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18時。
今、ステージのサイドに立っている。18時半開演のコンサートだから、ちょうど今から開場になったところだ。ホールの中の観客席には、さっそく入ってきたお客さん達の姿が見えた。2階席に行く人や、アリーナ席で歓声を上げる人などがいて、嬉しくなった。
俺の隣にいるのは悠人だ。ヘアメイクを済ませてある。午前と夕方のリハーサルはトラブルがなく終了し、予定通りに進行した。俺達はさらに増えてきた観客席のお客さん達を見て、胸の鼓動を高鳴らせた。
「わーーー。続々入ってくるよ~。嬉しいなあ。1万人って、すごいよね。遠くのお客さんの顔が見えないよ~」
「なつきーー。そういう時は、トリャーーって、気合いを入れるだろ?届くよ!」
「そうだね。2階席、トリャーー!だね!」
すると、聡太郎から肩を叩かれた。控え室に黒崎が着いたのだという。今日の黒崎製菓ではある騒ぎが起こってしまったため、開演中に来られないかと思っていた。それは、千尋製菓と黒崎製菓に対して攻撃を仕掛けるというメールだった。一通は秘書室に届いており、もう一通は社長宛だったそうだ。もちろん警察に通報し、社内で対応していた。最近、よく届くのだという。どうして千尋製菓にも届いたのが分かったかというと、メールの本文に触れてあったからだ。
コンサートは予定通りに開催される運びになった。TDDのことには触れていなかったことと、犯人に目星がついているということもある。千尋製菓を定年退職した人だ。去年もそのメールを送ってきて逮捕されている人で、出世争いに負けたという理由だった。なぜか黒崎製菓にも同様のメールを送ってきたことから、他のお菓子メーカーにも送られているのではないかと思った。
警備体制は厳重だ。見回りを何周もしており、警察官もいる。事務所のスタッフが対応したが、俺達にもメールが届いていないか聴きたいということだった。俺達はすぐに対応した。個人アドレスにも、大学の方にも送られていないことを確認して、報告した。
(黒崎家の方だったりして……)
ふと、浮かんだことだ。犯人と思われている人には警察官が向かい、事情を聴かれているという。しかし、今回は違うような気がしている。あくまでも勘だから、警察に任せるしか出来ない。
「ああーー、なんだなあ……」
「なつきーー、控え室に戻ろうよ。黒崎さんに顔を見せてあげないと……」
「うん……」
そっと観客席を見た後、サイドから廊下に出て、控え室に向かった。そこには沢山のスタッフがいて、俺達に励ましの言葉をかけてくれた。みんな、成功させたいという思いは同じだ。その中には遠藤さんの姿があり、スーツ姿で、どこかに電話をかけていた。今日はスポンサー企業からの招待客が来ていて、遠藤さんが対応してくれる。
すると、廊下に黒崎の姿があった。お義父さんや一貴さんはいない。控え室で待っているのだろうか。遠目から見ても、黒崎の姿がくっきりと浮かんで見えた。俺はホッとして、肩の力が抜けた。
「黒崎さーーん。会社の方はどうだった?」
「ああ、何でも無いことだ。もう認めたらしい」
「逮捕されたの?」
「ああ」
「なんで、黒崎製菓にも届いたの?メール……」
「キシヤマさんにも届いている。最初は悠人君が狙いかと思ったそうだが……、そうではないぞ。犯人は自暴自棄になったそうだ。繋がりのある企業に送っている。そういう見方をされている」
「そうなんだね……。ゆうとーー、もう大丈夫だよ」
「はあ……」
悠人が肩を落とした。キシヤマ味噌にもメールが届いていることは、遠藤さんから聞いたばかりだそうだ。すると、悠人の控え室から早瀬さんが出てきて、悠人のことを見て微笑んだ。
今、ステージのサイドに立っている。18時半開演のコンサートだから、ちょうど今から開場になったところだ。ホールの中の観客席には、さっそく入ってきたお客さん達の姿が見えた。2階席に行く人や、アリーナ席で歓声を上げる人などがいて、嬉しくなった。
俺の隣にいるのは悠人だ。ヘアメイクを済ませてある。午前と夕方のリハーサルはトラブルがなく終了し、予定通りに進行した。俺達はさらに増えてきた観客席のお客さん達を見て、胸の鼓動を高鳴らせた。
「わーーー。続々入ってくるよ~。嬉しいなあ。1万人って、すごいよね。遠くのお客さんの顔が見えないよ~」
「なつきーー。そういう時は、トリャーーって、気合いを入れるだろ?届くよ!」
「そうだね。2階席、トリャーー!だね!」
すると、聡太郎から肩を叩かれた。控え室に黒崎が着いたのだという。今日の黒崎製菓ではある騒ぎが起こってしまったため、開演中に来られないかと思っていた。それは、千尋製菓と黒崎製菓に対して攻撃を仕掛けるというメールだった。一通は秘書室に届いており、もう一通は社長宛だったそうだ。もちろん警察に通報し、社内で対応していた。最近、よく届くのだという。どうして千尋製菓にも届いたのが分かったかというと、メールの本文に触れてあったからだ。
コンサートは予定通りに開催される運びになった。TDDのことには触れていなかったことと、犯人に目星がついているということもある。千尋製菓を定年退職した人だ。去年もそのメールを送ってきて逮捕されている人で、出世争いに負けたという理由だった。なぜか黒崎製菓にも同様のメールを送ってきたことから、他のお菓子メーカーにも送られているのではないかと思った。
警備体制は厳重だ。見回りを何周もしており、警察官もいる。事務所のスタッフが対応したが、俺達にもメールが届いていないか聴きたいということだった。俺達はすぐに対応した。個人アドレスにも、大学の方にも送られていないことを確認して、報告した。
(黒崎家の方だったりして……)
ふと、浮かんだことだ。犯人と思われている人には警察官が向かい、事情を聴かれているという。しかし、今回は違うような気がしている。あくまでも勘だから、警察に任せるしか出来ない。
「ああーー、なんだなあ……」
「なつきーー、控え室に戻ろうよ。黒崎さんに顔を見せてあげないと……」
「うん……」
そっと観客席を見た後、サイドから廊下に出て、控え室に向かった。そこには沢山のスタッフがいて、俺達に励ましの言葉をかけてくれた。みんな、成功させたいという思いは同じだ。その中には遠藤さんの姿があり、スーツ姿で、どこかに電話をかけていた。今日はスポンサー企業からの招待客が来ていて、遠藤さんが対応してくれる。
すると、廊下に黒崎の姿があった。お義父さんや一貴さんはいない。控え室で待っているのだろうか。遠目から見ても、黒崎の姿がくっきりと浮かんで見えた。俺はホッとして、肩の力が抜けた。
「黒崎さーーん。会社の方はどうだった?」
「ああ、何でも無いことだ。もう認めたらしい」
「逮捕されたの?」
「ああ」
「なんで、黒崎製菓にも届いたの?メール……」
「キシヤマさんにも届いている。最初は悠人君が狙いかと思ったそうだが……、そうではないぞ。犯人は自暴自棄になったそうだ。繋がりのある企業に送っている。そういう見方をされている」
「そうなんだね……。ゆうとーー、もう大丈夫だよ」
「はあ……」
悠人が肩を落とした。キシヤマ味噌にもメールが届いていることは、遠藤さんから聞いたばかりだそうだ。すると、悠人の控え室から早瀬さんが出てきて、悠人のことを見て微笑んだ。
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