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俺は燃え尽きた。
今日は店の近くの神社でお祭りがあり、その影響で朝から忙しかった。
シフトでは17時上がりだったが、田島さんに頼まれて2時間残業した。
お陰で10時間勤務の11時間拘束。
19時過ぎの今、着替えもままならずに、休憩室の椅子にもたれている。
周囲では学生達が賑やかに談笑している。
焦点を合わせず、ボーッと視界をぼやかしながら身体を休めていると、いつの間にか園田が向かいの椅子に座っていた。
疲れている俺に気を遣っているのか、園田は話しかけてくることなく、一人の時間を過ごしている。
無邪気で人懐っこい癖に、しっかり空気を読んで引くところは引く感じ。
本当によく出来た奴だ。
園田は缶ジュースを飲みながら熱心に何かを見ていた。
何となく目線を辿ると、汐ちゃんとユナちゃんが楽しそうにイチャついているではないか。
何やら胸を揉み合って、柔らかい。とか、大きい。とか言ってキャッキャしている。
何あの世界。
「混ざりてぇ…。」
俺は声に出していた。
園田が振り向き、ニヤニヤしながら弄ってくる。
「高橋さん~。いやらしい~。」
「お前の心の声を代弁してやったんだよ。」
こちらもニヤつきながら返した。
園田は頬を赤らめ「混ざるなんてとんでもない。童貞には刺激がキツいっす。」とはにかんだ。
暫く二人で無言のままに、巨乳美少女二人のちちくりあいを出歯亀する。
「あ、そういえば、」
突然何かを思い出し園田が話を振ってきた。
「高橋さんの彼女さん、どの人ですか?」
ゴソゴソとポケットからスマホを取り出し、何かしらをスクロールした後、画面を俺の方へ向ける。
そのスマホは、俺の通う大学の有志が作った、ミスコンのホームページを閲覧している状態になっていた。
1~6の番号を振られた女の子達の顔写真が並んでいる。
「エントリーNo.5」の文字の下に美玲の画像もあり、食道の辺りがグッと詰まった。
「どの人も綺麗っすけど、どの人っすか?」
園田はワクワクした感じで、俺の方に向けている画面を一度チラッと覗き込み、期待に満ちた顔でこちらを見てきた。
別れられてスッキリしているはずなのに、改めて画像を見せられると、罪悪感や後暗さで重い気持ちになる。
直視出来ず、スマホから目を背けてしまう。
「彼女は…いない…。」
ぶっきらぼうに答える。
「え?辞退したとかっすか?何かあったんすか?」
「いや…。」
先日の美玲との一件を思い出し、胸がザワつく。
「元カノなら5番にいる。」
「元カノ?…え?」
園田はスマホを自分の方に戻し、美玲の顔を確認し、「…5番…。ぅわ、美人…。」と呟いた。
そして慌てたように「いやいや、違くて。え?別れたんすか?え?え?」と固まった。
暫く言葉に詰まった後、気まづそうにゆっくりとした動作でスマホを仕舞い、フーッとため息を吐く。
「何があったんすか?…とか聞かない方が良いのか…。あの、なんて言うか、ドンマイっす。」
俺が振られたと決めつけて、園田はニカッと気持ちいい笑顔で慰めてくる。
「そりゃどうも。」
説明するのも面倒くさくて、受け取っておくことにした。
はーっと息を吐き、園田は伸びをしながら再度汐ちゃん達を見つめる。
そしてこちらを見ないままボソッと呟いた。
「じゃあ、前に言っていたことが実現しちゃう可能性が出てきたってことっすね…。」
「ん?」
「高橋さんが汐さんと仲良くなっちゃうって話っすよ。前に言ってた誤解も最近は解けてそうだし。」
そういえばそんなことを言っていた。
あの時は、汐ちゃんと真面に話して貰える関係になれるとはとても思えず、完全に冗談として言っていたのだが。
「そうだな。今は普通に話せるようになれたな。」
俺も釣られて汐ちゃん達を眺める。
「高橋さんがライバルか…。きちぃー。」
「はあ?俺のはそんなんじゃねぇよ。」
笑って否定する。
コイツは一花への気持ちを知らないから、見当違いに勘ぐっているんだろう。
「俺、好きな人いるから。片思いだけどな。」
「え?そうなんすか?じゃあ、別れた理由って…。」
「…おう。」
園田は「そっか…。」と言い、自分の手元を見て何事か考え出した。
「高橋さんレベルでも片思いとかするんすね。」
「ぶはっ。お前、俺を何だと思ってんの?」
思わず吹き出す。
コイツが俺を常々過大評価してくれているとは感じていたが、まさか片思いをしないとまで思われていたとはな。
「俺この前、俺なんかより高次元の、非の打ち所が全く無いめちゃくちゃイケメンエリートが格好悪く失恋したの見たぜ。どんな奴でも片思いも失恋もするわな。」
一花の元彼を思い出す。
あの元彼は俺の今まで知り合った誰よりも格好良かった。
学生なのにあれだけスーツを着こなして、多分良い所から内定も貰っていることだろう。
それでも欲しいものが欲しい時に必ず手に入る訳ではないんだ。
まあ、あの元彼の場合完璧なのは見てくれだけで、人間性はクソ以下だったから、「非の打ち所が全く無い」とは言えないのかもしれないが。
「何でも持っていて、何でも叶えてきたみたいな奴がさ、一人の女に気持ち悪く執着してて驚いたんだよな…。」
「ああ…。」
園田は思い当たる節があるように零し、「その人は『欲しい』時期を逃して『欲しかった』になっちゃったんすね…。」と続けた。
高校生とは思えない、何か達観したような表情の園田の横顔を見る。
「欲しかった?」
何となくわかるような、全くわからないような気持ちで聞き返す。
「『欲しかった』は呪いですからね。」
園田はまた自分の手元を見た。
「俺ね。野球の為に子供の時に我慢してたゲームや玩具を、今になってバイト代で集めてるんすよ。でもね、今現在『欲しい』物って、手に入れた後も嬉しくて楽しくてって大切に出来るんすけど、昔『欲しかった』物を今手に入れるとね、あれ、こんなもんか?って感じなんです。それを何回か繰り返して、『欲しかった』になってしまった物を買うのは辞めようって『欲しい』物だけ買うようにしようって思うようになったんす。なのに、どうしても『欲しかった』物を目の前にすると買っちゃうんす。『欲しかった』ことすら忘れていた物でも、目の前にすると急に今でも物凄く『欲しい』気になっちゃって。そんで、買った後でやっぱこんなもんじゃんって後悔するんすよ。うーん。伝わってます?」
「…なんとなく。」
俺の返答に安心したように園田は続きを話し始める。
「俺みたいに対象が物だったら買って確かめられるけど、人ってどうしたって手に入らないことの方が多いじゃないすか?手に入らない間ずっと『欲しかった』の呪いで今も『欲しい』気になって執着だけがどんどん大きくなるんすよ。多分。」
「ほう…。」
感心して言葉が出なかった。
本当に高校生の発言なのだろうか。
園田は俺の話に出てきた一花の元彼について言っている筈なのに、まるで俺が指摘されている気分になる。
「言うて、俺童貞だし。恋愛に関しては『欲しかった』ばっかりなので偉そうなこと言えないっすけどね。」
玩具で例えているけど、本当は野球とかもっと他にも色々と、執着を手放さなければならない経験をしてきたんだろうな。
「お前、しっかりしてるな。」
そんな簡単な褒め言葉しか出てこないけど、心から感心している。
そして、4歳も年下なのに先生と呼びたいくらい尊敬している。
「だから、高橋さんも『欲しい』物があるなら、『欲しかった』になる前に頑張った方が良いっす。」
力強く言うと、園田は真っ直ぐに見てくる。
「『欲しかった』に惑わされて、『欲しい』を見失ったらダメっすよ。」
胸が痛い。
一花は俺の『欲しい』なのだろうか。
もしかして、もうとっくに『欲しかった』になってしまってはいないだろうか。
でも、だとしたら、今『欲しい』のは…?
そう自問自答していると、いつの間にか園田が立ち上がり自販機の前に立っている。
「俺、良いこと言ったっぽくないすか?」
スポーツ少年特有のよく通る声で言う。
「ジュース奢って下さい。」
「ぶはっ。何だよそれ。」
俺はまた吹き出した。
ポケットの小銭を確認しながら俺も自販機に向かう。
そして自販機まで到着した俺にしか聞こえない声で園田が囁く。
「『欲しい』物が被っても、結果がどうでも、高橋さんは好きな先輩っす。」
驚き見つめる俺に、またスポーツ少年の声量で言う。
「ゴチになりやす!」
今日は店の近くの神社でお祭りがあり、その影響で朝から忙しかった。
シフトでは17時上がりだったが、田島さんに頼まれて2時間残業した。
お陰で10時間勤務の11時間拘束。
19時過ぎの今、着替えもままならずに、休憩室の椅子にもたれている。
周囲では学生達が賑やかに談笑している。
焦点を合わせず、ボーッと視界をぼやかしながら身体を休めていると、いつの間にか園田が向かいの椅子に座っていた。
疲れている俺に気を遣っているのか、園田は話しかけてくることなく、一人の時間を過ごしている。
無邪気で人懐っこい癖に、しっかり空気を読んで引くところは引く感じ。
本当によく出来た奴だ。
園田は缶ジュースを飲みながら熱心に何かを見ていた。
何となく目線を辿ると、汐ちゃんとユナちゃんが楽しそうにイチャついているではないか。
何やら胸を揉み合って、柔らかい。とか、大きい。とか言ってキャッキャしている。
何あの世界。
「混ざりてぇ…。」
俺は声に出していた。
園田が振り向き、ニヤニヤしながら弄ってくる。
「高橋さん~。いやらしい~。」
「お前の心の声を代弁してやったんだよ。」
こちらもニヤつきながら返した。
園田は頬を赤らめ「混ざるなんてとんでもない。童貞には刺激がキツいっす。」とはにかんだ。
暫く二人で無言のままに、巨乳美少女二人のちちくりあいを出歯亀する。
「あ、そういえば、」
突然何かを思い出し園田が話を振ってきた。
「高橋さんの彼女さん、どの人ですか?」
ゴソゴソとポケットからスマホを取り出し、何かしらをスクロールした後、画面を俺の方へ向ける。
そのスマホは、俺の通う大学の有志が作った、ミスコンのホームページを閲覧している状態になっていた。
1~6の番号を振られた女の子達の顔写真が並んでいる。
「エントリーNo.5」の文字の下に美玲の画像もあり、食道の辺りがグッと詰まった。
「どの人も綺麗っすけど、どの人っすか?」
園田はワクワクした感じで、俺の方に向けている画面を一度チラッと覗き込み、期待に満ちた顔でこちらを見てきた。
別れられてスッキリしているはずなのに、改めて画像を見せられると、罪悪感や後暗さで重い気持ちになる。
直視出来ず、スマホから目を背けてしまう。
「彼女は…いない…。」
ぶっきらぼうに答える。
「え?辞退したとかっすか?何かあったんすか?」
「いや…。」
先日の美玲との一件を思い出し、胸がザワつく。
「元カノなら5番にいる。」
「元カノ?…え?」
園田はスマホを自分の方に戻し、美玲の顔を確認し、「…5番…。ぅわ、美人…。」と呟いた。
そして慌てたように「いやいや、違くて。え?別れたんすか?え?え?」と固まった。
暫く言葉に詰まった後、気まづそうにゆっくりとした動作でスマホを仕舞い、フーッとため息を吐く。
「何があったんすか?…とか聞かない方が良いのか…。あの、なんて言うか、ドンマイっす。」
俺が振られたと決めつけて、園田はニカッと気持ちいい笑顔で慰めてくる。
「そりゃどうも。」
説明するのも面倒くさくて、受け取っておくことにした。
はーっと息を吐き、園田は伸びをしながら再度汐ちゃん達を見つめる。
そしてこちらを見ないままボソッと呟いた。
「じゃあ、前に言っていたことが実現しちゃう可能性が出てきたってことっすね…。」
「ん?」
「高橋さんが汐さんと仲良くなっちゃうって話っすよ。前に言ってた誤解も最近は解けてそうだし。」
そういえばそんなことを言っていた。
あの時は、汐ちゃんと真面に話して貰える関係になれるとはとても思えず、完全に冗談として言っていたのだが。
「そうだな。今は普通に話せるようになれたな。」
俺も釣られて汐ちゃん達を眺める。
「高橋さんがライバルか…。きちぃー。」
「はあ?俺のはそんなんじゃねぇよ。」
笑って否定する。
コイツは一花への気持ちを知らないから、見当違いに勘ぐっているんだろう。
「俺、好きな人いるから。片思いだけどな。」
「え?そうなんすか?じゃあ、別れた理由って…。」
「…おう。」
園田は「そっか…。」と言い、自分の手元を見て何事か考え出した。
「高橋さんレベルでも片思いとかするんすね。」
「ぶはっ。お前、俺を何だと思ってんの?」
思わず吹き出す。
コイツが俺を常々過大評価してくれているとは感じていたが、まさか片思いをしないとまで思われていたとはな。
「俺この前、俺なんかより高次元の、非の打ち所が全く無いめちゃくちゃイケメンエリートが格好悪く失恋したの見たぜ。どんな奴でも片思いも失恋もするわな。」
一花の元彼を思い出す。
あの元彼は俺の今まで知り合った誰よりも格好良かった。
学生なのにあれだけスーツを着こなして、多分良い所から内定も貰っていることだろう。
それでも欲しいものが欲しい時に必ず手に入る訳ではないんだ。
まあ、あの元彼の場合完璧なのは見てくれだけで、人間性はクソ以下だったから、「非の打ち所が全く無い」とは言えないのかもしれないが。
「何でも持っていて、何でも叶えてきたみたいな奴がさ、一人の女に気持ち悪く執着してて驚いたんだよな…。」
「ああ…。」
園田は思い当たる節があるように零し、「その人は『欲しい』時期を逃して『欲しかった』になっちゃったんすね…。」と続けた。
高校生とは思えない、何か達観したような表情の園田の横顔を見る。
「欲しかった?」
何となくわかるような、全くわからないような気持ちで聞き返す。
「『欲しかった』は呪いですからね。」
園田はまた自分の手元を見た。
「俺ね。野球の為に子供の時に我慢してたゲームや玩具を、今になってバイト代で集めてるんすよ。でもね、今現在『欲しい』物って、手に入れた後も嬉しくて楽しくてって大切に出来るんすけど、昔『欲しかった』物を今手に入れるとね、あれ、こんなもんか?って感じなんです。それを何回か繰り返して、『欲しかった』になってしまった物を買うのは辞めようって『欲しい』物だけ買うようにしようって思うようになったんす。なのに、どうしても『欲しかった』物を目の前にすると買っちゃうんす。『欲しかった』ことすら忘れていた物でも、目の前にすると急に今でも物凄く『欲しい』気になっちゃって。そんで、買った後でやっぱこんなもんじゃんって後悔するんすよ。うーん。伝わってます?」
「…なんとなく。」
俺の返答に安心したように園田は続きを話し始める。
「俺みたいに対象が物だったら買って確かめられるけど、人ってどうしたって手に入らないことの方が多いじゃないすか?手に入らない間ずっと『欲しかった』の呪いで今も『欲しい』気になって執着だけがどんどん大きくなるんすよ。多分。」
「ほう…。」
感心して言葉が出なかった。
本当に高校生の発言なのだろうか。
園田は俺の話に出てきた一花の元彼について言っている筈なのに、まるで俺が指摘されている気分になる。
「言うて、俺童貞だし。恋愛に関しては『欲しかった』ばっかりなので偉そうなこと言えないっすけどね。」
玩具で例えているけど、本当は野球とかもっと他にも色々と、執着を手放さなければならない経験をしてきたんだろうな。
「お前、しっかりしてるな。」
そんな簡単な褒め言葉しか出てこないけど、心から感心している。
そして、4歳も年下なのに先生と呼びたいくらい尊敬している。
「だから、高橋さんも『欲しい』物があるなら、『欲しかった』になる前に頑張った方が良いっす。」
力強く言うと、園田は真っ直ぐに見てくる。
「『欲しかった』に惑わされて、『欲しい』を見失ったらダメっすよ。」
胸が痛い。
一花は俺の『欲しい』なのだろうか。
もしかして、もうとっくに『欲しかった』になってしまってはいないだろうか。
でも、だとしたら、今『欲しい』のは…?
そう自問自答していると、いつの間にか園田が立ち上がり自販機の前に立っている。
「俺、良いこと言ったっぽくないすか?」
スポーツ少年特有のよく通る声で言う。
「ジュース奢って下さい。」
「ぶはっ。何だよそれ。」
俺はまた吹き出した。
ポケットの小銭を確認しながら俺も自販機に向かう。
そして自販機まで到着した俺にしか聞こえない声で園田が囁く。
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