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21時。
イベントの帰り道だ。タクシー乗り場へ行く途中で、自動販売機で飲み物を買った。さっき綿菓子を食べたところだから、無糖の珈琲を選んだ。早瀬も同じ物だ。
プラネタリウムは明日からオープンするということだ。俺の手元には、縁日で掬ったヨーヨーがある。早瀬が缶コーヒーを手に取り、蓋を開けて差し出してくれた。
「はい。こぼさないようにね」
「ありがとう」
プラネタリウムには今月来ることにした。いつか行こうではなく、絶対来ると早瀬が言った。俺が喜ぶ顔が見たいという。俺も早瀬に喜んで貰いたい。だから、早くブックカバーを買いに行って、プレゼントしたいと思った。
「裕理さん。ブックカバーは、いつ買いに行く?プラネタリウムに行く日にする?」
「そうだなあ。来週の日曜日はどうだ?明後日は黒崎家で畑作りだ」
「そうだね!来週にしようよ!」
明後日は夏樹達の家に行く。夏樹が家庭菜園を始めるというので、その畑を耕す手伝いをするためだ。夏樹達が住んでいる家は、元々は黒崎さんのお父さんの妹さんが住んでいた家だということだ。趣味で家庭菜園をしていて、畑の跡があるそうだ。せっかくだから、同じ場所でトマトを育てたいと言っていた。早瀬の家から彼の車に乗って、一緒に夏樹達の家に行く。一緒に暮らしているのだと実感している。
珈琲を飲んでいる間、立ち止まって、夜空を見上げた。今日は曇り空だ。すると、早瀬が言った。
「来月は七夕だね」
「うん。晴れると良いね」
「また箱根に行かないか?」
「行こうよ。あ、でも、プラネタリウムで星を観るだろ?俺ばっかり好きな場所に行かなくてもいいよ。裕理さんの好きな場所にも行きたい」
「俺も星が好きだ。両方の星空を眺めたい」
「うん」
なんだか嬉しい。こうして夜遅くまで一緒に居る。朝起きたら早瀬がいる。俺は寂しくない。そう思った時、ふと、両親の顔が浮かんだ。早瀬のことを紹介したいと思った。一緒に暮らしていることを伝えないといけないだろう。寮を退寮するからだ。
「悠人君。どうした?」
「せっかく楽しい時間なのに、ごめん。両親のことが思い浮かんだんだ。俺、ちゃんと説明するよ」
「俺からも説明する。電話をかけておく」
「いいよ。まずは俺からするよ。明日、お父さんに着信を入れておくよ。折り返しの電話は日曜日じゃないと掛かってこないと思うんだ」
「掛かってきたとき、一緒にいる」
「うん!」
両親は納得するだろうか。言い合いになるかも知れない。それでもいい。俺は自分の希望を貫き通す。そう思いながら、夜空を見上げた。
「裕理さん。今日は曇っているから、彦星と織り姫星が見えないねーー」
「プラネタリウムと箱根の両方で観よう。彦星の星の名前を知っているか?」
「知っているよ。アルタイルだよね。織り姫星はベガ。天の川を挟んで向かい合っているんだ」
「七夕にもイベントがあるそうだよ。来月も来ようか?」
「本当に良いの?」
「いいよ。また縁日で遊ぼう」
「うん!」
そう遠くない日の約束をした。するとその時だ。電車が通り過ぎた。せっかく話しているのに、早瀨の声が聞こえなかった。もう一度聞き返すと、また電車の音でかき消されてしまった。お互いに話したいことがあるというのに、もどかしい思いをした。
「はあ。やっと通り過ぎたねーー」
「ははは。さあ、帰ろうって言ったんだよ」
「俺もそう言ったんだよーー」
お互いに同じ事を思っていたのか。照れくさくなった後、俺達はどちらからと言うこと無く、手をつなぎ合った。でも、まだ好きだと伝えていない。ラインでは思い切って言った。いつ言おうか。そういうことばかり考えているうちに段差で躓きそうになり、早瀬から助けて貰いながら、同じ家に帰った。
イベントの帰り道だ。タクシー乗り場へ行く途中で、自動販売機で飲み物を買った。さっき綿菓子を食べたところだから、無糖の珈琲を選んだ。早瀬も同じ物だ。
プラネタリウムは明日からオープンするということだ。俺の手元には、縁日で掬ったヨーヨーがある。早瀬が缶コーヒーを手に取り、蓋を開けて差し出してくれた。
「はい。こぼさないようにね」
「ありがとう」
プラネタリウムには今月来ることにした。いつか行こうではなく、絶対来ると早瀬が言った。俺が喜ぶ顔が見たいという。俺も早瀬に喜んで貰いたい。だから、早くブックカバーを買いに行って、プレゼントしたいと思った。
「裕理さん。ブックカバーは、いつ買いに行く?プラネタリウムに行く日にする?」
「そうだなあ。来週の日曜日はどうだ?明後日は黒崎家で畑作りだ」
「そうだね!来週にしようよ!」
明後日は夏樹達の家に行く。夏樹が家庭菜園を始めるというので、その畑を耕す手伝いをするためだ。夏樹達が住んでいる家は、元々は黒崎さんのお父さんの妹さんが住んでいた家だということだ。趣味で家庭菜園をしていて、畑の跡があるそうだ。せっかくだから、同じ場所でトマトを育てたいと言っていた。早瀬の家から彼の車に乗って、一緒に夏樹達の家に行く。一緒に暮らしているのだと実感している。
珈琲を飲んでいる間、立ち止まって、夜空を見上げた。今日は曇り空だ。すると、早瀬が言った。
「来月は七夕だね」
「うん。晴れると良いね」
「また箱根に行かないか?」
「行こうよ。あ、でも、プラネタリウムで星を観るだろ?俺ばっかり好きな場所に行かなくてもいいよ。裕理さんの好きな場所にも行きたい」
「俺も星が好きだ。両方の星空を眺めたい」
「うん」
なんだか嬉しい。こうして夜遅くまで一緒に居る。朝起きたら早瀬がいる。俺は寂しくない。そう思った時、ふと、両親の顔が浮かんだ。早瀬のことを紹介したいと思った。一緒に暮らしていることを伝えないといけないだろう。寮を退寮するからだ。
「悠人君。どうした?」
「せっかく楽しい時間なのに、ごめん。両親のことが思い浮かんだんだ。俺、ちゃんと説明するよ」
「俺からも説明する。電話をかけておく」
「いいよ。まずは俺からするよ。明日、お父さんに着信を入れておくよ。折り返しの電話は日曜日じゃないと掛かってこないと思うんだ」
「掛かってきたとき、一緒にいる」
「うん!」
両親は納得するだろうか。言い合いになるかも知れない。それでもいい。俺は自分の希望を貫き通す。そう思いながら、夜空を見上げた。
「裕理さん。今日は曇っているから、彦星と織り姫星が見えないねーー」
「プラネタリウムと箱根の両方で観よう。彦星の星の名前を知っているか?」
「知っているよ。アルタイルだよね。織り姫星はベガ。天の川を挟んで向かい合っているんだ」
「七夕にもイベントがあるそうだよ。来月も来ようか?」
「本当に良いの?」
「いいよ。また縁日で遊ぼう」
「うん!」
そう遠くない日の約束をした。するとその時だ。電車が通り過ぎた。せっかく話しているのに、早瀨の声が聞こえなかった。もう一度聞き返すと、また電車の音でかき消されてしまった。お互いに話したいことがあるというのに、もどかしい思いをした。
「はあ。やっと通り過ぎたねーー」
「ははは。さあ、帰ろうって言ったんだよ」
「俺もそう言ったんだよーー」
お互いに同じ事を思っていたのか。照れくさくなった後、俺達はどちらからと言うこと無く、手をつなぎ合った。でも、まだ好きだと伝えていない。ラインでは思い切って言った。いつ言おうか。そういうことばかり考えているうちに段差で躓きそうになり、早瀬から助けて貰いながら、同じ家に帰った。
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