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32話 ゴシン、除け者にされる
しおりを挟む俺たちは旅を続けた。旅は、ほぼ順調に進んだ。
俺たちは自分の足で旅をしている。まあ、駆け足程度だな。だが俺たちの駆け足だから、普通の馬車なんかよりずっと速い。
旅の間はこんな感じ。
朝おきて夕べの残りで朝飯を済ませ、道すがら昼と晩用の食材を取りつつ、(食用の野草や魔物や獣だな!)昼休憩で昼飯を食べつつ夕飯の仕込みをし、また夕飯まで走ったら多めに作った夕飯を皆で囲んで美味しく食べる。
寝るときは、モカにくっついて寝る。季節柄(今は春先だよ)少し肌寒いが、くっついてるので大丈夫だ。あと、ミサには眠りは必要無いらしい。なので野営中の見張りを御願いした。あと余談だが、虫除けの結界が張れるというので張ってもらってる。
変化が起きたのは、旅を始めて6日のことだった。ミサが俺に話しかけてきた。
「マスター、この街道から北東の方角約1キロの地点で人と魔物が戦闘しています。」
「ん?俺の探知外か・・魔物の種類ってわかる?」
「はい。ゴブリンジェネラルが率いる200匹程の群れのようです。ただ迎え撃っている冒険者が4人しかいません。ゴブリンの方はナイトやマジシャン等の上位種の存在も確認しました。確実に殲滅されるでしょう。」
「・・知ってしまった以上、見て見ぬふりはできないな。よし助太刀しにいくぞ。ミサ先行してくれ!」
「はい、マスター」
「なんてついてないんだー!!」俺は、ゴブリンから振り下ろされた錆び付いた剣を自身の剣で弾き返した。
「うるさいナオヤ!叫んでる暇があったら、さっさとゴブリンの頭数減らしなさいよ!」アヤが大盾で三匹から浴びせられる斬撃を器用にいなしていた。
「兄妹仲が良いのはいいけどマオに攻撃が行かない様にね~うちらの生命線だから~」こんな時でものんびり口調が変わらないユウヤが言う。
「「仲良くない!」」
「 [炎よ爆ぜて敵を焼け・・ファイヤボール] ・・みんな緊張感無さすぎ!今って絶体絶命なんだからね!」マオのファイヤボールが炸裂する。今ので5匹ぐらい逝ったか?
俺たち [ヤマトの剣撃] は冒険者ギルドから出ていた「西の森で複数のゴブリンの目撃情報があり、ゴブリンの生態調査を頼みたい」というクエストを受注して、ここ西の森へと来ていた。
だが蓋を開ければ、ゴブリンの群れが出来ていて、今まさに人間の領域に踏み込もうとしていた時だった!本来なら即戻ってギルドに報告なのだが、敵の斥候に先に見つかってしまい囲まれてしまったのだった。
「ほう・・けっこう善戦しているな。」
そう言って少し離れた場所から見ていた。B?いやCランクか?この数に攻め込まれているのに、まだ誰も諦めていない。いくらゴブリンとはいえ、4人にこの数は驚異だ。心が折れても不思議ではない。連携の取れた良いパーティーだ、助ける一択だな。
「モカ、ミサ、あいつらを助けるぞ!ゴブリンどもを殲滅する!」
[[わかったー!でも私とミサちゃんで十分行けるよーお父さんの分は残らないよ?ねっミサちゃん]]
「はい私達だけで十分だと思われます。マスターは冒険者達に説明をお願いします。」
「えーー、俺も殺る気満々だったのに・・わかったよ。説明する者も必要だな。今回は2人に任せたよ。程々にな。」
そう言って二手に分かれた俺たちだった。
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