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7-5(理久視点)
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17時半。
学食で昼ご飯を食べた後、サークルを見学してきた。経済学部の先輩が始めたものだ。モノづくりがメインで、自分の作品を持ち寄って披露する。きっと気に入ると思うよと、藤沢君が紹介してくれた。もちろん入ることにした。
(集まるのは月二回。作品披露のときだけ。あとはテキトーに。マイペース人間の集まりだからか。面白くなったなあ……)
あの占い通りだと思えた。グイグイ進むようにしたら、目の前が開けてきた。
正門を出て最寄り駅へ歩いていると、如月君からラインが入った。それを読んだ後、立ち止まった。
「あの痴漢が捕まったのか。よかったー」
先月のことだ。丸ノ内線に乗っていた時、痴漢している男を目撃した。周りの人が取り押さえようとしたら、さっさと逃げて行った。如月君と一緒に乗っていたから、彼も追いかけた。しかし人が多いから見失った。
「ニュースに出ているのか。大きなニュースだな。……え?犯人は黒崎製菓の社員なんだ?本人は認めているのかー」
痴漢容疑で捕まった人の勤務先と、さらに会社からの謝罪コメントが出ていた。
如月君は、去年の秋に黒崎製菓でバイトをしたことがある。知っている人かも知れない。しかし、聞かない方がいいだろう。如月君に返信した後、いつもの習慣でSNSを開いた。発明オタク系の繋がりをチェックする為に。そこで気になるものを見つけた。人気ロックバンドのことが出ている。久弥の関係でも繋がっているから、自動的に出てくる。
「……人気ロックバンドメンバーに薬物疑惑。ギタリストT、ステージでぼんやりしてるって?ディアドロップのこと?ああー……」
口に出して、慌ててつぐんだ。誰か聞いているわけもないが、気をつけないといけない。
この間、久弥がこう話していた。メンバーの”TAKA”が、大麻で捕まったことがあるのだと。もうやっていないはずと思っていたら、最近になって違和感が出てきたと言っていた。バンド存続は限界かも知れない。そう口にして落ち込んでいた。俺は何も声をかけられなかった。何も知らないからだ。いくら弟でもだ。
(そうかもしれない。目がうつろって、お酒を飲んでステージに上がったのかな?違うよね……)
すると今度は、母から電話がかかってきた。用がある時はラインなのに。それすら滅多に送ってくることはない。誰かに何かあったのかな?
「もしもし。どうしたの?」
「……静かにして聞いて頂戴ね。どこに居る?大学かしら?」
「ちょうど出たところだよ。駅へ行く途中」
「……電車に乗って、別の場所に行ってちょうだい。20時には迎えに行けるから」
「先に理由を話してよ」
「……バンドのメンバーさんが逮捕されそうなの。うちに取材が来ていたのよ。帰るタイミングを遅らせましょう」
「分かった。そうだ、京橋駅で待っているよ。寄りたい店があるから」
「……着いたらラインを入れてね。お兄ちゃんには連絡を取らないように、バタついていると思うから」
「うん。じゃあ……」
電話を切った後、すぐに駅へ向かった。もしかしたら幸也君に会えるかも知れない。そんな期待を込めた。
学食で昼ご飯を食べた後、サークルを見学してきた。経済学部の先輩が始めたものだ。モノづくりがメインで、自分の作品を持ち寄って披露する。きっと気に入ると思うよと、藤沢君が紹介してくれた。もちろん入ることにした。
(集まるのは月二回。作品披露のときだけ。あとはテキトーに。マイペース人間の集まりだからか。面白くなったなあ……)
あの占い通りだと思えた。グイグイ進むようにしたら、目の前が開けてきた。
正門を出て最寄り駅へ歩いていると、如月君からラインが入った。それを読んだ後、立ち止まった。
「あの痴漢が捕まったのか。よかったー」
先月のことだ。丸ノ内線に乗っていた時、痴漢している男を目撃した。周りの人が取り押さえようとしたら、さっさと逃げて行った。如月君と一緒に乗っていたから、彼も追いかけた。しかし人が多いから見失った。
「ニュースに出ているのか。大きなニュースだな。……え?犯人は黒崎製菓の社員なんだ?本人は認めているのかー」
痴漢容疑で捕まった人の勤務先と、さらに会社からの謝罪コメントが出ていた。
如月君は、去年の秋に黒崎製菓でバイトをしたことがある。知っている人かも知れない。しかし、聞かない方がいいだろう。如月君に返信した後、いつもの習慣でSNSを開いた。発明オタク系の繋がりをチェックする為に。そこで気になるものを見つけた。人気ロックバンドのことが出ている。久弥の関係でも繋がっているから、自動的に出てくる。
「……人気ロックバンドメンバーに薬物疑惑。ギタリストT、ステージでぼんやりしてるって?ディアドロップのこと?ああー……」
口に出して、慌ててつぐんだ。誰か聞いているわけもないが、気をつけないといけない。
この間、久弥がこう話していた。メンバーの”TAKA”が、大麻で捕まったことがあるのだと。もうやっていないはずと思っていたら、最近になって違和感が出てきたと言っていた。バンド存続は限界かも知れない。そう口にして落ち込んでいた。俺は何も声をかけられなかった。何も知らないからだ。いくら弟でもだ。
(そうかもしれない。目がうつろって、お酒を飲んでステージに上がったのかな?違うよね……)
すると今度は、母から電話がかかってきた。用がある時はラインなのに。それすら滅多に送ってくることはない。誰かに何かあったのかな?
「もしもし。どうしたの?」
「……静かにして聞いて頂戴ね。どこに居る?大学かしら?」
「ちょうど出たところだよ。駅へ行く途中」
「……電車に乗って、別の場所に行ってちょうだい。20時には迎えに行けるから」
「先に理由を話してよ」
「……バンドのメンバーさんが逮捕されそうなの。うちに取材が来ていたのよ。帰るタイミングを遅らせましょう」
「分かった。そうだ、京橋駅で待っているよ。寄りたい店があるから」
「……着いたらラインを入れてね。お兄ちゃんには連絡を取らないように、バタついていると思うから」
「うん。じゃあ……」
電話を切った後、すぐに駅へ向かった。もしかしたら幸也君に会えるかも知れない。そんな期待を込めた。
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