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エントランスから出てすぐの場所に、レンガ造りの小道があった。奥に進むとバラ園のような庭がある。見たいと思っていた。覚えていたのか。
「どうだ、緊急は解けたか?」
「ありがとう。平気だよ。沙耶さん達の友達だもん。あんたが怖いから、距離を取っていたじゃん。石にされそうだもんね」
「憎まれ口を叩けるようになったか。愛想を振るな」
「振ってないよ。社交辞令だよ。あんたがそうしろって……。黒崎さん、ここは……」
建物の影になっているし、薔薇がツル状に高く生えている。向こうから見えなくても気が引ける。いくらお祝い事でも。
そんな心の中を覗き込まれて、腰へ腕が絡んできた。これなら気にならないはずだと、立ち直した。俺の姿は見えないが、重なっているのは一目瞭然だ。午前中にいちゃついたのに。
「イチャついただろ。もう怒るなよ~」
「よく似合っている。この生地で正解だった」
「おかげでお義父さんから褒められたよ。このラインがって……」
「親父もよく見ている。顔色に映えるのは……、何でもない」
黒崎が顔を逸らした。お義父さんにまで焼くとは予想外だ。吹き出して笑い出すと、手が伸びてきたから逃げてやった。
段差があるから気をつけて出て行くと、一貴さんと怜さんが到着した。沙耶さん側の招待客だ。その後ろには話題の主がいる。早瀬さんと悠人だ。見違えるほどに、悠人がイケメンに仕上がっている。俺の方を見て大きく手を振った笑顔は、向日葵のようだ。さっそくさっきのグループに囲まれたが、早瀬さんが悠人を背中に庇って見せないようにしている。
「夏樹。何を見ているんだ?」
「あんたが素敵だからだよ。素直に受け取ってよ」
さっきの場所が一気に賑やかになり、みんながぞろぞろと披露宴会場へ入って行った。
今日の披露宴では、俺は黒崎のピアノ伴奏で歌う。悠人がアコースティックギターだ。なんと二人で歌う。コーラスでハモったことはあるが、最初から歌うのは初めてだ。これからの活動を思うと楽しみだ。ドキドキしながら会場に入った。
「どうだ、緊急は解けたか?」
「ありがとう。平気だよ。沙耶さん達の友達だもん。あんたが怖いから、距離を取っていたじゃん。石にされそうだもんね」
「憎まれ口を叩けるようになったか。愛想を振るな」
「振ってないよ。社交辞令だよ。あんたがそうしろって……。黒崎さん、ここは……」
建物の影になっているし、薔薇がツル状に高く生えている。向こうから見えなくても気が引ける。いくらお祝い事でも。
そんな心の中を覗き込まれて、腰へ腕が絡んできた。これなら気にならないはずだと、立ち直した。俺の姿は見えないが、重なっているのは一目瞭然だ。午前中にいちゃついたのに。
「イチャついただろ。もう怒るなよ~」
「よく似合っている。この生地で正解だった」
「おかげでお義父さんから褒められたよ。このラインがって……」
「親父もよく見ている。顔色に映えるのは……、何でもない」
黒崎が顔を逸らした。お義父さんにまで焼くとは予想外だ。吹き出して笑い出すと、手が伸びてきたから逃げてやった。
段差があるから気をつけて出て行くと、一貴さんと怜さんが到着した。沙耶さん側の招待客だ。その後ろには話題の主がいる。早瀬さんと悠人だ。見違えるほどに、悠人がイケメンに仕上がっている。俺の方を見て大きく手を振った笑顔は、向日葵のようだ。さっそくさっきのグループに囲まれたが、早瀬さんが悠人を背中に庇って見せないようにしている。
「夏樹。何を見ているんだ?」
「あんたが素敵だからだよ。素直に受け取ってよ」
さっきの場所が一気に賑やかになり、みんながぞろぞろと披露宴会場へ入って行った。
今日の披露宴では、俺は黒崎のピアノ伴奏で歌う。悠人がアコースティックギターだ。なんと二人で歌う。コーラスでハモったことはあるが、最初から歌うのは初めてだ。これからの活動を思うと楽しみだ。ドキドキしながら会場に入った。
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