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ガーーーー。
これからレストランに行く。黒崎の車が車線変更をして、おしゃれな街並みへ進んで行った。平日の昼前だから、スーツ姿の人が多く歩道を行き交っている。イタリアンレストランへ行くために何度も通った道だ。
この車内のBGMは佐久弥のソロ活動の楽曲だ。ハスキーボイスが、アップテンポな曲調にマッチしている。歌詞もかっこいい。何て多才な人だろう。
「俺もこの歌詞が好きだ」
「へえ~。そんな素振り、見せてなかったじゃん」
「わざわざ言わないだけだ。お前の詩もいいぞ。絵本のストーリーも」
「ヒャーーーッ、何言ってんだよ~。そんなこと言ってもサービスしないからね~」
「どんなサービスだ?」
「うへへ……」
分かっているくせに。バシバシと黒崎の肩を叩いた。年々、人を叩くようになってしまった。しかし、照れくさいのは自分だけだったようだ。黒崎から呆れたような眼差しを向けられた。なんて愛想がない人だろう?
「なんだよーーっ」
「着いたぞ」
「ふん……」
こういうギャップは嬉しくない。外に出たとたんに素っ気なくされるからだ。車でのキスは、レアものだったようだ。
「さっきは言い過ぎたのか?」
「ふん」
「機嫌を直せ。これならどうだ?」
「んんー?」
運転席から腕が伸びてきて、あごの下をくすぐられた。耳たぶや頬もコチョコチョくすぐられて声が出てしまった。
「ひゃひゃひゃーー」
「もっとやってやうか」
「やめろよ……」
「まだ機嫌を直さないのか。ここで煽られても何も出来ない」
「え?」
「そういうことだ」
「え?」
「この間は反則だ。初心者を煽るからああなった」
「ヒャーーー」
「もうやらない」
「どんなサービスを想像したんだよ?」
「悪いことだ」
「悪い子になってもいい?」
「ならなくていい。そのままでいろ」
「でもさー、そろそろ。うへへ……」
ベッドでは何もするなと言われている。しかし、俺としては何かしたい。大学では絵理奈たちと恋バナに参加して、いろんな情報を得ている。黒崎には内緒だ。もちろん悠人にも内緒にしてもらっている。
せいぜいキスを返すぐらいしかしていない。それだけでもドキドキしている。この間の夜は怖かったものの、大人への第一歩だと思っている。たまにはああいう夜もいいだろう。
「黒崎さん。そろそろ覚えたいんだ。テクを……」
「だめだ。大学生だぞ。今のままがいい」
「ふうん。経験豊富な人は好きじゃないの?」
「駐車場に着いたぞ」
サーーっと、車が吸い込まれるように進んだ。
揺れがなくて乗っている感覚がない。かなり運転が上手な人だと沙耶さんが言っていた。蓋のない珈琲がこぼれないからだ。ここにも多才な人がいた。
これからレストランに行く。黒崎の車が車線変更をして、おしゃれな街並みへ進んで行った。平日の昼前だから、スーツ姿の人が多く歩道を行き交っている。イタリアンレストランへ行くために何度も通った道だ。
この車内のBGMは佐久弥のソロ活動の楽曲だ。ハスキーボイスが、アップテンポな曲調にマッチしている。歌詞もかっこいい。何て多才な人だろう。
「俺もこの歌詞が好きだ」
「へえ~。そんな素振り、見せてなかったじゃん」
「わざわざ言わないだけだ。お前の詩もいいぞ。絵本のストーリーも」
「ヒャーーーッ、何言ってんだよ~。そんなこと言ってもサービスしないからね~」
「どんなサービスだ?」
「うへへ……」
分かっているくせに。バシバシと黒崎の肩を叩いた。年々、人を叩くようになってしまった。しかし、照れくさいのは自分だけだったようだ。黒崎から呆れたような眼差しを向けられた。なんて愛想がない人だろう?
「なんだよーーっ」
「着いたぞ」
「ふん……」
こういうギャップは嬉しくない。外に出たとたんに素っ気なくされるからだ。車でのキスは、レアものだったようだ。
「さっきは言い過ぎたのか?」
「ふん」
「機嫌を直せ。これならどうだ?」
「んんー?」
運転席から腕が伸びてきて、あごの下をくすぐられた。耳たぶや頬もコチョコチョくすぐられて声が出てしまった。
「ひゃひゃひゃーー」
「もっとやってやうか」
「やめろよ……」
「まだ機嫌を直さないのか。ここで煽られても何も出来ない」
「え?」
「そういうことだ」
「え?」
「この間は反則だ。初心者を煽るからああなった」
「ヒャーーー」
「もうやらない」
「どんなサービスを想像したんだよ?」
「悪いことだ」
「悪い子になってもいい?」
「ならなくていい。そのままでいろ」
「でもさー、そろそろ。うへへ……」
ベッドでは何もするなと言われている。しかし、俺としては何かしたい。大学では絵理奈たちと恋バナに参加して、いろんな情報を得ている。黒崎には内緒だ。もちろん悠人にも内緒にしてもらっている。
せいぜいキスを返すぐらいしかしていない。それだけでもドキドキしている。この間の夜は怖かったものの、大人への第一歩だと思っている。たまにはああいう夜もいいだろう。
「黒崎さん。そろそろ覚えたいんだ。テクを……」
「だめだ。大学生だぞ。今のままがいい」
「ふうん。経験豊富な人は好きじゃないの?」
「駐車場に着いたぞ」
サーーっと、車が吸い込まれるように進んだ。
揺れがなくて乗っている感覚がない。かなり運転が上手な人だと沙耶さんが言っていた。蓋のない珈琲がこぼれないからだ。ここにも多才な人がいた。
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