョロと音がいち、にぃ、さん、よん?
まぁ、4人いるから4人分の音がするのは当たり前だけど、なぜか皆、立ったままでアレをしていた!!
今のオレ…僕と同じサイズから少し大きめのサイズまで4タイプのアレ。
アレの大きさも形も、言い方は同じアレ。
女の子にはなくて、男の子にはあるアレがいち、にぃ、さん、よん!!4人分のブツがあった。
「!!!」
女の子じゃなかったのか?!
男の子にしては可愛すぎるだろー!!
やばい、可愛いのにアレがある!!
可愛いのに、アレが18歳のオレ…僕よりデカい!!
泣いていいですか?
やはり成長期に食べれなかったシエルは、あそこも小さくなってしまったのか?!
あの王妃のせいで、オレ…シエルのアレまでちっこくなってしまったじゃないかぁぁぁ!!
くそっ!!
身体もアレも大きく色々デカい男になりたかったぜ!!
へこむぅー!!
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