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グリードが目を覚ますと見慣れない天井が映った。
体を動かそうにも力が入らない。
(迂闊だった……)
女だからと警戒せずにいたら、この有様だ。
なんとかして逃げなければーと半身を起こそうとしてグリードは目を見開いた。
「あら、お目覚めになりまして? グリード様」
ドロワーズ姿のシンシアが楽しそうに笑みを浮かべていた。
「貴様、なんのつもりだ?」
「あら、怒った顔も素敵ですわね? ますます離すのが惜しいわ」
シンシアが楽しそうに笑いながら歩み寄ってきて、寝台に乗りかかる。
女を組し抱くことはあっても、組し抱かれた経験はない。
「こんなことして、ただですむと思っているのか?」
「今夜が楽しければそれでいいのよ。グリード様もたまには奥様以外の女性と楽しみたいでしょう?」
ゾッとするほどの猫なで声で言われて、グリードは寒気がした。
シンシアは着ていたドロワーズを躊躇いもなく脱ぎ捨てた。
自分から男を誘うだけあって、豊かな胸としなやかな肉体が露わになる。
「私が欲しいでしょう? グリード様の好きにしてもよろしいんですのよ?」
グリードの手をとってシンシアの胸に触れさせる。
弾力のある乳房に触れて、グリードは違和感を覚えた。
顔を顰めたグリードにシンシアがくすくすと小鳥のように笑う。
「ようやく効いてきましたわね。さっきグリード様が飲み込んだもの、何かお教えしましょうか? 痺れ薬と媚薬の入った錠剤ですのよ」
グリードは自分の失態に舌打ちをした。
体の奥底から抑えられない欲情が湧き上がる。
どんなに理性が拒んでも、媚薬の力には敵わない。
グリードは荒い息を吐きながらシンシアの乳房を揉みしだいた。
「あ、んっ、あ、あ、嬉しい、グリード様っ」
シンシアの尖った乳首を乱暴に摘むと、誘うように腰を揺らして艶やかに喘ぐ。
「あ、ん、もっと、ひどくしてっ、グリード様っー」
「く、そっ……」
「あっ、はっ、ぐ、グリード様のもの、もう、硬くなって……」
シンシアがグリードの下半身に触れて、ジッパーを開き硬く張り詰めたそれに躊躇なく触れ、握った。
「これが、私の中にっ」
うっとりとした相貌でそれを眺めるシンシアに、グリードは鼻で笑った。
「これが、そんなにほしいか? シンシア」
「え、ええ。欲しいわ、グリード様、早く、これをください」
グリードの塊を握りしめて必死に懇願する。
リアと出会う前。
グリードはシンシアのような女性ばかりを相手にしていた。
身体は満たされても、心は満たされたことがない。
リアを抱くようになり廃れていた心が、清らかになっていった。
こんなことでしか相手をつなぎとめることができないシンシアを、哀れだと思う。
グリードはシンシアの手首を取って力一杯握りしめた。
「い、たっ……」
シンシアの顔が苦痛に歪む。
グリードは額に汗を浮かべながら必死で暴れ狂う欲望と戦った。
リアのことを思い浮かべれば、薬だろうがなんだろうが、跳ね除けられるー。
そう自分に言い聞かせ、頭の中にリアの笑顔を思い浮かべた。
「二度と、俺の前に姿をみせるな」
渾身の力を込めて払いのけると、シンシアは勢いよくベッドから落ちた。
「きゃあっ……」
「お待ちください! お客様!!」
切羽詰まった声が廊下で聞こえて、グリードは静かにほくそ笑んだ。
シンシアは裸のまま、呆然とした表情でグリードを見据える。
「なんで、あの媚薬は、強力だって……」
痺れの残る体で何とか乱れた衣服を元に戻し、ベッドから立ち上がる。
「お前には分からないだろうな。本当に愛しい人がいれば、どんなことにも打ち勝てるんだ」
柔らかな顔色でそう告げると、シンシアが悔しそうに歯噛みした。
勢いよく扉が開かれ、老齢の男性とバディスが駆け寄ってきた。
「ああ、シンシア様っ! 大丈夫でございますか!?」
シンシアは駆け寄ってきた男を苛立ちげに押しのけ、床に脱ぎ捨てたネグリジェを拾い軽く羽織った。
「誰も通すなと言わなかったかしら?」
鬼のような形相で男を睨み付けるシンシアに、顔を引きつらせながら謝罪する。
「も、申し訳ありません! お止めしたのですが……」
二人のやりとりを冷めた目で見つめ、バディスに眼を向ける。
ずっとバディスには外で待機をしてもらっていた。
何か変化があれば駆けつけるよう事前に通告していて、タイミングよく来てくれた出来た執事に労いを掛ける。
「相変わらず、いい仕事するな、バディス」
「ありがとうこざいます。グリード様? 顔色が……」
額に汗をかき、肩で息をするグリードに心配そうな顔を見せる。
本当は自力で立っているのも辛かったが、せめてここを出るまでは気丈でいたかった。
「問題ない。屋敷に帰るぞ」
シンシアの横を無言で通り過ぎようとするグリードに、シンシアは興味を失った声で言った。
「強がっていても、その媚薬が強力なのは変わりないですわ。せいぜい苦しみなさい。私に恥をかかせた罰ですわ」
どこまでも救えない女だと内心笑いながら、グリードは無言で部屋を出た。
「次の候補の方に手紙を書いてちょうだい」
「は、はい、かしこまりました」
シンシアの心に新たな怨みが生まれたことを、グリードは気づかなった。
「このままではすまさないわよ、グリード様?」
怨根を滲ませた形相で、バディスの肩を借りながら馬車に乗り込もうとするグリードを、部屋の窓から凝視したー。
体を動かそうにも力が入らない。
(迂闊だった……)
女だからと警戒せずにいたら、この有様だ。
なんとかして逃げなければーと半身を起こそうとしてグリードは目を見開いた。
「あら、お目覚めになりまして? グリード様」
ドロワーズ姿のシンシアが楽しそうに笑みを浮かべていた。
「貴様、なんのつもりだ?」
「あら、怒った顔も素敵ですわね? ますます離すのが惜しいわ」
シンシアが楽しそうに笑いながら歩み寄ってきて、寝台に乗りかかる。
女を組し抱くことはあっても、組し抱かれた経験はない。
「こんなことして、ただですむと思っているのか?」
「今夜が楽しければそれでいいのよ。グリード様もたまには奥様以外の女性と楽しみたいでしょう?」
ゾッとするほどの猫なで声で言われて、グリードは寒気がした。
シンシアは着ていたドロワーズを躊躇いもなく脱ぎ捨てた。
自分から男を誘うだけあって、豊かな胸としなやかな肉体が露わになる。
「私が欲しいでしょう? グリード様の好きにしてもよろしいんですのよ?」
グリードの手をとってシンシアの胸に触れさせる。
弾力のある乳房に触れて、グリードは違和感を覚えた。
顔を顰めたグリードにシンシアがくすくすと小鳥のように笑う。
「ようやく効いてきましたわね。さっきグリード様が飲み込んだもの、何かお教えしましょうか? 痺れ薬と媚薬の入った錠剤ですのよ」
グリードは自分の失態に舌打ちをした。
体の奥底から抑えられない欲情が湧き上がる。
どんなに理性が拒んでも、媚薬の力には敵わない。
グリードは荒い息を吐きながらシンシアの乳房を揉みしだいた。
「あ、んっ、あ、あ、嬉しい、グリード様っ」
シンシアの尖った乳首を乱暴に摘むと、誘うように腰を揺らして艶やかに喘ぐ。
「あ、ん、もっと、ひどくしてっ、グリード様っー」
「く、そっ……」
「あっ、はっ、ぐ、グリード様のもの、もう、硬くなって……」
シンシアがグリードの下半身に触れて、ジッパーを開き硬く張り詰めたそれに躊躇なく触れ、握った。
「これが、私の中にっ」
うっとりとした相貌でそれを眺めるシンシアに、グリードは鼻で笑った。
「これが、そんなにほしいか? シンシア」
「え、ええ。欲しいわ、グリード様、早く、これをください」
グリードの塊を握りしめて必死に懇願する。
リアと出会う前。
グリードはシンシアのような女性ばかりを相手にしていた。
身体は満たされても、心は満たされたことがない。
リアを抱くようになり廃れていた心が、清らかになっていった。
こんなことでしか相手をつなぎとめることができないシンシアを、哀れだと思う。
グリードはシンシアの手首を取って力一杯握りしめた。
「い、たっ……」
シンシアの顔が苦痛に歪む。
グリードは額に汗を浮かべながら必死で暴れ狂う欲望と戦った。
リアのことを思い浮かべれば、薬だろうがなんだろうが、跳ね除けられるー。
そう自分に言い聞かせ、頭の中にリアの笑顔を思い浮かべた。
「二度と、俺の前に姿をみせるな」
渾身の力を込めて払いのけると、シンシアは勢いよくベッドから落ちた。
「きゃあっ……」
「お待ちください! お客様!!」
切羽詰まった声が廊下で聞こえて、グリードは静かにほくそ笑んだ。
シンシアは裸のまま、呆然とした表情でグリードを見据える。
「なんで、あの媚薬は、強力だって……」
痺れの残る体で何とか乱れた衣服を元に戻し、ベッドから立ち上がる。
「お前には分からないだろうな。本当に愛しい人がいれば、どんなことにも打ち勝てるんだ」
柔らかな顔色でそう告げると、シンシアが悔しそうに歯噛みした。
勢いよく扉が開かれ、老齢の男性とバディスが駆け寄ってきた。
「ああ、シンシア様っ! 大丈夫でございますか!?」
シンシアは駆け寄ってきた男を苛立ちげに押しのけ、床に脱ぎ捨てたネグリジェを拾い軽く羽織った。
「誰も通すなと言わなかったかしら?」
鬼のような形相で男を睨み付けるシンシアに、顔を引きつらせながら謝罪する。
「も、申し訳ありません! お止めしたのですが……」
二人のやりとりを冷めた目で見つめ、バディスに眼を向ける。
ずっとバディスには外で待機をしてもらっていた。
何か変化があれば駆けつけるよう事前に通告していて、タイミングよく来てくれた出来た執事に労いを掛ける。
「相変わらず、いい仕事するな、バディス」
「ありがとうこざいます。グリード様? 顔色が……」
額に汗をかき、肩で息をするグリードに心配そうな顔を見せる。
本当は自力で立っているのも辛かったが、せめてここを出るまでは気丈でいたかった。
「問題ない。屋敷に帰るぞ」
シンシアの横を無言で通り過ぎようとするグリードに、シンシアは興味を失った声で言った。
「強がっていても、その媚薬が強力なのは変わりないですわ。せいぜい苦しみなさい。私に恥をかかせた罰ですわ」
どこまでも救えない女だと内心笑いながら、グリードは無言で部屋を出た。
「次の候補の方に手紙を書いてちょうだい」
「は、はい、かしこまりました」
シンシアの心に新たな怨みが生まれたことを、グリードは気づかなった。
「このままではすまさないわよ、グリード様?」
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