【完結】堅物騎士様は若奥様に溺愛中!

くみ

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第三章

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 エイリスのことを知れなくて、ティアナは肩を落とした。


「また屋敷で一緒に飲もう」


「ええ」


 ギルドの執務室を後にしようと、部屋を出たときだった。


「ティアナ」


 聞こえてきた声にティアナの心臓が跳ねる。


「エ、エイリス様……」


 驚いたのはティアナだけではなかった。


 ギルドも驚いているし、ブレッドに至っては顔面蒼白になっている。


「こんなところで何をしている?」


 今までに聞いたことがない低い声で問われて、ティアナは萎縮した。


「あ。いや、あのな。エイリス。ティアナちゃんはお前に会いにー」


「二人で何をしていた?」


 ギルドには目もくれずティアナを真っ直ぐ見据えて問いただしてくる。


 何も言えないでいるティアナに焦れたのか、エイリスはティアナの手首を掴
み足早に歩き出す。


「エ、エイリス様っ!!」


 二人の後を追おうとしたブレッドだが、エイリスにキツい言葉を返された。


「お前は先に屋敷に戻っていろ。ティアナは俺が連れて帰る」


「は、はっ!!」


 ブレッドは深く頭を下げて引き下がる。


「エイリス! 彼女はお前を心配してだなー」


 ギルドの言葉はエイリスの耳に聞こえていなかった。


「エ、エイリス様っ、痛いわ」


 ティアナに言われて気づいたのか、エイリスがはっとして掴んでいた手首を
離した。


「すまないー」


 連れてこられたのはエイリスの執務室だった。

 
   気まずい沈黙が流れる。


「ご、ごめんなさい。黙ってここに来て」


「ー君が騎士達に囲まれているのを見かけて、俺は気が狂いそうだった」


 訓練所の方で人だかりが出来ているのに気づいて、その中心にいるのがティ
アナだと分かり目を疑った。


「なぜここに? どうしてギルドと会っていた?」


 エイリスはティアナを抱きしめた。


 力一杯抱きしめられて苦しくなるほど。


「こんなところまでやってきてー」


「エ、エイリス様っ……!?」


 エイリスはいきなりティアナの唇を奪った。


 舌をこじ開けて絡ませてくる。


「んっ、ふぅんっ……」
 

 突然のことにティアナは狼狽した。


 どうしていきなりキスなんかー。


「やっ、エイリスさ、まっ」


 ここはエイリスの執務室。いつ誰が入ってくるかわからないのに。


 エイリスは執務机の上に散らばっていた紙を乱暴にどかし、身を引こうとす
るティアナを抱き上げて、机の上に座らせた。


「な、なにーっ……」


 怖い。


 いつもの優しいエイリスじゃない。


 いきなり足を大きく開かされて、驚愕する。


「や、こ、こんなかっこう」


 思わず足を閉じようとしたけれど、いきなり指が侵入してきてティアナはビ
クッと身を竦ませた。


「濡れている。キスだけでこうなったのか? それともいつもと違う状況に興
奮してるのかー」


 ふっとエイリスは笑った。


 なんだかすごく自分が淫乱に思えて、ティアナは顔を背けた。


「あ、んっ……」


 こんな時なのにティアナはエイリスにキスをされると、それだけで身体が熱
くなってあそこがじんと濡れてしまう。


 エイリスは恥ずかしがるティアナに容赦なく愛撫をしてきた。





 


 


  

 




  
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