33 / 90
33話 ナオヤ、ゴシン達と遭遇する
しおりを挟むナオヤくん視点です。
################
それは、突然現れた。
何度目になるのか、数え切れない程の剣撃の中、いきなり魔物達が吹き飛んだ。一瞬の静寂。俺たちも魔物達も何が起きたのか、理解するのに数秒かかった。
「大丈夫か?助太刀するよ。」
この静寂を作った者の言葉で、ようやく再起動した俺は、少し狼狽えながら、
「・・・誰だお前?」
俺は、この言葉を発するのが精一杯だった。
すると今度は、あちこちから魔法や剣撃による爆音が、辺りに響き渡った。
さらに狼狽えた俺たちに、
「この音は俺の仲間達の攻撃だ。安心しろ助けてやるから。」
安心しろと言っている間も、その男は、目で追うのもやっとという速さで周りのゴブリン達を狩っている。
それから20分程して爆音がやんだ。
「終わったみたいだな。モカ!ミサ!一旦帰ってこい!」
モカとミサというのが仲間達の名前なのだろう。だが2人しか名前を呼んでない・・2人であの数を倒したっていうのか?ありえんだろ。てっきり数十人規模の冒険者達を引き連れてきていると思ってた。
「マスター、殲滅が完了しました。ご命令が殲滅でしたので魔石等のはぎ取りはいたしておりません。」
「了解だ、ご苦労様。あらためて紹介するよ。俺はゴシン。こっちの茶色いのがモカ、メイド服着てるのがミサだ。オカタカからヤマトに向かっている途中であんた達を見つけてな。数が数だったんで、了解も待たずに参戦してしまった。魔石なんかはあんた達に譲るんで勘弁してくれ。」
「・・いや助太刀してもらって助かったよ。俺たちはヤマトを拠点に活動しているCランクパーティー [ヤマトの剣撃] だ。俺たちもこんな大人数と戦闘するきはなかったんだが・・、探索のクエスト中に出会い頭で遭遇してしまってな。あのままだったら全滅していただろう・・だから謝らないでくれ。」
「そう言ってもらえるならよかった。それじゃ俺たちは行くよ。またヤマトで会うかもな。」
その言葉にアヤ、ユウヤ、マオ、から声が上がる。
「ちょ、ちょっと待ってよ!魔石とかどうすんのよ!?ほとんど貴方たちが倒してるのに!」
「そうだよねー。数が多いからはぎ取りだけでもひと苦労だし、魔石の売却益も相当な金額になるだろうしね。」
「うん。めぐんで貰うようで、寝覚めが悪い。」
「ウチのものもこう言ってるし、はぎ取りして一緒に街に行かないか?ヤマトは初めてなんだろ?いろいろ案内するよ。どうかな?」
俺の提案に少し考えていたようだが、
「・・・その提案、受けさせてもらおう。宜しく頼む。それじゃはぎ取りしてくるよ。モカ、ミサ、聞いていたな?ゴブリン達の魔石の回収だ。いくぞ。」
こうして俺たちは、こののち長い付き合いになるゴシン達との初遭遇を果たした。
1
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、すれ違いの末に離れ離れになった夫婦の物語。
再会したとき、二人が選ぶのは「離婚」か、それとも「再構築」か。
妻を一途に想い続ける夫と、
その想いを一ミリも知らない妻。
――攻防戦の幕が、いま上がる。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる