ついに私も異世界転生!?

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「えええええ!?」
思わず鏡を手で掴み顔を近づける。

「な、なにこれ…」
あまりの驚きに言葉が出てこない。
鏡を見るとそこにはいつもの見慣れた自分の顔では無かったのだ。

桃色の腰まで伸びた長い髪は毛先が少しカールしており、サラサラとなびいている。
まつ毛は長くふさふさとしており化粧っ気はないが、しっかり上を向いている。
肌は真珠のように白く、チェリーのようにぷりっとした唇との対比がまぶしい。
瞳はサファイアブルーのように深い青がどこまでも澄んでいる。パチパチとまばたきするたびに吸い込まれそうだ。

(すっごい、美人…)

目の前の姿が自分とは信じられずに顔や体を何度触ってみても、目の前の姿を信じるしかないようだ。

そうこうしていると部屋の扉が開いた。

「ニーナ、お医者さん来たわよ」
「目が覚めたようだね。調子はどう?」
彼女に連れられてきた医者という男性は意外と私の知ってる医者らしかった。
白衣ではないが、薄手のコートのようなものに身を包みカルテと思われる紙にメモしている。

「ニーナ、君は掃除中に階段から転んで頭を打って2日くらい目を覚さなかったんだよ。覚えてるかい?」
医者からの言葉に思わず驚く。

「2日!?」
仕事が忙しすぎてなかなか寝れない日が続いた時は休みの日に丸1日寝ていたことはあるが、2日は初めてだ。
「うーん、すみません。あまり覚えてなくて、記憶がごちゃごちゃしてるのかな。」

私の言葉に医者と側にいた女性は顔を見合わせる。
「そうかい、おそらく一時的な記憶障害だろうね。」
そう言って医者は私に色々と説明してくれた。

今の私はという17歳の少女らしい。さっきからずっと心配そうに私を見つめている女性は私の姉でマリア・ブラウンという。姉妹二人でこの家で生活をしているらしい。
私に説明してくれたドクターはファウロ医師という。この村きっての名医だそうだ。
そして、ここはミンシア王国の北に位置する地域だという。聞いたことのない国名に驚いた私は、アメリカやフランスなどの国を挙げてみたがマリアもファウロさんも知らないそうだ。

(うーん、これは…あれか?最近流行りの異世界転生ってやつ?)

二人の説明を一通り聞いて私が行きついた結果はどう考えても異世界に転生しているということだ。
元の世界に戻りようがない今、とりあえずこの世界で生きていくしかないと考えた私は自分の状況を受け入れることにした。

「ねえ、ニーナ。本当に大丈夫?もっと大きな町のお医者さんに診てもらったほうがいいんじゃない?」
黙り込んでいた私をマリアが不思議そうに見つめている。
「あ、ああ!大丈夫よ。少し記憶が飛んでいるみたいだけど問題ないわ。」
私の返事にマリアはほっとしているようだった。

「ファウロさんももう大丈夫です。あとは自分で何とかなりますから。」
「そうかい?じゃあ僕は帰るけど何かあればすぐに連絡してくれ。」

そう言って私とマリアはファウロさんを見送った。




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