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藤沢と話していて、自分の考えに戸惑った。黒崎と離れたくないと思ったからだ。しかし、俺には先に進む勇気がない。怖いからだ。このままだと黒崎のことを待たせるだけだと思う。もう一度断ろうと思った。
今晩電話をかけてもいいかと黒崎にメールを打とうとしたとき、藤沢のスマホから着信音が鳴った。なんと黒崎からだった。一度彼のことを車で送ったときに連絡先を交換していた。
「夏樹ですか。一緒にいます。電話をかけたんですか?鳴っていなかったです」
「あ。マナーモードにしていたんだ。黒崎さんからかかっていたよ」
何度も俺に電話をかけているのに俺が出ないから、何か起きたと思って心配してくれたそうだ。そこで、今日の予定を聞いていたから、藤沢に電話をかけたそうだ。
今、藤沢が黒崎と話している。ときどき笑顔もある。そして、俺のことを話し出した。このままだと怪我をするぐらい落ち着いていないから、プレゼント類はやめておいてくださいと言い出した。そこまで聞いて、藤沢のことを止めた。そういうことは自分で言えるからだ。
「藤沢。俺が話すって」
「黒崎さんからだよ」
藤沢の電話が終わり、俺の方のスマホから着信音が鳴った。黒崎からだ。慌てて電話に出ると、いつもの黒崎の声が聞こえてきた。そこで俺は我に返った。黒崎と別れる話ばかり考えていたけれども、電話の向こうは友達同士の付き合いを求めている人であり、別れる必要は無いと言うことに気づいた。プレゼントは受け取らないと言えばいい。そう決めて黒崎に伝えると、黒崎が笑い出した。そんなことで悩んでいるのかと言っている。
「黒崎さん。俺は悩んでいたんだ。あんたからいっぱい貰うわけにはいかなくって」
『そうか。はっきり言ってもらえればいい。今日も受け取らなくて良かったんだぞ』
「次からそう言うよ。藤沢から聞いたんだよね?俺が困っているって」
『ああ。今日のプレゼントは受け取ってくれ。黒崎製菓グループで作っている菓子類だ。実家から送ってきたが、俺は食べきれない。頼む』
「そうだったんだね。DVDも入っていたからさ。高価だと思ったんだ」
『それはお前にプレゼントすると約束したDVDだ』
「受け取れないよ」
『今回は受け取ってくれ。じゃあ、月曜日の朝、迎えに行く。いつも通りの時間でいいだろう?どうしてもというなら、その時に菓子類を返して貰ってもいい』
「送迎はもういいよ」
『もう決めたことだ。夏休み前まで続ける。後はまた相談しよう。じゃあ』
「うん。また月曜日の朝にね」
電話の相手はいつもと変わらない黒崎がいた。俺のことで悩んでいるとは思えなかった。でも、藤沢が軽く首を振っている。黒崎のペースに巻き込まれるなら会わない方がいいと言われた。そして、俺はその話に戸惑った。やっぱり俺は黒崎のことが好きなのだと思う。でも、流されるようにして付き合うのは嫌だと思った。
「夏樹。やっぱり黒崎さんのことが好きなんだよね?付き合ったら?」
「それが難しいんだ。小学生の時のことを思い出して怖くなるんだ。大人が怖いって思って、体が固くなるんだ」
「離れたくないって顔をしているよ。今晩、話してみると良いよ。友達同士の付き合いのみでお願いするって言うといいよ」
「そうだね。もう一回、話してみるよ」
「さあ、帰ろう」
「うん」
「俺が触っても大丈夫なんだね」
「大丈夫だよ」
藤沢から右手を取られて握られた。全く怖いと思わなかった。でも、黒崎から握られたときは背中に汗が流れた。それは黒崎のことを意識しているからだと思う。怖いという理由だけでは無いはずだ。
「夏樹。これが恋愛っていうものだと思う。来年は笑っていられるようにしたいね!」
「うん」
藤沢からの言葉に心の中が温かくなった。振り向くと、さっきまで過ごしていたマリーズカフェがある。昨日、黒崎と来たばかりだった。今日は友達とケーキを食べていた。では黒崎はどういう存在だろうか。大事な友人だと思っている。来年の今頃はどうしているだろうか。
藤沢から握られた手を握り返して、青信号になった歩道を渡って行った。そういう俺達を見て、すれ違った人達から微笑み返しが贈られていた。
今晩電話をかけてもいいかと黒崎にメールを打とうとしたとき、藤沢のスマホから着信音が鳴った。なんと黒崎からだった。一度彼のことを車で送ったときに連絡先を交換していた。
「夏樹ですか。一緒にいます。電話をかけたんですか?鳴っていなかったです」
「あ。マナーモードにしていたんだ。黒崎さんからかかっていたよ」
何度も俺に電話をかけているのに俺が出ないから、何か起きたと思って心配してくれたそうだ。そこで、今日の予定を聞いていたから、藤沢に電話をかけたそうだ。
今、藤沢が黒崎と話している。ときどき笑顔もある。そして、俺のことを話し出した。このままだと怪我をするぐらい落ち着いていないから、プレゼント類はやめておいてくださいと言い出した。そこまで聞いて、藤沢のことを止めた。そういうことは自分で言えるからだ。
「藤沢。俺が話すって」
「黒崎さんからだよ」
藤沢の電話が終わり、俺の方のスマホから着信音が鳴った。黒崎からだ。慌てて電話に出ると、いつもの黒崎の声が聞こえてきた。そこで俺は我に返った。黒崎と別れる話ばかり考えていたけれども、電話の向こうは友達同士の付き合いを求めている人であり、別れる必要は無いと言うことに気づいた。プレゼントは受け取らないと言えばいい。そう決めて黒崎に伝えると、黒崎が笑い出した。そんなことで悩んでいるのかと言っている。
「黒崎さん。俺は悩んでいたんだ。あんたからいっぱい貰うわけにはいかなくって」
『そうか。はっきり言ってもらえればいい。今日も受け取らなくて良かったんだぞ』
「次からそう言うよ。藤沢から聞いたんだよね?俺が困っているって」
『ああ。今日のプレゼントは受け取ってくれ。黒崎製菓グループで作っている菓子類だ。実家から送ってきたが、俺は食べきれない。頼む』
「そうだったんだね。DVDも入っていたからさ。高価だと思ったんだ」
『それはお前にプレゼントすると約束したDVDだ』
「受け取れないよ」
『今回は受け取ってくれ。じゃあ、月曜日の朝、迎えに行く。いつも通りの時間でいいだろう?どうしてもというなら、その時に菓子類を返して貰ってもいい』
「送迎はもういいよ」
『もう決めたことだ。夏休み前まで続ける。後はまた相談しよう。じゃあ』
「うん。また月曜日の朝にね」
電話の相手はいつもと変わらない黒崎がいた。俺のことで悩んでいるとは思えなかった。でも、藤沢が軽く首を振っている。黒崎のペースに巻き込まれるなら会わない方がいいと言われた。そして、俺はその話に戸惑った。やっぱり俺は黒崎のことが好きなのだと思う。でも、流されるようにして付き合うのは嫌だと思った。
「夏樹。やっぱり黒崎さんのことが好きなんだよね?付き合ったら?」
「それが難しいんだ。小学生の時のことを思い出して怖くなるんだ。大人が怖いって思って、体が固くなるんだ」
「離れたくないって顔をしているよ。今晩、話してみると良いよ。友達同士の付き合いのみでお願いするって言うといいよ」
「そうだね。もう一回、話してみるよ」
「さあ、帰ろう」
「うん」
「俺が触っても大丈夫なんだね」
「大丈夫だよ」
藤沢から右手を取られて握られた。全く怖いと思わなかった。でも、黒崎から握られたときは背中に汗が流れた。それは黒崎のことを意識しているからだと思う。怖いという理由だけでは無いはずだ。
「夏樹。これが恋愛っていうものだと思う。来年は笑っていられるようにしたいね!」
「うん」
藤沢からの言葉に心の中が温かくなった。振り向くと、さっきまで過ごしていたマリーズカフェがある。昨日、黒崎と来たばかりだった。今日は友達とケーキを食べていた。では黒崎はどういう存在だろうか。大事な友人だと思っている。来年の今頃はどうしているだろうか。
藤沢から握られた手を握り返して、青信号になった歩道を渡って行った。そういう俺達を見て、すれ違った人達から微笑み返しが贈られていた。
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