不死戦争~immortality war ~

おたく

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不死戦争2章(襲来)

不死戦争10

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凄まじい魔力を放つ永魔に
傷は拳に魔力を溜める。


「この技は魔力を大量消費
するから出来るだけ使いたく
無かったがこの際使わせて貰う‼」


傷の拳に大量の魔力が集中
する。


「はあああ…っ!」


やがて拳に集まった魔力が
黒く輝き傷の拳を包んだ。
大量の魔力の影響で
地面が大きく陥没する。


俺はもう死ぬかも知れない。--
傷は心の奥底でそう思っていた。
永魔の魔力の方が強い…
正面からぶつかり合えば
確実に傷の方が吹き飛ばされる。



「…暗闇丸…」


永魔の口がゆっくり動く。
すると永魔の両手の間に
真っ黒な波動の玉が現れた。


今だ…っ!今なら永魔を
確実に倒せる…‼


傷は技を溜めている永魔に
渾身の一撃を放つ‼
卑怯だがこうでもしないと
傷の身体を今の永魔はボロ布
の様に破壊してしまうだろう。


傷の渾身の一撃と永魔の
発動寸前の魔術がぶつかり合い
辺りに激しく火花が散り
土煙がもうもうと舞った。


廃墟全体が大きく傾き
巨大地震が起きた様に地面が
ビキビキと音を立てひび割れた。


煙が晴れると永魔と傷は
廃墟の床に対極に向かって
寝転がっていた。


「ハハ…まさか魔術を発動
すらしていないのに俺の技の威力
を相殺されるとは…本当に
すごい奴だよ。お前は…だが
運は俺に味方したらしいな…‼」


ガクガクと膝を震わせながら
傷は何とか立ち上がった。


「く…そう…動け…無い…」


永魔の謎の変身は解けて
元の状態に戻っていた。
おまけに傷の不意打ちによる
ダメージは深く身体に残っていた。


「永魔アア…お前はそのまま
連れていくぞ…‼抵抗は許さん。
いや…しようにも出来ねえか。」


芋虫の様に身体を捻るしか
出来ない永魔は必死に傷から
逃れようと試みるが
身体中が打撲と骨折で全く
動けない。


「念のため最後に気絶させて
おくか…もう会うことは
無いだろうが…じゃあな
永魔…‼」


傷は拳を思い切り握りしめて
振り降ろす‼


とうとう永魔の悪運も
尽きたかに思えた――


その時傷の後ろにフードを被った
何者かがヌッと現れ…


ゴスッ ドカッドカッ
ゴスッ ドカッドカッ
ゴスッ バキッボキッ
ゴスッ グチャッペキョッ
ゴスッ ガスッブチュッ


何者かは容赦なく握っている
鈍器らしき物を傷に叩きつける。


「ギャアアア…っ‼」


突然の予期せぬ攻撃に
流石に傷も絶叫する。


傷の敵である永魔も可哀想
に思えて来るほど酷い凄まじい
攻撃だった。


一心不乱に鈍器を叩きつけ
息を切らしている何者かの
正体は…――光希だった…‼


永魔は光希の姿を見て
カスカスの疲れはてた
声で思わず叫ぶ。


「光希…お前…なんで来た…
夜に…なっても…帰って…
来なかったら…忘れてくれって…」


「いやいや、普通にそんなの
無理だから…お母さんも
ご飯作って待ってんの‼」


「俺が…何で来るなって言ったか
…わかってんのか…」


「ええ。私達に迷惑掛けたく
無いからでしょ?でもあんたは
いきなり“夜になって帰って来な
かったら忘れろ”とか言って出てった
家族を見捨てられる?
私は無理だったしここに来た。」


そんなの永魔も分かっている。
光希が優しくて俺を見捨てられ
無いことを…
しかしだからこそ念を押して
何度も繰り返し来るなと
言ったのだ。


「そもそも…俺が居る場所の…宛も
無いのに…出歩くなんて…危険だ…」


「いいえ、宛はあったわ。
あんた達が走った道は抉れて
いたんだもの。それでここに
たどり着いて中を覗いたらあ
んた死にかけてたから居ても立っても
居られなくて助けに入ったの。」


そう言って光希は目を回
している傷を傾いた廃墟の
柱に家から持ってきたロープで
固く結びつけた。


「さあ、洗いざらい永魔の
お兄ちゃんに死神の情報を
話して貰うんだからね‼」


探偵気取りで光希はそう言った。






 

       【10話終わり】
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