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第7話 市場へ
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フェリックス様が肩をすくめる。彼が先に手の内を明かした。
「鳩があなたと話すのを見て初めて気づきました。あの鳩はジャンヌの使い魔ですね。僕は使い魔のことには詳しいんです」
「はあ、そうでございましたか……」
初めから全部お見通し、というわけではなさそうだ。でも、使い魔に詳しいって?
「もう一つ言うと、鳩を追いかけてきたカラスは、城の奥様の使い魔でしょうね」
「奥様の?」
奥様に使い魔がいたなんて、初耳だ。私の驚きをよそに、フェリックス様は話を続ける。
「そう。カラスの場合は大抵、見た光景を主人に知らせます。でも聞いた音は伝えていない。おそらく……」
「あの、私は、そういう話はちょっと、……」
私は彼を遮った。フェリックス様の言っていることは多分本当だ。だとすると、奥様の隠し事を私が知ることになってしまう。そんな秘密を、昨日今日来たばかりの人から聞いていいものだろうか?
私が聞きにくそうにしていると、フェリックス様は話題を変えた。
「あなた、馬には乗れますか?」
「もちろんです」
私は顔を上げて彼を見る。彼は私を見てうなずき、何事もなかったかのように話を続ける。
「では明日、一緒に来てください。ヴァロン侯から、城下町を散策する許可をいただきました。案内を頼みます」
「承知しました」
「今夜はこれで結構です。あなたも僕の所に来るというお役目を果たしたことだし」
「?」
私が不審な顔をすると、フェリックス様は窓の方を示す。
「ちゃんと証人がいる」
窓枠に、さっき飛んで行ったはずのカラスが戻ってきている。
「聞かれたら、僕は満足したのであなたを帰したのだとでも言っておけばいいでしょう……」
フェリックス様は朗らかに手を振って、私を部屋から追い出した。
◇◇◇
招かれざる客のフェリックス様が城にやって来てから三日目の朝。彼とその従者、それに私の三人は、馬で城下町まで出て来ていた。
「やあ、これは賑やかだ」
馬上からフェリックス様は感嘆の声をあげる。街は行き交う人と馬と荷車とで大変な混雑だった。
「ヴァロン侯も、こちらへはよくお出ましに?」
「ご一家は市場へはいらっしゃいません。城に出入りの商人がいますから、必要ないのです」
フェリックス様の質問に私は答える。
旦那様や奥様は、街の騒々しさが嫌いだし、平民の暮らしにはあまりご関心がないのだ。
私はフェリックス様の意向を尋ねる。
「どちらからご覧になりますか? 市場、聖堂、それとも宿場?」
「職人たちの通りから行きましょう」
街では同業の職人たちが集まって、その通りには職人の名前がついている。
ご要望に従って、まずは『金銀細工師通り』から、私たちは通ることになった。
『金銀細工師通り』では金銀細工の工房が軒を連ねる。工房の店先では、実用品や宝飾品を売っている。
フェリックス様は馬を従者に預け、徒歩でそれらを見て回る。私も馬を降りて彼の少し後ろを歩く。
フェリックス様はどこの店先でも熱心に見入っていた。特に宝飾品の類が気になるようだった。
「何かお探しですか? お手伝いしましょうか?」
「いいえ、ただ感心して見ているだけです」
そうは見えない。私は探りを入れる。
「ジャンヌ様に贈り物をお考えですか? お嬢様のお好みは、金色に赤い石ですが」
「ありがとう。おぼえておきます……」
答える彼はどこか上の空。明らかに何か目当ての物があって探している様子だった。
結局、『金銀細工師通り』の終わりまで来ても、彼の探し物は見つからなかったようなのだけれど。
続いて『布地通り』へ。
大きな桶の中で、鮮やかな青色と赤色に布地が染められているのが染物屋。
青色は、ここではヴァロン侯のような人にしか買えない高級品だ。少し懐に余裕があれば人気の色は緑か紫で、私のような使用人は大抵、赤茶けた色の服に身を包んでいる。
見知った顔を見つけたので、私はフェリックス様に耳打ちする。
「あの商人はお城に出入りしています。奥様もジャンヌ様も、城の中の女性たちも、時間をかけて布地を選ぶのを楽しみにしているのです」
「そうですか……どれも見事なものですね」
「ジャンヌ様は赤色の地に金糸の刺繍をするのがお好みです」
「ありがとう。おぼえておきます……」
また、どこか上の空で返事が返ってきた。
私は彼の青色のマントを見る。フェリックス様はいつも上等の服をお召しだ。リュシアン王子の衣装は王宮で一流の職人たちが仕立てていると聞くけど、それと比べても見劣りしない。
「フェリックス様も青色がお好きでしたか?」
「青色? 別に、特にこれでなければ、というものではないですが……」
フェリックス様はじっと私の格好を見たかと思うと聞いてきた。
「お城の女中たちはみな、あなたと同じような色を着ていますね。でも市場にはその色はなかった」
彼の指摘に私はぎょっとする。
こんな色、売っているはずがない。売っていたって、誰が買うものか。
「買ったのではなくて、お城でこの色に染めているんです」
「どうやって?」
「木の葉の色です。最初はもう少し濃い色ですが、洗濯を繰り返すうちにこんな赤茶けた色に……」
「なるほど。それで、その色を着るのは、お城の決まりですか?」
「お城から支給されたり、お下がりだったりで何となく……決まりではないので、他に頂き物があればそれを着たりもしますが」
答えながら私はフェリックス様の表情を伺う。どうして女中の衣服のことなど、お尋ねになるのだろう?
「なぜこんなことを聞いたかというと、僕の母がいつも、あなた方と似たような服装をしていたからです」
「えっ」
「父は着道楽でした。母のためにも美しい衣装をたくさん作ったのですが、母はそれにはまったく袖を通さず、いつも飾りっ気のない格好でした。色味といい、頭に布のかぶり物をしている所といい、本当によく似ている……」
この人のお母上のことをヴァロン侯が「卑しい女中」と罵っていたことを思い出す。貴族の妻となったことを幸いに、大喜びで着飾るような人物ではなかったようだ。
私は思った疑問を口にする。
「お母上には何か、そうすることを好まれる理由がおありだったのでしょうか?」
彼はしばしの間私を凝視。そして何か思いついたように、にっこりと微笑んだ。
「ではあなたは、何が好みなのでしょう。これまで見た中で気に入る物はありましたか? 僕からあなたのお好みの品を差し上げましょう」
「……」
私は返答に詰まった。これは困った。
主人が臣下や召使に何かを下さるのは、気まぐれにあること。
でも今、敵か味方かがはっきりしない人から物をもらうのはまずい。私がフェリックス様に買収されたようになってしまう。
しかしせっかくの好意をお断りした場合、気を悪くされないだろうか。受け取りたくない理由を変に勘繰られるかもしれない。
どっちにしてもあまりよい傾向ではない。
「そんなに悩むようなことですか」
私の考えの堂々巡りに気づいてか、フェリックス様は完全に苦笑いをしていた。
「あ、でも、もし頂けるのでしたら」
私はあることを思いついて言った。
前々からずっと気になっていたことがある。もしかしたら彼が助けになってくれるかもしれないし、助けにならなくても、それはそれで構わない。
「お言葉に甘えて……あの、カラスムギを二升分、買っていただけませんか」
「カラスムギ……? いいですよ」
フェリックス様は不思議そうな顔をして、でも快諾してくれた。
私とフェリックス様は屋根付きの市場に足を踏み入れる。従者は馬の手綱を持って市場の外で待っている。
この市場では、穀物、豆類、野菜、果物などの食料品を扱う。穀物はすべて量り売り。私は目をつけている穀物屋に向かった。
穀物屋の前では私の前に何人か客がいて、麦の売り買いが行われていた。私はじっと目を凝らして売買の様子を観察し、自分の考えを改めて確認した。
穀物屋は枡を二つ持っていて、使い分けている。買い取る時に計量する枡と、売る時に計る枡の二つだ。枡は内側で底が斜めになっていて、片方の枡では見た目よりも量が多く、もう片方では少ない量が入るのではないかというのが、市場での公然の疑惑だった。
私が買い物をする順番が回って来て、私は麻袋を差し出して言った。
「カラスムギを」
「どれくらい?」
「二升分。この袋と、その袋に入っているのと、両方から買いたいの。その枡とその枡で測って、合わせて一緒に袋に入れてよ。お代はこの旦那が払うから」
私はぞんざいにフェリックス様の袖を引っ張る。急に話を振られて彼は少し戸惑ったようだ。が、すぐに愛想笑いを浮かべる。
本題はここだ。お客が買う用に、二つの枡を両方使って測れ。
穀物屋の主人は突然不機嫌になって私を恫喝した。
「なんだい……人の商品にケチをつける気か。信用ならねえんなら、何も無理して買うことはないんだ」
「ちょっとの面倒くらい、聞いてくれたっていいじゃないの。こっちはお得意様よ……」
店の主人に言い返してから、私は振り返ってフェリックス様のほうを見た。私はわざと大声で悪態をつき続けて、店主とは売り言葉に買い言葉で、騒ぎで人々の注目が集まる。
この状況でフェリックス様がどう出るか、私は彼を試した。フェリックス様は一瞬だけ私を見、商店の方に向き直った。
「鳩があなたと話すのを見て初めて気づきました。あの鳩はジャンヌの使い魔ですね。僕は使い魔のことには詳しいんです」
「はあ、そうでございましたか……」
初めから全部お見通し、というわけではなさそうだ。でも、使い魔に詳しいって?
「もう一つ言うと、鳩を追いかけてきたカラスは、城の奥様の使い魔でしょうね」
「奥様の?」
奥様に使い魔がいたなんて、初耳だ。私の驚きをよそに、フェリックス様は話を続ける。
「そう。カラスの場合は大抵、見た光景を主人に知らせます。でも聞いた音は伝えていない。おそらく……」
「あの、私は、そういう話はちょっと、……」
私は彼を遮った。フェリックス様の言っていることは多分本当だ。だとすると、奥様の隠し事を私が知ることになってしまう。そんな秘密を、昨日今日来たばかりの人から聞いていいものだろうか?
私が聞きにくそうにしていると、フェリックス様は話題を変えた。
「あなた、馬には乗れますか?」
「もちろんです」
私は顔を上げて彼を見る。彼は私を見てうなずき、何事もなかったかのように話を続ける。
「では明日、一緒に来てください。ヴァロン侯から、城下町を散策する許可をいただきました。案内を頼みます」
「承知しました」
「今夜はこれで結構です。あなたも僕の所に来るというお役目を果たしたことだし」
「?」
私が不審な顔をすると、フェリックス様は窓の方を示す。
「ちゃんと証人がいる」
窓枠に、さっき飛んで行ったはずのカラスが戻ってきている。
「聞かれたら、僕は満足したのであなたを帰したのだとでも言っておけばいいでしょう……」
フェリックス様は朗らかに手を振って、私を部屋から追い出した。
◇◇◇
招かれざる客のフェリックス様が城にやって来てから三日目の朝。彼とその従者、それに私の三人は、馬で城下町まで出て来ていた。
「やあ、これは賑やかだ」
馬上からフェリックス様は感嘆の声をあげる。街は行き交う人と馬と荷車とで大変な混雑だった。
「ヴァロン侯も、こちらへはよくお出ましに?」
「ご一家は市場へはいらっしゃいません。城に出入りの商人がいますから、必要ないのです」
フェリックス様の質問に私は答える。
旦那様や奥様は、街の騒々しさが嫌いだし、平民の暮らしにはあまりご関心がないのだ。
私はフェリックス様の意向を尋ねる。
「どちらからご覧になりますか? 市場、聖堂、それとも宿場?」
「職人たちの通りから行きましょう」
街では同業の職人たちが集まって、その通りには職人の名前がついている。
ご要望に従って、まずは『金銀細工師通り』から、私たちは通ることになった。
『金銀細工師通り』では金銀細工の工房が軒を連ねる。工房の店先では、実用品や宝飾品を売っている。
フェリックス様は馬を従者に預け、徒歩でそれらを見て回る。私も馬を降りて彼の少し後ろを歩く。
フェリックス様はどこの店先でも熱心に見入っていた。特に宝飾品の類が気になるようだった。
「何かお探しですか? お手伝いしましょうか?」
「いいえ、ただ感心して見ているだけです」
そうは見えない。私は探りを入れる。
「ジャンヌ様に贈り物をお考えですか? お嬢様のお好みは、金色に赤い石ですが」
「ありがとう。おぼえておきます……」
答える彼はどこか上の空。明らかに何か目当ての物があって探している様子だった。
結局、『金銀細工師通り』の終わりまで来ても、彼の探し物は見つからなかったようなのだけれど。
続いて『布地通り』へ。
大きな桶の中で、鮮やかな青色と赤色に布地が染められているのが染物屋。
青色は、ここではヴァロン侯のような人にしか買えない高級品だ。少し懐に余裕があれば人気の色は緑か紫で、私のような使用人は大抵、赤茶けた色の服に身を包んでいる。
見知った顔を見つけたので、私はフェリックス様に耳打ちする。
「あの商人はお城に出入りしています。奥様もジャンヌ様も、城の中の女性たちも、時間をかけて布地を選ぶのを楽しみにしているのです」
「そうですか……どれも見事なものですね」
「ジャンヌ様は赤色の地に金糸の刺繍をするのがお好みです」
「ありがとう。おぼえておきます……」
また、どこか上の空で返事が返ってきた。
私は彼の青色のマントを見る。フェリックス様はいつも上等の服をお召しだ。リュシアン王子の衣装は王宮で一流の職人たちが仕立てていると聞くけど、それと比べても見劣りしない。
「フェリックス様も青色がお好きでしたか?」
「青色? 別に、特にこれでなければ、というものではないですが……」
フェリックス様はじっと私の格好を見たかと思うと聞いてきた。
「お城の女中たちはみな、あなたと同じような色を着ていますね。でも市場にはその色はなかった」
彼の指摘に私はぎょっとする。
こんな色、売っているはずがない。売っていたって、誰が買うものか。
「買ったのではなくて、お城でこの色に染めているんです」
「どうやって?」
「木の葉の色です。最初はもう少し濃い色ですが、洗濯を繰り返すうちにこんな赤茶けた色に……」
「なるほど。それで、その色を着るのは、お城の決まりですか?」
「お城から支給されたり、お下がりだったりで何となく……決まりではないので、他に頂き物があればそれを着たりもしますが」
答えながら私はフェリックス様の表情を伺う。どうして女中の衣服のことなど、お尋ねになるのだろう?
「なぜこんなことを聞いたかというと、僕の母がいつも、あなた方と似たような服装をしていたからです」
「えっ」
「父は着道楽でした。母のためにも美しい衣装をたくさん作ったのですが、母はそれにはまったく袖を通さず、いつも飾りっ気のない格好でした。色味といい、頭に布のかぶり物をしている所といい、本当によく似ている……」
この人のお母上のことをヴァロン侯が「卑しい女中」と罵っていたことを思い出す。貴族の妻となったことを幸いに、大喜びで着飾るような人物ではなかったようだ。
私は思った疑問を口にする。
「お母上には何か、そうすることを好まれる理由がおありだったのでしょうか?」
彼はしばしの間私を凝視。そして何か思いついたように、にっこりと微笑んだ。
「ではあなたは、何が好みなのでしょう。これまで見た中で気に入る物はありましたか? 僕からあなたのお好みの品を差し上げましょう」
「……」
私は返答に詰まった。これは困った。
主人が臣下や召使に何かを下さるのは、気まぐれにあること。
でも今、敵か味方かがはっきりしない人から物をもらうのはまずい。私がフェリックス様に買収されたようになってしまう。
しかしせっかくの好意をお断りした場合、気を悪くされないだろうか。受け取りたくない理由を変に勘繰られるかもしれない。
どっちにしてもあまりよい傾向ではない。
「そんなに悩むようなことですか」
私の考えの堂々巡りに気づいてか、フェリックス様は完全に苦笑いをしていた。
「あ、でも、もし頂けるのでしたら」
私はあることを思いついて言った。
前々からずっと気になっていたことがある。もしかしたら彼が助けになってくれるかもしれないし、助けにならなくても、それはそれで構わない。
「お言葉に甘えて……あの、カラスムギを二升分、買っていただけませんか」
「カラスムギ……? いいですよ」
フェリックス様は不思議そうな顔をして、でも快諾してくれた。
私とフェリックス様は屋根付きの市場に足を踏み入れる。従者は馬の手綱を持って市場の外で待っている。
この市場では、穀物、豆類、野菜、果物などの食料品を扱う。穀物はすべて量り売り。私は目をつけている穀物屋に向かった。
穀物屋の前では私の前に何人か客がいて、麦の売り買いが行われていた。私はじっと目を凝らして売買の様子を観察し、自分の考えを改めて確認した。
穀物屋は枡を二つ持っていて、使い分けている。買い取る時に計量する枡と、売る時に計る枡の二つだ。枡は内側で底が斜めになっていて、片方の枡では見た目よりも量が多く、もう片方では少ない量が入るのではないかというのが、市場での公然の疑惑だった。
私が買い物をする順番が回って来て、私は麻袋を差し出して言った。
「カラスムギを」
「どれくらい?」
「二升分。この袋と、その袋に入っているのと、両方から買いたいの。その枡とその枡で測って、合わせて一緒に袋に入れてよ。お代はこの旦那が払うから」
私はぞんざいにフェリックス様の袖を引っ張る。急に話を振られて彼は少し戸惑ったようだ。が、すぐに愛想笑いを浮かべる。
本題はここだ。お客が買う用に、二つの枡を両方使って測れ。
穀物屋の主人は突然不機嫌になって私を恫喝した。
「なんだい……人の商品にケチをつける気か。信用ならねえんなら、何も無理して買うことはないんだ」
「ちょっとの面倒くらい、聞いてくれたっていいじゃないの。こっちはお得意様よ……」
店の主人に言い返してから、私は振り返ってフェリックス様のほうを見た。私はわざと大声で悪態をつき続けて、店主とは売り言葉に買い言葉で、騒ぎで人々の注目が集まる。
この状況でフェリックス様がどう出るか、私は彼を試した。フェリックス様は一瞬だけ私を見、商店の方に向き直った。
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