1 / 59
序章
第1話 謎の儀式 (Side:シャロン)
しおりを挟む
物心ついたころから、何度も危険な目に遭った。
傍にいる大人の目を盗んで――あるいは、傍にいる大人諸共、拐して。
ある時は、身代金目当てに。ある時は、不埒な好事家に売るため。ある時は、貴族社会の勢力図塗り替えのため。
ふと眠りから覚めたら、見知らぬ場所――そんなことは、日常茶飯事だった。
だけど、その日、目にした光景はあまりにも異常すぎた。目覚めた瞬間、我が目を疑う。
寝かされているのは、ひんやりとした石の上。灯りはないが、床一面に広がる怪しい魔方陣の光で、かろうじて周囲を探ることが出来る。
魔方陣には、目深にフードを被った者たちが不規則に配置され、意味不明な呪文を一心不乱に唱えていた。
「な……何……!?」
思わず起き上がろうとすると、鉄が擦れる音とともに身体が阻まれる。
己の身体を見下ろせば、頑丈な鎖で、石の寝台に縛り付けられているようだった。
祭壇のような寝台、無機質な鎖の冷たさ――儀式めいた何かの中心に据えられた己の現状を理解した瞬間、ぞわりと恐怖が走る。
呪文の強弱に合わせ、ドクン、ドクンと心臓が不規則に脈打つ。この儀式が、私の身体に良からぬ何かを齎そうとしているのだと、誰に教わるでもなく察せられた。
「ぁ……いや……」
ガタガタと歯の根が合わないまま、弱気な声が漏れる。
どうしてこんなことになったのか。
――簡単だ。油断していた、以外の何物でもない。
幼い頃から頻繁に危険に晒される私を心配した家族は、あらゆる手を尽くした。
屋敷の外には極力出ないこと。出る場合は護衛を伴い、見知らぬ相手は常に警戒し、不用意に目を合わせたり話しかけたりしないこと。
貴族令嬢でありながら、剣と白魔法の手ほどきも受けた。剣は敵から身を守るため。魔法は怪我や毒の脅威から身を守るため。
それでも、僅かな隙をついて迫り来る脅威に業を煮やした家族は、ついに、最強の護衛を兼ねた許嫁――カルロを用意した。
彼が傍にいた数年、私は全ての危険から解放された。
粗野で貴族社会とは無縁の無礼者だけれど、その分裏表がない性格で、面倒くさそうな顔をしながら、あらゆる脅威を排除してくれた。
すっかり安心していた。もう、まだ見ぬ危険に怯えて暮らす必要はないのだと。
だから今日も、急に婚約者が訪問すると聞いて、疑いもしなかった。
言付けを持ってきたのが、最近入ったばかりの使用人だったことを、訝しむことすらしないで。
愚かだった。暢気だった。初めて出逢った庭園でお茶を、と言われて心が躍った。
彼にとっては私との婚約など、我が家の後ろ盾を得るためのものでしかないと知っていたのに――あの日の出逢いを、彼も特別なものだと思ってくれているのかもしれないと、浮かれていた。
「カルロ……」
あぁ――なんて、馬鹿馬鹿しい。
縋るような声が零れることすら、情けない。
こんな状況でも、彼を信じたいと思っているなんて。
「っ……カルロ……」
恐怖に耐えかね、ほろりと涙が眦から零れ落ちる。
ぎゅっと目を閉じると、この国では珍しい黒髪に深紅の瞳を持つ男が浮かんだ。
約束の時間に庭園に赴くと、カルロの姿はなかった。
待っている間に一杯、と使用人が用意した茶を一口飲んだ時から、記憶がない。
きっとあの使用人が、茶に眠り薬か何かを盛ったのだろう。――そう思い込みたい自分がいる。
もしかしたら、本当にカルロが、彼らと共謀したことかもしれないのに。
「いや……怖い……助けて……っ……お兄様――!」
最悪な想像をしてしまったことが恐ろしくて、昔から自分を助けてくれた兄へと救いを求めた。
狭い部屋に反響する呪文に、言い知れぬ恐怖が募っていく。
カッ――とひと際魔方陣が強く輝いた、瞬間。
ドォンッ――と世界が音を立てて、崩壊した。
「きゃ――!?」
悲鳴が喉の奥で張り付く。
恐怖に目を見開けば、天井が崩壊し、無数の瓦礫が降って来るところだった。
ぎゅっと目を閉じて、身体を固くする。拘束された身では、何もすることは出来ないが、それでも自分の死を真正面から見つめる勇気はなかった。
「うわぁ!」「ぐはっ……」
轟音とともに瓦礫が降り注ぐ。あちこちで悲鳴が上がる。魔方陣の上で呪文を唱えていた者たちが、瓦礫に潰されたのだろう。
聞くに堪えない音に耳を塞ぎたくても、鎖が邪魔をする。
とにかく固く目を閉じて――いつまでも訪れない死の瞬間に疑問を持ち、そっと目を開けた。
「?……ぁ……」
驚いて、眼を見開く。
私の身体にも等しく降り注いだ凶悪な瓦礫は、全て、目の前に広がる光の盾に弾かれ、粉砕され、私の肌に髪の毛一筋ほどの外傷を付けることすらなかった。
「防御結界……黒、魔法……?」
恐怖に掠れる声で呟くと、数年前の記憶が蘇る。
カルロと婚約をしたばかりの頃――想像を上回る頻度で危険に遭遇する私に呆れて、彼は、面倒くさそうに言った。
『お前は本っっ当に危なっかしいな』
『ご、ごめんなさい……』
『いい。お前の身を守るのがフロスト家の後ろ盾を得る条件だ。とはいえ、こんな状態じゃ、俺は寝ずの番で四六時中お前の傍にいなきゃいけねぇ』
『ご、ごめんなさ――』
『だからこれ、着けとけ。外敵からの攻撃は大体防ぐ。寝る時も風呂入る時も外すな。黒魔法は毒や薬は専門外だから、自分で対処しろよ』
コロン、と掌の上に乗せられたのは、不思議な輝きを放つシンプルな指輪。つけてみると、左手の薬指にぴったりなサイズで、これを婚約指輪代わりに四六時中身に付けろということかと、呆れてしまった。高位貴族の令嬢に贈られる婚約指輪の常識を教えたら、カルロはどんな顔をするのだろうか。
とはいえ、初めて殿方から贈られた指輪だ。言われた通り毎日大切に身に着けていたら、案の定カルロは、私を溺愛する兄から後日めちゃくちゃ怒られたらしい。
そんな愛しい思い出の詰まった指輪が、今も私の身を守っている。
粉塵が立ち込め、一寸先も見えない部屋の中、熱い涙が静かに頬を伝った。
カルロが裏切ったかもしれない、なんて一瞬でも考えた自分を恥じる。
彼は確かに無礼で、無神経で、女心もわからない粗野な男だけれど――それでも絶対に、私を危険な目には遭わせない。
ぐっと左手を握り込むと、指輪が食い込む感触がする。何もわからない現実の中でも、この感触だけは、信じることが出来た。
「シャロン!無事か!?」
立ち込める粉塵を吹き飛ばす横殴りの爆風と同時、飛び込んできた声は、私がずっと待ち焦がれた声だった。
「カルロ――!」
視線を向けると、見慣れた長身が、想像を裏切らずそこにいてくれた。
普段の飄々とした様子が嘘のように、見たことがない余裕のなさ。息を切らせて飛んできてくれたのだと察する。
「シャロン!」
「お兄様も――!」
カルロの後ろから、同じく顔を真っ蒼にした兄が飛び出す。血がついた剣を構えているから、戦闘があったのかもしれない。
「今助ける!すぐに――」
地を蹴り、駆け寄ろうとした二人が、驚いたようにたたらを踏んだ。
二人の視線は、私を飛び越えた先の、上方で縫い留められている。
「……?」
怪訝に思い、二人の視線を追いかける。立ち込めていた粉塵は、カルロの魔法で跡形もなく吹き飛んで、視界は晴れやかだ。
穴の開いた天井から、月明りが差し込み、浮かび上がる巨体。
天井すら凌駕するほどの高さにある頭。耳まで裂けた大きな口。見るからに凶悪な牙。月に照らされ黒光りする鈍色の鱗。禍々しい光を宿す濁った瞳が、ぎょろりとこちらを向く。
およそ自然界では目にすることがない、異様な風体。
視界に飛び込んできた光景が信じられなくて、息を呑んだ。
それは、昔話の中でしか聞いたことがない、伝説の存在――
「――竜――?」
現実とは思えない光景に、間抜けな声が零れると、どこからか気味の悪い高笑いが響いた。
「ははははは!成功だ!成功だ!古の巨竜よ!”器”は完成した!」
瓦礫の下に埋もれた誰かの声らしい。くぐもっているのに愉悦の滲む、不愉快な声だった。
「さぁ――喰らいたまえ!」
「――!!」
声に呼応するように、竜の瞳が私を捕らえる。
ドクンっ……と心臓が不穏に脈打った。
「シャロン!!!」
耳に届いた悲鳴は、カルロだったのか、兄だったのか。
禍々しい竜の瞳が怪しい光を放つのを、私はただ、視線を縫い留められたように、声もなく見つめるしかできなかった。
傍にいる大人の目を盗んで――あるいは、傍にいる大人諸共、拐して。
ある時は、身代金目当てに。ある時は、不埒な好事家に売るため。ある時は、貴族社会の勢力図塗り替えのため。
ふと眠りから覚めたら、見知らぬ場所――そんなことは、日常茶飯事だった。
だけど、その日、目にした光景はあまりにも異常すぎた。目覚めた瞬間、我が目を疑う。
寝かされているのは、ひんやりとした石の上。灯りはないが、床一面に広がる怪しい魔方陣の光で、かろうじて周囲を探ることが出来る。
魔方陣には、目深にフードを被った者たちが不規則に配置され、意味不明な呪文を一心不乱に唱えていた。
「な……何……!?」
思わず起き上がろうとすると、鉄が擦れる音とともに身体が阻まれる。
己の身体を見下ろせば、頑丈な鎖で、石の寝台に縛り付けられているようだった。
祭壇のような寝台、無機質な鎖の冷たさ――儀式めいた何かの中心に据えられた己の現状を理解した瞬間、ぞわりと恐怖が走る。
呪文の強弱に合わせ、ドクン、ドクンと心臓が不規則に脈打つ。この儀式が、私の身体に良からぬ何かを齎そうとしているのだと、誰に教わるでもなく察せられた。
「ぁ……いや……」
ガタガタと歯の根が合わないまま、弱気な声が漏れる。
どうしてこんなことになったのか。
――簡単だ。油断していた、以外の何物でもない。
幼い頃から頻繁に危険に晒される私を心配した家族は、あらゆる手を尽くした。
屋敷の外には極力出ないこと。出る場合は護衛を伴い、見知らぬ相手は常に警戒し、不用意に目を合わせたり話しかけたりしないこと。
貴族令嬢でありながら、剣と白魔法の手ほどきも受けた。剣は敵から身を守るため。魔法は怪我や毒の脅威から身を守るため。
それでも、僅かな隙をついて迫り来る脅威に業を煮やした家族は、ついに、最強の護衛を兼ねた許嫁――カルロを用意した。
彼が傍にいた数年、私は全ての危険から解放された。
粗野で貴族社会とは無縁の無礼者だけれど、その分裏表がない性格で、面倒くさそうな顔をしながら、あらゆる脅威を排除してくれた。
すっかり安心していた。もう、まだ見ぬ危険に怯えて暮らす必要はないのだと。
だから今日も、急に婚約者が訪問すると聞いて、疑いもしなかった。
言付けを持ってきたのが、最近入ったばかりの使用人だったことを、訝しむことすらしないで。
愚かだった。暢気だった。初めて出逢った庭園でお茶を、と言われて心が躍った。
彼にとっては私との婚約など、我が家の後ろ盾を得るためのものでしかないと知っていたのに――あの日の出逢いを、彼も特別なものだと思ってくれているのかもしれないと、浮かれていた。
「カルロ……」
あぁ――なんて、馬鹿馬鹿しい。
縋るような声が零れることすら、情けない。
こんな状況でも、彼を信じたいと思っているなんて。
「っ……カルロ……」
恐怖に耐えかね、ほろりと涙が眦から零れ落ちる。
ぎゅっと目を閉じると、この国では珍しい黒髪に深紅の瞳を持つ男が浮かんだ。
約束の時間に庭園に赴くと、カルロの姿はなかった。
待っている間に一杯、と使用人が用意した茶を一口飲んだ時から、記憶がない。
きっとあの使用人が、茶に眠り薬か何かを盛ったのだろう。――そう思い込みたい自分がいる。
もしかしたら、本当にカルロが、彼らと共謀したことかもしれないのに。
「いや……怖い……助けて……っ……お兄様――!」
最悪な想像をしてしまったことが恐ろしくて、昔から自分を助けてくれた兄へと救いを求めた。
狭い部屋に反響する呪文に、言い知れぬ恐怖が募っていく。
カッ――とひと際魔方陣が強く輝いた、瞬間。
ドォンッ――と世界が音を立てて、崩壊した。
「きゃ――!?」
悲鳴が喉の奥で張り付く。
恐怖に目を見開けば、天井が崩壊し、無数の瓦礫が降って来るところだった。
ぎゅっと目を閉じて、身体を固くする。拘束された身では、何もすることは出来ないが、それでも自分の死を真正面から見つめる勇気はなかった。
「うわぁ!」「ぐはっ……」
轟音とともに瓦礫が降り注ぐ。あちこちで悲鳴が上がる。魔方陣の上で呪文を唱えていた者たちが、瓦礫に潰されたのだろう。
聞くに堪えない音に耳を塞ぎたくても、鎖が邪魔をする。
とにかく固く目を閉じて――いつまでも訪れない死の瞬間に疑問を持ち、そっと目を開けた。
「?……ぁ……」
驚いて、眼を見開く。
私の身体にも等しく降り注いだ凶悪な瓦礫は、全て、目の前に広がる光の盾に弾かれ、粉砕され、私の肌に髪の毛一筋ほどの外傷を付けることすらなかった。
「防御結界……黒、魔法……?」
恐怖に掠れる声で呟くと、数年前の記憶が蘇る。
カルロと婚約をしたばかりの頃――想像を上回る頻度で危険に遭遇する私に呆れて、彼は、面倒くさそうに言った。
『お前は本っっ当に危なっかしいな』
『ご、ごめんなさい……』
『いい。お前の身を守るのがフロスト家の後ろ盾を得る条件だ。とはいえ、こんな状態じゃ、俺は寝ずの番で四六時中お前の傍にいなきゃいけねぇ』
『ご、ごめんなさ――』
『だからこれ、着けとけ。外敵からの攻撃は大体防ぐ。寝る時も風呂入る時も外すな。黒魔法は毒や薬は専門外だから、自分で対処しろよ』
コロン、と掌の上に乗せられたのは、不思議な輝きを放つシンプルな指輪。つけてみると、左手の薬指にぴったりなサイズで、これを婚約指輪代わりに四六時中身に付けろということかと、呆れてしまった。高位貴族の令嬢に贈られる婚約指輪の常識を教えたら、カルロはどんな顔をするのだろうか。
とはいえ、初めて殿方から贈られた指輪だ。言われた通り毎日大切に身に着けていたら、案の定カルロは、私を溺愛する兄から後日めちゃくちゃ怒られたらしい。
そんな愛しい思い出の詰まった指輪が、今も私の身を守っている。
粉塵が立ち込め、一寸先も見えない部屋の中、熱い涙が静かに頬を伝った。
カルロが裏切ったかもしれない、なんて一瞬でも考えた自分を恥じる。
彼は確かに無礼で、無神経で、女心もわからない粗野な男だけれど――それでも絶対に、私を危険な目には遭わせない。
ぐっと左手を握り込むと、指輪が食い込む感触がする。何もわからない現実の中でも、この感触だけは、信じることが出来た。
「シャロン!無事か!?」
立ち込める粉塵を吹き飛ばす横殴りの爆風と同時、飛び込んできた声は、私がずっと待ち焦がれた声だった。
「カルロ――!」
視線を向けると、見慣れた長身が、想像を裏切らずそこにいてくれた。
普段の飄々とした様子が嘘のように、見たことがない余裕のなさ。息を切らせて飛んできてくれたのだと察する。
「シャロン!」
「お兄様も――!」
カルロの後ろから、同じく顔を真っ蒼にした兄が飛び出す。血がついた剣を構えているから、戦闘があったのかもしれない。
「今助ける!すぐに――」
地を蹴り、駆け寄ろうとした二人が、驚いたようにたたらを踏んだ。
二人の視線は、私を飛び越えた先の、上方で縫い留められている。
「……?」
怪訝に思い、二人の視線を追いかける。立ち込めていた粉塵は、カルロの魔法で跡形もなく吹き飛んで、視界は晴れやかだ。
穴の開いた天井から、月明りが差し込み、浮かび上がる巨体。
天井すら凌駕するほどの高さにある頭。耳まで裂けた大きな口。見るからに凶悪な牙。月に照らされ黒光りする鈍色の鱗。禍々しい光を宿す濁った瞳が、ぎょろりとこちらを向く。
およそ自然界では目にすることがない、異様な風体。
視界に飛び込んできた光景が信じられなくて、息を呑んだ。
それは、昔話の中でしか聞いたことがない、伝説の存在――
「――竜――?」
現実とは思えない光景に、間抜けな声が零れると、どこからか気味の悪い高笑いが響いた。
「ははははは!成功だ!成功だ!古の巨竜よ!”器”は完成した!」
瓦礫の下に埋もれた誰かの声らしい。くぐもっているのに愉悦の滲む、不愉快な声だった。
「さぁ――喰らいたまえ!」
「――!!」
声に呼応するように、竜の瞳が私を捕らえる。
ドクンっ……と心臓が不穏に脈打った。
「シャロン!!!」
耳に届いた悲鳴は、カルロだったのか、兄だったのか。
禍々しい竜の瞳が怪しい光を放つのを、私はただ、視線を縫い留められたように、声もなく見つめるしかできなかった。
1
あなたにおすすめの小説
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
二年間の花嫁
柴田はつみ
恋愛
名門公爵家との政略結婚――それは、彼にとっても、私にとっても期間限定の約束だった。
公爵アランにはすでに将来を誓い合った女性がいる。私はただ、その日までの“仮の妻”でしかない。
二年後、契約が終われば彼の元を去らなければならないと分かっていた。
それでも構わなかった。
たとえ短い時間でも、ずっと想い続けてきた彼のそばにいられるなら――。
けれど、私の知らないところで、アランは密かに策略を巡らせていた。
この結婚は、ただの義務でも慈悲でもない。
彼にとっても、私を手放すつもりなど初めからなかったのだ。
やがて二人の距離は少しずつ近づき、契約という鎖が、甘く熱い絆へと変わっていく。
期限が迫る中、真実の愛がすべてを覆す。
――これは、嘘から始まった恋が、永遠へと変わる物語。
皇宮女官小蘭(シャオラン)は溺愛され過ぎて頭を抱えているようです!?
akechi
恋愛
建国して三百年の歴史がある陽蘭(ヤンラン)国。
今年16歳になる小蘭(シャオラン)はとある目的の為、皇宮の女官になる事を決めた。
家族に置き手紙を残して、いざ魑魅魍魎の世界へ足を踏み入れた。
だが、この小蘭という少女には信じられない秘密が隠されていた!?
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる