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003 I am a low angler-2
しおりを挟む――3分56秒後
・前回のあらすじ
なぜローマ字体で綴られた名前(例:LMiNA_etc)の中に大文字と小文字が混在しているのかという問題を誰も口にしないのか?
この現代の闇ともいえる大問題にメスを入れた編集者の青木だが理不尽で一方的な暴力を天月さとうに振るわれ、またしてもこの問題が世間に取り上げられることはなかった……
「あなたの犯した罪は許されることはないのかもしれない」
部屋に仁王立ちしている天月さとう。
床に倒れ今にも死んでしまいそうなボコボコになった青木にそういい放つ。
「……………………」
口から言葉は出ない。
受けたダメージを考えると話さないのではなく、話せないのだ。
仕方ないことだろう。床にマウントされた体勢から強烈な拳を数え切れないほど浴びせられたのだ。
彼は動けるはずはなかった。
グラップラー青木の顔は普段から面白い方なのだが、今日はさらに面白くなっていた。
これなら編集者を辞めても顔芸で食べていけるだろう。
やさしい女神のような心を持つ天月はそう考えていた。
まだ動くことができない。
公式な試合だったらここでドクターストップがかけられ闘いは終止符を打たれる。
だがここはリングではなく坂の上にある編集部なのだ。
つまり戦場(超ブラック企業)。
グラップラー青木を助ける者など誰もいなかった。
「けれどもそれは大した問題ではないと私は思っています」
青木の犯した【 i 】問題を発端とした天月の話は無慈悲に続く。
それはまるで真夏の日――長い休みに入る前、学校で行われる校長の話のように。
「…………」
やはり青木の口から言葉は何も出ない。
息をしているのかも判らない。
もしかしたら彼は死んでいるのかもしれない。
「我々に大事なことは過ちを認め前に進むことではないでしょうか」
この天月さとうの言葉。
もし青木がまだこの世に居たとしたら、魂からこう叫んでいたかもしれない。
『一方的に3分56秒も他人を殴り続けた人間にそのようなことをいわれても全く説得力がない!!!』
暴力からは何も生まれないのだから――
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