さとうと編集。

cancan

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Happy halloween set

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 「さとう先生……何をやってるんですか?」
 
 今は編集部に居る。

 「私はさとう先生という者ではない。この時期にだけ現れる正義の使者、ハロウィン仮面だ」

 「ははあ……もう十月も終わりに近づいてきましたしね。だから、黒いマントを着てカボチャをかぶっているわけだ」
 中年なのになぜか若手編集者の青木はアゴに右手をあてている。
 ハロウィンにかこつけて私がこの様な格好をしていると考えたのだろう。

 それにかまわず私は話を続けた。

 「お前には向かうべき二つの道がある――ひとつは天月さとうに連載を持たせる。もうひとつは坂の上にある編集部が入っているビルを破壊されて職を失う道だ」

 この黒いマントと大きな生のカボチャをノミで削りとって作ったこの仮面は私の怒りを現していた。

 「どっちに進んでも待っているのは地獄だな!!!」
 
 「……」

 「いいですか、さとう先生――ラノベ作家になるのに一番大切なことは何だと思います?」

 「運と勢い」
 正直一部を除いてどの作家の実力も小説の内容も似たようなものだろう。
 どんぐりの背比べだ。
 結局の所、どれを見ても達観している主人公がかわいい女の子にちやほやされる、そんな内容。
 しかもその女子の【Kwaii】を表現するのは挿絵を描いてくれる人であって、私がすることはあまりない。

 「確かに勢いも大事かもしれない。しかし一番大事なのはどんなにディすられても折れない鉄の心!」

 「Oh……アイアンハート」
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