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67話 ゴシン、世界樹と対話する
しおりを挟むこんな人里近い森の中で、世界樹に出会ってしまった。
さっき迄の話の流れでは、2千年ここに生えてたらしいけど、ヤマトを始めオカタカでも世界樹の話など上がった事はない。
「しかし、こんな人里に近い所に世界樹があるだなんて、聞いたこともないんだけど・・」
「・・それは、逆よ・・人里が世界樹の近くに出来たの・・2千年前にはあんなところに街は無かった・・・街が出来てからは、見つからない様に隠遁と植物魔法で結界を作って近づけられない様にしていたし・・」
なるほど、こっちが後から来たのか。
「仲間になったんだし、とりあえず安心してくれ。君らの事は外には漏らさないし、サポートが要る様なら全力で答えよう。」
「ありがとう・・・・・えっ・・うんわかった・・・ゴシンこっちに来て・・この子が・・世界樹が話たがってる・・」
「?話したがってる?俺みたいな只の人と話せるのか?」
「・・大丈夫・・今は私が仲介する・・一度世界樹とつながれば、次からは私を仲介しないでもつながれるから・・」
促されるまま、世界樹に近づいていく。
世界樹は苗木と言っても樹齢2千年を数える大木だ。直径も10mは下るまい。
俺は世界樹と「会話」するべくその幹に手を置いた。
[[ゴシン、私と共存を選んでくれてありがとう。あなたに感謝します。ゴシン、私と彼女に名前を付けてもらえませんか?2千年の間、二人だけだったもので、名前は必要なかったんだけど・・あなたがたと会ったんです。名前が欲しくなりました。いつまでも貴方がたに、世界樹、ドライアドと呼ばれるのは、味気ないですからね。]]
名前って・・ずいぶん俗物的な木だな・・しかし世界樹に名前か・・俺なんかがつけて良いものだろうか?
世界樹からは期待に満ちた気配がする・・・・・・うん・・決めた・・・
「千年単位で立ち続ける木ということで・・仙樹
その木にしげる万の葉で・・万葉・・ってのはどうだ。」
[[仙樹に万葉・・ありがとう。私は気に入りました。あなたはどう?]]
「万葉・・ありがとう。初めての名前よ・・嬉しいわ・・」
[[私も嬉しいわ。ゴシン良い名をありがとう。・・これはお礼よ、受け取って。]]
そう言った途端、仙樹が激しく揺れだし無数の葉が舞散った!
けれど、その舞い散った葉は渦を巻いたかと思ったら俺の前に綺麗に積み重なった。
[[私の若葉は貴重なポーションの材料になるのでしょう?どうぞ使って頂戴。あとはこれね・・]]
ピキッっと甲高い音がしたかと思うと、大ぶりの枝が一本、俺の前にゆっくりと落ちてきた。
[[私の枝よ。使ってやってね。それで杖を作れば、魔法の威力がさらに上がるわよ]]
「おいおい!もらいすぎだよ!!名前付けただけなのに。」
[[いいのよーもらってやってよ、て言うかもう切り離しちゃったから戻せないしーそれだけ嬉しかったんだから。]]
んー万葉以外とコミュニケーションを取っていなかった反動か、最初とテンションが違ってきてないか?近所のおばさんのノリが入ってきてるような・・
[[?んっ?ゴシン失礼なこと考えてない?]]
「?んっ?いや気のせいだろ?じゃあそこまで言うなら、遠慮なく貰うよありがとな。」
と、ごまかしつつ、世界樹の葉・数百枚と、世界樹の枝、そして仙樹と万葉との信頼関係を手に入れた。
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