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俺だって負けていない。黒崎から奪われた籠を取り返して、店の隅に歩き進んだ。遠藤さんが今のうちに入れておけと言い、近くにあったお芋のチップスを籠に入れて、お会計してくれた。黒崎は諦めているようで、ありがとうございましたと言い、遠藤さんからお菓子の入ったエコバッグを受け取った。
俺はしめしめと笑っている。ユーリーだってそうだ。彼もお菓子が大好きだから、色とりどりの店内を見て、両目を輝かせている。彼は茶色のマカロンと珈琲豆を買った。二葉は黒糖のお菓子だ。そして、一貴さんはまた何か欲しそうにして、店内をぐるっと歩いている。そこで、そろそろ帰ろうと、俺達が彼の手を引いた。
「カズ兄さん、帰ろうよ。ひとまずこのお菓子を食べて済んでから、また買いに来たらいいからさ」
「ああ、そうだな。昼食が食べられなくなる。ユリウスには甘い物を食べさせられないから残念だ。アンちゃんもそうだろう?」
「うん。この間さ、黒崎さんが飲んでいる珈琲を飲もうとしたんだ。ああ、そのおせんべい、美味しそうだなあ……」
今度来たら、それを買おうと思い、後ろ髪が引かれつつ、お店を後にした。先を歩いているのは遠藤さんと黒崎だ。今朝見た黒崎製菓のコマーシャルで使われた曲のことで話をしているから、俺達は静かにした。俺の足下にいるアンがエコバッグの匂いを嗅ぎながら歩いている。帰ったらすぐに何か食べさせてあげると言い、抱き上げた。この先は雨の後で、水たまりが多いからだ。
「アン、水たまりがあるから抱っこするよ。よいしょっと……」
「もふもふだなあ……。シャンプーしたばっかりだろ?良い匂いがするよ……」
「うん。だから抱っこしたんだ。せっかくシャンプーしてもさ。泥だらけになるもん……」
一貴さんがアンの背中を撫でながら匂いを嗅いだ。ユーリーがエコバッグを持ってくれた。たくさん入っているから、結構重さがある。遠藤さんには後で何かお礼をしなければならない。何が良いだろうかと考えていると転びそうになり、黒崎が支えてくれた。後ろにも目があるそうだ。
「なんだよ、俺のこと、見ていたの~?」
「ああ、この坂で転ぶだろう。アンが危ない」
「それはそうだけどさ。ありがとう……」
体制を整えると、黒崎が遠藤さんとの話に戻った。俺は二葉と話しながら、今夜のパーティーの料理のことを思い浮かべた。お義父さんがケータリングサービスを頼んでくれて、豪華な料理が並ぶ。人気店であり、ネットで見たことがある。そして、今日の買い物の話しになった、
「しばらくは珈琲を買わなくても良いなあ。ユーリーも珈琲が好きだよね?」
「ああ。お腹が張るぐらい飲んでいる。隆さんが色々と買ってきてくれて……。あれは虹じゃないか?」
「どこ?」
「もっと向こうだ……」
「あ、ほんとだ!みんなーー、虹が出ているよ!」
西の方向には小さな虹が架かっていた。そこでユーリーが冗談を言い始めたから、俺達は、はいはいと相づちをうって相手をした。二葉が取り合ってくれないから寂しいのだという。ユーリーはやや気難しいところがあり、二葉がそれを偏屈野郎と呼んでいる。
俺はしめしめと笑っている。ユーリーだってそうだ。彼もお菓子が大好きだから、色とりどりの店内を見て、両目を輝かせている。彼は茶色のマカロンと珈琲豆を買った。二葉は黒糖のお菓子だ。そして、一貴さんはまた何か欲しそうにして、店内をぐるっと歩いている。そこで、そろそろ帰ろうと、俺達が彼の手を引いた。
「カズ兄さん、帰ろうよ。ひとまずこのお菓子を食べて済んでから、また買いに来たらいいからさ」
「ああ、そうだな。昼食が食べられなくなる。ユリウスには甘い物を食べさせられないから残念だ。アンちゃんもそうだろう?」
「うん。この間さ、黒崎さんが飲んでいる珈琲を飲もうとしたんだ。ああ、そのおせんべい、美味しそうだなあ……」
今度来たら、それを買おうと思い、後ろ髪が引かれつつ、お店を後にした。先を歩いているのは遠藤さんと黒崎だ。今朝見た黒崎製菓のコマーシャルで使われた曲のことで話をしているから、俺達は静かにした。俺の足下にいるアンがエコバッグの匂いを嗅ぎながら歩いている。帰ったらすぐに何か食べさせてあげると言い、抱き上げた。この先は雨の後で、水たまりが多いからだ。
「アン、水たまりがあるから抱っこするよ。よいしょっと……」
「もふもふだなあ……。シャンプーしたばっかりだろ?良い匂いがするよ……」
「うん。だから抱っこしたんだ。せっかくシャンプーしてもさ。泥だらけになるもん……」
一貴さんがアンの背中を撫でながら匂いを嗅いだ。ユーリーがエコバッグを持ってくれた。たくさん入っているから、結構重さがある。遠藤さんには後で何かお礼をしなければならない。何が良いだろうかと考えていると転びそうになり、黒崎が支えてくれた。後ろにも目があるそうだ。
「なんだよ、俺のこと、見ていたの~?」
「ああ、この坂で転ぶだろう。アンが危ない」
「それはそうだけどさ。ありがとう……」
体制を整えると、黒崎が遠藤さんとの話に戻った。俺は二葉と話しながら、今夜のパーティーの料理のことを思い浮かべた。お義父さんがケータリングサービスを頼んでくれて、豪華な料理が並ぶ。人気店であり、ネットで見たことがある。そして、今日の買い物の話しになった、
「しばらくは珈琲を買わなくても良いなあ。ユーリーも珈琲が好きだよね?」
「ああ。お腹が張るぐらい飲んでいる。隆さんが色々と買ってきてくれて……。あれは虹じゃないか?」
「どこ?」
「もっと向こうだ……」
「あ、ほんとだ!みんなーー、虹が出ているよ!」
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