1 / 38
若き韶徳君の夢(上)
しおりを挟む
秋の足音流るる平安京。
今を時めく四辻内大臣殿の甥に、韶徳の君という少年がいる。風香中納言殿の子息で、十五歳になったばかりだった。諱を周雅という。
周雅はその姿の美しさで有名であったが、またその性質も温厚で、若年ながら雅びを愛する風流人だ。殊に音楽の才能に恵まれており、僅か十五歳ながら、琴の琴(きんのこと)の名手として、名をなしていた。
すでに琴灌頂を授けられているという。
とはいえ、その師匠は相変わらず厳しく、灌頂を授けた後でも、稽古の度に怒鳴り散らしていた。世に名高い周雅を怒鳴るくらいだから、余程の才人なのである。
政任という。若くして四位にまで昇りながら、琴道を極めるあまり、朝廷に出仕せず、罷免されたという厄介な男である。才能さえあれば、琴さえあればそれで良いという偏屈さ故に、変人との聞こえあり。
周雅は今日もこの変人師匠の稽古に出掛けるわけであるが、また怒鳴られると思うと、すでに萎縮している。周雅は絶えず、師匠を恐れ、琴道に悩まされて、少食であった。痛む胃の腑と戦いながら、牛車に揺られて行く。
この世の全ての人が周雅を天才と言うが、本人は絶えず琴道に苦しみ、喘いでいた。一芸を極める人ならではである。凡夫匹夫には想像だにつかない。
さて、緊張のあまり牛車に酔って、涙を滲ませながら、歯を食いしばって堪えているうちに、師の政任の屋敷に着いた。人の住処とは思えない凄まじさである。
それでも一応、門の残骸らしきものはある。蔦に乗っ取られて形も覚束ないそれの前に、牛飼いは車を停めた。たいていの貴族の邸には車宿りがある。普通はそこまで主人を乗せて行くものだが、この牛飼いはいつもここで停車した。
「車宿りまでたどり着けません。だいたい車宿りなんて、この雑木林にはあるのですか?」
雑木林とはひどい言い様であるが、事実、庭は草木に覆われ、車を入れることもできない。
周雅は車から出て、門の中に一人で入った。ここまで沢山の供がついて来ていたが、誰も中には入ってこない。物の怪の住処だと言って、皆恐れて、入りたがらないのだ。
確かに人気なく、草木が茂り、建物は朽ち果てているので、気味が悪いどころの話ではない。だから、周雅に誰もついていってあげないのだ。
もっとも、周雅がこれまでこの屋敷で物の怪に出会ったことはないが。
(物の怪も吹き飛ばす我が師の凄まじさよ)
さすがは変人政任。物の怪も鬼も寄り付かないほどの変人ぶりである。鬼も幽霊も、やはり儚げだったり、病んでいる人を好む。人が嫌う者は、人でないものにも魅惑的ではないのだろう。できれば関わりたくない御仁。物の怪でもそう思う政任なのだ。
周雅は慣れたもので、中へ入ると、倒木が立木に斜めにしなだれかかっている隙間をぬって、歩いて行く。女郎花が盛りで、おどろおどろしい空間に色を添えていた。
「や、これは若君」
しばらく進んだところで、珍しく声をかけられた。草の間から声のした方を垣間見れば、この家の家司である。
人間嫌いな政任は、家人も寄せ付けない。政任のいる寝殿には、誰も近寄ることが許されていなかった。周雅がこの屋敷に通うようになって久しいが、滅多に家人を見かけることはない。
「今日は先客がおわします。まだ稽古が終わりませぬようで、しばらくあなたでお待ち下さい」
家司が草の御簾越しに頭を下げた。
周雅は今日、稽古の約束をしている。約束の時間になったのに、まだ先客が帰らず留まっているので、周雅を控えの間に連れて行くため、家司がここで待っていたらしい。
「私以外にも今日は、稽古が入っていたのですか。広仲の君ですか?」
周雅は家司に兄弟子の名を言った。
政任は滅多に弟子を取らない。現在までに弟子は七人しかいなかった。そのうち、周雅が会ったことがあるのは二人だ。他の古い弟子たちは既に亡くなったりしているので、知らない。
周雅が知っているのは、その広仲と伊賀守だけであった。伊賀守は最近、任国の伊賀に行ってしまったので、今、都にいる兄弟子は広仲だけなのである。
「いいえ、本日稽古にお越しなのは姫君です」
「姫君?」
周雅は頗る意外に思った。
姫君とは最近、政任に弟子入りを許された清花の姫君のことである。まだ十歳にも満たない幼い姫君だが、あの師匠も仙女と呼ぶほど、特別な才能に恵まれた美少女だ。
周雅も多少親戚関係にあるが、貴族はだいたいどこの家とも親戚になっているものだ。ただ、姫君の兄君と周雅とは、親しい友人であった。
政任は自分の練習を毎日欠かさない。だから、弟子の稽古のある日は、自分の練習時間が減ってしまう。それが理由で、稽古の日はいつも不機嫌である。だから、基本的に、稽古は一日に一人だけしかしない。二人も稽古したら、その日は自分の練習がほとんどできなくなってしまうからだ。
だが、今日は周雅の他にも稽古が入っている。これは珍しいことであった。ただ、過去にも何度かそういうことはあった。
そうした機会に、周雅も兄弟子二人の演奏を漏れ聴くことができた。しかし、比較的最近入門した清花の姫君の稽古には、まだ出会したことがなかった。
いや、姫君の方は実は何度か周雅の稽古を耳にしたことはあったのだが。周雅はまだなかった。
家司が藪から顔を出してきた。
「さ、こちらへ。しばらくお待ち下さい」
家司が先に立って、東の渡殿へ案内して行く。
昔、東の渡殿の傍らには泉殿があったらしい。今は水も流れていないが、もともと湿り気のある所らしく、渡殿の方までひんやりしている。真夏はこの襤褸屋敷の中で、一番過ごしやすい所だろう。
ただ、その湿気が災いして、柱は腐り、渡殿は傾きかけている。床板には苔がびっしり生えていた。いずれ泉殿のように朽ち果て、土に還るに違いない。
家司は円座だけ新しい物を持ってきて、苔の床に敷き、周雅に勧めた。周雅が礼を述べて座ると、すぐに去って行く。
「御身の番になりましたら、きっと主がお呼び致しましょう」
と、何とも不真面目なことを言って──。
周雅が所在なく一人で座っていると、一陣の風がそこの女郎花を吹き倒して行った。瞬間、琴韻が聴こえた。
琴の音は他の楽器に比べると、遥かに小さいが、確かに周雅の耳に届いた。
稽古は寝殿の中の奥、幾重にも屏風や几帳で囲まれた中で行われている。渡殿からはけっこうな距離がある。
音の小さな琴だ。周雅のところにまで聴こえてくるのは、並の技量ではない。
(確かに師の君の琴だ)
周雅は耳に届くそれが、師の政任のものであると確認した。どうやら、手本を弾いているらしい。『胡笳明君別五弄』の四曲目、「奔雲」である。
相変わらず政任の弾く琴は素晴らしい。感心していると、直後、別な琴の音が響いてきた。
(これは!なんだろう、胸がざわつく!)
もの悲しく、周雅の胸はかき乱された。だが、どこか神聖な音色でもあり、不思議だ。初めて味わう寂寥感。
この屋敷の景色がそのまま、辺境の荒涼とした風景と重なった。
また一陣の風が吹く。さわと何かが耳に触れた。
周雅は思わず耳に手をやった。湿った人の息が吹きかけられたような──。
(物の怪か?)
ここに来て初めて、異様な存在を感じた。
恐ろしくて目を瞑ってしまう。瞬間、風は止んで、また『胡笳明君別五弄』の「奔雲」が聴こえてきた。
(ああ、悲しいのに、何故……)
透明過ぎて、清過ぎて、それが悲しい。異界の空気。
周雅がそっと目を開けると、寝殿を大きな目が包んでいるように見えた。
(まさか!)
思わず立ち上がると、ふっとそれは消えた。しかし、消えると同時に、周雅は不思議な幻想に誘われた。
寂寥としたというよりは、むしろ鬱蒼と草が茂るこの庭に、異界の神聖な物が見えたのだ。
(崑崙山?蓬莱山?)
徐福だろうか。玉を集める仙人が見えた。
また風が吹き。その玉を転がして──。
玉は玲瓏ころころと、下から上へと転がり登って行く。岩の上へと──。
岩の上には十絃の琴が。ふっと跳ね上がって空中に遊ぶと、玉は十絃琴の上に落ちて、そのまま琴中に吸い込まれて消えた。
ふっ。
気が付くと、もとの政任宅に戻っていた。『胡笳明君別五弄』がなおもの悲しく寝殿の中から聴こえてくる。
(何だったのか、今のは)
まるで白昼夢。周雅は一瞬、異界を見たのだ、この庭の中で。
(蓬莱山の玉を拾う徐福。その玉を宿す琴。それも十絃の。あやしや)
琴の絃数は七と決まっている。琴の起源は伏羲だが、初めは五絃だった。殷周革命の頃から七絃になったという。
ただ、殷の時代には、十絃のものが演奏されていたこともあったという。
(あれは殷の秘琴だったのか?)
周雅の頭はなおまだ先程の幻想を引き摺ったままだ。
彼にそのような不思議な体験をさせた清花の姫君の弾く琴。いったい幼い姫君の技量とは、どれほどのものなのだろうか。
天の理をも動かしてしまうほどの──。どうやら清花の姫君とは、そういう次元の違う天才らしい。
今を時めく四辻内大臣殿の甥に、韶徳の君という少年がいる。風香中納言殿の子息で、十五歳になったばかりだった。諱を周雅という。
周雅はその姿の美しさで有名であったが、またその性質も温厚で、若年ながら雅びを愛する風流人だ。殊に音楽の才能に恵まれており、僅か十五歳ながら、琴の琴(きんのこと)の名手として、名をなしていた。
すでに琴灌頂を授けられているという。
とはいえ、その師匠は相変わらず厳しく、灌頂を授けた後でも、稽古の度に怒鳴り散らしていた。世に名高い周雅を怒鳴るくらいだから、余程の才人なのである。
政任という。若くして四位にまで昇りながら、琴道を極めるあまり、朝廷に出仕せず、罷免されたという厄介な男である。才能さえあれば、琴さえあればそれで良いという偏屈さ故に、変人との聞こえあり。
周雅は今日もこの変人師匠の稽古に出掛けるわけであるが、また怒鳴られると思うと、すでに萎縮している。周雅は絶えず、師匠を恐れ、琴道に悩まされて、少食であった。痛む胃の腑と戦いながら、牛車に揺られて行く。
この世の全ての人が周雅を天才と言うが、本人は絶えず琴道に苦しみ、喘いでいた。一芸を極める人ならではである。凡夫匹夫には想像だにつかない。
さて、緊張のあまり牛車に酔って、涙を滲ませながら、歯を食いしばって堪えているうちに、師の政任の屋敷に着いた。人の住処とは思えない凄まじさである。
それでも一応、門の残骸らしきものはある。蔦に乗っ取られて形も覚束ないそれの前に、牛飼いは車を停めた。たいていの貴族の邸には車宿りがある。普通はそこまで主人を乗せて行くものだが、この牛飼いはいつもここで停車した。
「車宿りまでたどり着けません。だいたい車宿りなんて、この雑木林にはあるのですか?」
雑木林とはひどい言い様であるが、事実、庭は草木に覆われ、車を入れることもできない。
周雅は車から出て、門の中に一人で入った。ここまで沢山の供がついて来ていたが、誰も中には入ってこない。物の怪の住処だと言って、皆恐れて、入りたがらないのだ。
確かに人気なく、草木が茂り、建物は朽ち果てているので、気味が悪いどころの話ではない。だから、周雅に誰もついていってあげないのだ。
もっとも、周雅がこれまでこの屋敷で物の怪に出会ったことはないが。
(物の怪も吹き飛ばす我が師の凄まじさよ)
さすがは変人政任。物の怪も鬼も寄り付かないほどの変人ぶりである。鬼も幽霊も、やはり儚げだったり、病んでいる人を好む。人が嫌う者は、人でないものにも魅惑的ではないのだろう。できれば関わりたくない御仁。物の怪でもそう思う政任なのだ。
周雅は慣れたもので、中へ入ると、倒木が立木に斜めにしなだれかかっている隙間をぬって、歩いて行く。女郎花が盛りで、おどろおどろしい空間に色を添えていた。
「や、これは若君」
しばらく進んだところで、珍しく声をかけられた。草の間から声のした方を垣間見れば、この家の家司である。
人間嫌いな政任は、家人も寄せ付けない。政任のいる寝殿には、誰も近寄ることが許されていなかった。周雅がこの屋敷に通うようになって久しいが、滅多に家人を見かけることはない。
「今日は先客がおわします。まだ稽古が終わりませぬようで、しばらくあなたでお待ち下さい」
家司が草の御簾越しに頭を下げた。
周雅は今日、稽古の約束をしている。約束の時間になったのに、まだ先客が帰らず留まっているので、周雅を控えの間に連れて行くため、家司がここで待っていたらしい。
「私以外にも今日は、稽古が入っていたのですか。広仲の君ですか?」
周雅は家司に兄弟子の名を言った。
政任は滅多に弟子を取らない。現在までに弟子は七人しかいなかった。そのうち、周雅が会ったことがあるのは二人だ。他の古い弟子たちは既に亡くなったりしているので、知らない。
周雅が知っているのは、その広仲と伊賀守だけであった。伊賀守は最近、任国の伊賀に行ってしまったので、今、都にいる兄弟子は広仲だけなのである。
「いいえ、本日稽古にお越しなのは姫君です」
「姫君?」
周雅は頗る意外に思った。
姫君とは最近、政任に弟子入りを許された清花の姫君のことである。まだ十歳にも満たない幼い姫君だが、あの師匠も仙女と呼ぶほど、特別な才能に恵まれた美少女だ。
周雅も多少親戚関係にあるが、貴族はだいたいどこの家とも親戚になっているものだ。ただ、姫君の兄君と周雅とは、親しい友人であった。
政任は自分の練習を毎日欠かさない。だから、弟子の稽古のある日は、自分の練習時間が減ってしまう。それが理由で、稽古の日はいつも不機嫌である。だから、基本的に、稽古は一日に一人だけしかしない。二人も稽古したら、その日は自分の練習がほとんどできなくなってしまうからだ。
だが、今日は周雅の他にも稽古が入っている。これは珍しいことであった。ただ、過去にも何度かそういうことはあった。
そうした機会に、周雅も兄弟子二人の演奏を漏れ聴くことができた。しかし、比較的最近入門した清花の姫君の稽古には、まだ出会したことがなかった。
いや、姫君の方は実は何度か周雅の稽古を耳にしたことはあったのだが。周雅はまだなかった。
家司が藪から顔を出してきた。
「さ、こちらへ。しばらくお待ち下さい」
家司が先に立って、東の渡殿へ案内して行く。
昔、東の渡殿の傍らには泉殿があったらしい。今は水も流れていないが、もともと湿り気のある所らしく、渡殿の方までひんやりしている。真夏はこの襤褸屋敷の中で、一番過ごしやすい所だろう。
ただ、その湿気が災いして、柱は腐り、渡殿は傾きかけている。床板には苔がびっしり生えていた。いずれ泉殿のように朽ち果て、土に還るに違いない。
家司は円座だけ新しい物を持ってきて、苔の床に敷き、周雅に勧めた。周雅が礼を述べて座ると、すぐに去って行く。
「御身の番になりましたら、きっと主がお呼び致しましょう」
と、何とも不真面目なことを言って──。
周雅が所在なく一人で座っていると、一陣の風がそこの女郎花を吹き倒して行った。瞬間、琴韻が聴こえた。
琴の音は他の楽器に比べると、遥かに小さいが、確かに周雅の耳に届いた。
稽古は寝殿の中の奥、幾重にも屏風や几帳で囲まれた中で行われている。渡殿からはけっこうな距離がある。
音の小さな琴だ。周雅のところにまで聴こえてくるのは、並の技量ではない。
(確かに師の君の琴だ)
周雅は耳に届くそれが、師の政任のものであると確認した。どうやら、手本を弾いているらしい。『胡笳明君別五弄』の四曲目、「奔雲」である。
相変わらず政任の弾く琴は素晴らしい。感心していると、直後、別な琴の音が響いてきた。
(これは!なんだろう、胸がざわつく!)
もの悲しく、周雅の胸はかき乱された。だが、どこか神聖な音色でもあり、不思議だ。初めて味わう寂寥感。
この屋敷の景色がそのまま、辺境の荒涼とした風景と重なった。
また一陣の風が吹く。さわと何かが耳に触れた。
周雅は思わず耳に手をやった。湿った人の息が吹きかけられたような──。
(物の怪か?)
ここに来て初めて、異様な存在を感じた。
恐ろしくて目を瞑ってしまう。瞬間、風は止んで、また『胡笳明君別五弄』の「奔雲」が聴こえてきた。
(ああ、悲しいのに、何故……)
透明過ぎて、清過ぎて、それが悲しい。異界の空気。
周雅がそっと目を開けると、寝殿を大きな目が包んでいるように見えた。
(まさか!)
思わず立ち上がると、ふっとそれは消えた。しかし、消えると同時に、周雅は不思議な幻想に誘われた。
寂寥としたというよりは、むしろ鬱蒼と草が茂るこの庭に、異界の神聖な物が見えたのだ。
(崑崙山?蓬莱山?)
徐福だろうか。玉を集める仙人が見えた。
また風が吹き。その玉を転がして──。
玉は玲瓏ころころと、下から上へと転がり登って行く。岩の上へと──。
岩の上には十絃の琴が。ふっと跳ね上がって空中に遊ぶと、玉は十絃琴の上に落ちて、そのまま琴中に吸い込まれて消えた。
ふっ。
気が付くと、もとの政任宅に戻っていた。『胡笳明君別五弄』がなおもの悲しく寝殿の中から聴こえてくる。
(何だったのか、今のは)
まるで白昼夢。周雅は一瞬、異界を見たのだ、この庭の中で。
(蓬莱山の玉を拾う徐福。その玉を宿す琴。それも十絃の。あやしや)
琴の絃数は七と決まっている。琴の起源は伏羲だが、初めは五絃だった。殷周革命の頃から七絃になったという。
ただ、殷の時代には、十絃のものが演奏されていたこともあったという。
(あれは殷の秘琴だったのか?)
周雅の頭はなおまだ先程の幻想を引き摺ったままだ。
彼にそのような不思議な体験をさせた清花の姫君の弾く琴。いったい幼い姫君の技量とは、どれほどのものなのだろうか。
天の理をも動かしてしまうほどの──。どうやら清花の姫君とは、そういう次元の違う天才らしい。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
花嫁御寮 ―江戸の妻たちの陰影― :【第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞】
naomikoryo
歴史・時代
名家に嫁いだ若き妻が、夫の失踪をきっかけに、江戸の奥向きに潜む権力、謀略、女たちの思惑に巻き込まれてゆく――。
舞台は江戸中期。表には見えぬ女の戦(いくさ)が、美しく、そして静かに燃え広がる。
結城澪は、武家の「御寮人様」として嫁いだ先で、愛と誇りのはざまで揺れることになる。
失踪した夫・宗真が追っていたのは、幕府中枢を揺るがす不正金の記録。
やがて、志を同じくする同心・坂東伊織、かつて宗真の婚約者だった篠原志乃らとの交錯の中で、澪は“妻”から“女”へと目覚めてゆく。
男たちの義、女たちの誇り、名家のしがらみの中で、澪が最後に選んだのは――“名を捨てて生きること”。
これは、名もなき光の中で、真実を守り抜いたひと組の夫婦の物語。
静謐な筆致で描く、江戸奥向きの愛と覚悟の長編時代小説。
全20話、読み終えた先に見えるのは、声高でない確かな「生」の姿。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
【読者賞】江戸の飯屋『やわらぎ亭』〜元武家娘が一膳でほぐす人と心〜
旅する書斎(☆ほしい)
歴史・時代
【第11回歴史・時代小説大賞 読者賞(読者投票1位)受賞】
文化文政の江戸・深川。
人知れず佇む一軒の飯屋――『やわらぎ亭』。
暖簾を掲げるのは、元武家の娘・おし乃。
家も家族も失い、父の形見の包丁一つで町に飛び込んだ彼女は、
「旨い飯で人の心をほどく」を信条に、今日も竈に火を入れる。
常連は、職人、火消し、子どもたち、そして──町奉行・遠山金四郎!?
変装してまで通い詰めるその理由は、一膳に込められた想いと味。
鯛茶漬け、芋がらの煮物、あんこう鍋……
その料理の奥に、江戸の暮らしと誇りが宿る。
涙も笑いも、湯気とともに立ち上る。
これは、舌と心を温める、江戸人情グルメ劇。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる