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エリーナはぐったりとして布団の中で丸まっている。
(私はーなんてことを…)
エリーナは男性に対して面識がないうえ、身体が弱い。
エリーナのことを思えばいくら初夜とはいえ、段階を踏んで進めなければいけなかったが年甲斐もなく暴走してしまったー。
正直、ここまでのめりこむとは思わなかった。
セックスに関してはここ何年もご無沙汰だった。年のせいもあるだろうと気にはしていなかったが、エリーナを前にして理性が吹き飛んだ。
(どんな顔をして、エリーナに接すればいいんだ)
カールは一人悶々として頭を抱えていた。
エリーナに免疫をつけてもらおうと、結婚式までは紳士的に接していた。努力の成果もあって少しずつだが緊張しなくなった。
(初めて会ったときに倒れられたときは驚いたがな)
同時に守ってやりたいーと強く思うようになった。
最初はただ、屋敷の外にあまりでたことがないか弱い令嬢とはどんな女性だろうと興味をもった。
カールの周りにいる女性は、気高くプライドの高い女性ばかりだ。
大人しそうに見えても実はヒステリーだったりする。
エリーナは表裏なく、ただ純粋な女性だと思った。
いまだに二人きりになると緊張するエリーナが可愛かった。
「ん……」
エリーナがかすかに身じろいて目を覚ます。
「……」
「目、覚めたか?」
優しく声をかけると閉じかけていた瞳がぱっちりと大きく見開く。
カールの顔をみるなり、エリーナはみるみるうちに顔を真っ赤にさせた。
「あ、あのっ、あ、えっと……お、おはよう、ございます……」
半身を起こし、どうカールと話せばいいのか視線をさまよわせ困惑している。動揺のあまり自分が今裸で寝ていたことも忘れているらしい。
細身のわりに豊満な胸が堂々とカールの前に晒されて、朝から変な気分になりそうだった。
(落ち着け……朝からは、まずい)
カールは一つ深呼吸して努めて冷静に言った。
「おはよう。その、体調はどうだ?」
「あ、えと……こ、腰が、少し……」
素直に身体の異変を伝えるエリーナに、カールは少し申し訳なく思いながらも苦笑してぽんと頭を撫でた。
おでこに額をあわせるとかすかにエリーナの細い肩がぴくりと揺れる。
「熱も、少しあるな。すまない、昨夜は無理をさせてしまった」
「え、いえ……」
沈黙が落ちて二人の間に面はゆい空気が流れ、カールもつられて赤くなってしまう。
カールは大げさに咳払いをしてエリーナに言った。
「と、とりあえずネグリジェを着たほうがいい」
「え」
指摘されてエリーナはようやく今の状態に気づいたように、頬を染めた。
「あ、す、すみませんっ!! は、はしたない、かっこうを……」
エリーナの身体がくらりと後ろの方に倒れそうになって、カールは慌ててその背中を支えた。
「っと……」
「す、すみません……また、眩暈が」
「気にするな。もう少し寝ていろ」
カールはベッドの下に無造作に脱ぎ捨てられたままのネグリジェを拾い、エリーナに着せた。
べッドに寝かせて頭を撫でてやると、エリーナはすぐに寝息を立てる。
すぐに医者に診せなければならない状態ではなさそうだと安堵して、カールも気持ちを落ち着かせるためにもうひと眠りすることにした。
(私はーなんてことを…)
エリーナは男性に対して面識がないうえ、身体が弱い。
エリーナのことを思えばいくら初夜とはいえ、段階を踏んで進めなければいけなかったが年甲斐もなく暴走してしまったー。
正直、ここまでのめりこむとは思わなかった。
セックスに関してはここ何年もご無沙汰だった。年のせいもあるだろうと気にはしていなかったが、エリーナを前にして理性が吹き飛んだ。
(どんな顔をして、エリーナに接すればいいんだ)
カールは一人悶々として頭を抱えていた。
エリーナに免疫をつけてもらおうと、結婚式までは紳士的に接していた。努力の成果もあって少しずつだが緊張しなくなった。
(初めて会ったときに倒れられたときは驚いたがな)
同時に守ってやりたいーと強く思うようになった。
最初はただ、屋敷の外にあまりでたことがないか弱い令嬢とはどんな女性だろうと興味をもった。
カールの周りにいる女性は、気高くプライドの高い女性ばかりだ。
大人しそうに見えても実はヒステリーだったりする。
エリーナは表裏なく、ただ純粋な女性だと思った。
いまだに二人きりになると緊張するエリーナが可愛かった。
「ん……」
エリーナがかすかに身じろいて目を覚ます。
「……」
「目、覚めたか?」
優しく声をかけると閉じかけていた瞳がぱっちりと大きく見開く。
カールの顔をみるなり、エリーナはみるみるうちに顔を真っ赤にさせた。
「あ、あのっ、あ、えっと……お、おはよう、ございます……」
半身を起こし、どうカールと話せばいいのか視線をさまよわせ困惑している。動揺のあまり自分が今裸で寝ていたことも忘れているらしい。
細身のわりに豊満な胸が堂々とカールの前に晒されて、朝から変な気分になりそうだった。
(落ち着け……朝からは、まずい)
カールは一つ深呼吸して努めて冷静に言った。
「おはよう。その、体調はどうだ?」
「あ、えと……こ、腰が、少し……」
素直に身体の異変を伝えるエリーナに、カールは少し申し訳なく思いながらも苦笑してぽんと頭を撫でた。
おでこに額をあわせるとかすかにエリーナの細い肩がぴくりと揺れる。
「熱も、少しあるな。すまない、昨夜は無理をさせてしまった」
「え、いえ……」
沈黙が落ちて二人の間に面はゆい空気が流れ、カールもつられて赤くなってしまう。
カールは大げさに咳払いをしてエリーナに言った。
「と、とりあえずネグリジェを着たほうがいい」
「え」
指摘されてエリーナはようやく今の状態に気づいたように、頬を染めた。
「あ、す、すみませんっ!! は、はしたない、かっこうを……」
エリーナの身体がくらりと後ろの方に倒れそうになって、カールは慌ててその背中を支えた。
「っと……」
「す、すみません……また、眩暈が」
「気にするな。もう少し寝ていろ」
カールはベッドの下に無造作に脱ぎ捨てられたままのネグリジェを拾い、エリーナに着せた。
べッドに寝かせて頭を撫でてやると、エリーナはすぐに寝息を立てる。
すぐに医者に診せなければならない状態ではなさそうだと安堵して、カールも気持ちを落ち着かせるためにもうひと眠りすることにした。
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