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10分後。せっかく楽しい雰囲気で出発したのに、俺の余計な一言が引き金になり、喧嘩をしてしまった。沈黙がつらくなってきた。窓の方を向いたままの、うじうじとした時間がもどかしい。お互いに無言のままだ。
車内のスピーカーからは、激しめの楽曲が流れている。大好きなロックの楽曲だ。黒崎は興味がなさそうだ。これが会話のきっかけになると思ったのに、空振りして残念だと思った。これでは食事をしても楽しくないと思う。ごめんなさいと素直に言えない。
その時だ。黒崎が車を公園の横に停車させた。どうしたのかと聞くと、シャツの襟を直してやると言い出した。さっきつかみ合いの喧嘩みたいになったから乱れてしまったそうだ。でも、自分で直すと言って断った。何度か名前を呼ばれても無視していると、さらに何度も呼ばれ始めた。
「夏樹」
「……」
「夏樹。返事がない。優しいお兄さんのふりならどうだ?」
嫌味たらしく連呼された。素直に返事をする義理はない。もやもやして運転席を見ると、黒崎が沈んだ顔をしていた。彼の方も悪いと思ってくれていたようだ。もう仲直りしたいと思った。
「来週の月曜日、マリーズカフェへ連れて行こうと思っている。返事がないなら取りやめる」
「行きたい。予定がないからOKだよ」
「すぐに返事がなかったぞ」
「ボーっとしていたんだ」
「本当か?」
「そうだよ。田中先生のお昼ご飯が、カツ丼かラーメンかで、クラスの奴と賭けるんだよ。どっちにしようか考えていたんだ」
すんなり素直になれたのは、食事を美味しく食べたいからだ。こっちから謝っておこうと運転席の方を向いた時、黒崎が意地悪そうに笑っていた。沈んでいたふりをしていたのか?違うかもしれない。まあいいかと飲み込んで、謝ろうとした。
「濃厚チーズソフトも食べさせてやる。丸池広場公園のスイーツ通り、ルナコンフォートはどうだ?来週でいいか?」
「うんっ。ありがとう。さっきは……、ごめ……」
「謝らなくていい。俺の頬にキスしろ。それで仲直りだ」
「……え?」
「俺の頬に一回だけだ」
黒崎は本気だと言っている。冗談にも程がある。呆れて物を言いたくないが、はっきり事実を指摘する。うじうじと悩みたくないし、いつもの自分のペースを取り戻したい。こういう人の事を世間ではこう言われている。意地悪な人だということだ。
車内のスピーカーからは、激しめの楽曲が流れている。大好きなロックの楽曲だ。黒崎は興味がなさそうだ。これが会話のきっかけになると思ったのに、空振りして残念だと思った。これでは食事をしても楽しくないと思う。ごめんなさいと素直に言えない。
その時だ。黒崎が車を公園の横に停車させた。どうしたのかと聞くと、シャツの襟を直してやると言い出した。さっきつかみ合いの喧嘩みたいになったから乱れてしまったそうだ。でも、自分で直すと言って断った。何度か名前を呼ばれても無視していると、さらに何度も呼ばれ始めた。
「夏樹」
「……」
「夏樹。返事がない。優しいお兄さんのふりならどうだ?」
嫌味たらしく連呼された。素直に返事をする義理はない。もやもやして運転席を見ると、黒崎が沈んだ顔をしていた。彼の方も悪いと思ってくれていたようだ。もう仲直りしたいと思った。
「来週の月曜日、マリーズカフェへ連れて行こうと思っている。返事がないなら取りやめる」
「行きたい。予定がないからOKだよ」
「すぐに返事がなかったぞ」
「ボーっとしていたんだ」
「本当か?」
「そうだよ。田中先生のお昼ご飯が、カツ丼かラーメンかで、クラスの奴と賭けるんだよ。どっちにしようか考えていたんだ」
すんなり素直になれたのは、食事を美味しく食べたいからだ。こっちから謝っておこうと運転席の方を向いた時、黒崎が意地悪そうに笑っていた。沈んでいたふりをしていたのか?違うかもしれない。まあいいかと飲み込んで、謝ろうとした。
「濃厚チーズソフトも食べさせてやる。丸池広場公園のスイーツ通り、ルナコンフォートはどうだ?来週でいいか?」
「うんっ。ありがとう。さっきは……、ごめ……」
「謝らなくていい。俺の頬にキスしろ。それで仲直りだ」
「……え?」
「俺の頬に一回だけだ」
黒崎は本気だと言っている。冗談にも程がある。呆れて物を言いたくないが、はっきり事実を指摘する。うじうじと悩みたくないし、いつもの自分のペースを取り戻したい。こういう人の事を世間ではこう言われている。意地悪な人だということだ。
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