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ママの口座に今も先生と同じ名前の人から振り込みがあるのかどうかは分からない。いくら黒崎でも、ママの通帳を自由に見られない。先生とは別人であり、本当に娘の月謝かも知れない。黒崎はそれをもう一度聞くことも出来るが、二度も同じ事を聞きたくないと言った。そして、DNA鑑定をするなら、やってみてもいいだろうと答えていた。
それには倉口さんの協力が必要だ。応じるだろうか。まずは会わないといけない。きっと、二葉との分と一緒に朝陽の分もするのだろう。彼に会うのは黒崎だと思う。しかし、さすがにお義父さんは引っ込んでいられなくて、彼と話しても良いと言った。倉口さんが手紙を送ってきたのは、今回はお義父さん宛だったからだ。
(何年ぶりに会うのかなって、お義父さん、言っていたなあ。ママとも会うんだと思うんだ。片付けをするためなんだ……)
黒崎はお義父さんには出てきて欲しくないと言った。俺だけで十分片付けられると言った。それは倉口さんへの攻撃だ。今まで穏便にしすぎた反省もあるという。12歳の子からママを奪った。今ではすっかり嫌いになった人ではあるがと前置きした上で、そんな子から母親を奪い取るような奴は、地獄に落ちろと思っていると言った。何としてでも、烏丸家に住んでいる黒崎に会いに行けと、倉口さんはママにそうさせることだってできたはずだし、倉口さんが会いに来ても良いんだというのが、黒崎の意見だ。
いくらお義父さんとの約束があったとはいえ、二葉が生まれたことを烏丸家に連絡を取った時に、黒崎が住んでいることを知ったのだと、お祖父さんが黒崎に教えたそうだ。だから、手紙がダメなら、本人が来ればいい。そう遠くなくて、慣れ親しんだ家に帰る気持ちで、自分の親に会えばいい。ママはお義父さんと付き合いを始めた時に、烏丸家から絶縁されている。愛人の一人になると言わざるを得なくて、そうした結果だ。しかし、黒崎のことは引き受けてくれた。ママが会いたいはずの息子は近くに居た。
するとその時だ。黒崎が俺の前に座って、じっと見つめてきたから、頷いた。
「夏樹。どうした、考え込んで……」
「正直に言うよ。あんたに隠し事はなしっていう約束だもんね。お義父さんのことなんだけど、引っ込んでいられないと思うよ?お義父さんさ、倉口さんと話したいんだと思うんだ。二葉と朝陽のDNA鑑定に立ち会ってもらおうよ。あんただけ傷つけるわけにはいかないんだ」
「親父は年を取っている。大きな刺激はいけない。晴海兄さんに立ち会いを頼んでも良いと思っている。大勢で倉口に会うことになるが……」
「一対大勢になるのが引っかかるの?これは喧嘩じゃないんだからさ。お義父さんにも立ち会ってもらおうよ。……ユーリー、どうしたの?」
「僕たちに迎えが来たよ。山崎さんが呼んでいるよ。……隆さんに何かあったんですか?……え、なんだって?」
「お義父さんが電話で言い合い?」
黒崎を説得するよりも早く、お義父さんの方が先に動いたようだ。俺達がここに居る間に倉口さんに電話を掛けて、物騒なことを言われて、脅されたそうだ。お義父さんは負けずに対応し、部屋に居た山崎さんが俺達を呼んだ方が良いと思って、呼びに来たということだ。お義父さんに何かあってはいけないからだ。さっそく俺達は立ち上がり、倉庫を出た。
「圭一さん。ごめんなさい。黙っていないといけないと思ったんだけど……」
「いや、知らせてくれてありがとうございます。夏樹。沙耶を呼んでくれないか?俺は親父の携帯に電話を掛ける」
「うん、分かった。ユーリー、先に走って行って!」
「ああ、そうする!」
ユーリーが走り出した。そして、お義父さんの家に吸い込まれていくように入っていった。俺は走らないようにして、沙耶さんに電話を掛けた。弁護士さんの力が必要なのだと伝えるために。
それには倉口さんの協力が必要だ。応じるだろうか。まずは会わないといけない。きっと、二葉との分と一緒に朝陽の分もするのだろう。彼に会うのは黒崎だと思う。しかし、さすがにお義父さんは引っ込んでいられなくて、彼と話しても良いと言った。倉口さんが手紙を送ってきたのは、今回はお義父さん宛だったからだ。
(何年ぶりに会うのかなって、お義父さん、言っていたなあ。ママとも会うんだと思うんだ。片付けをするためなんだ……)
黒崎はお義父さんには出てきて欲しくないと言った。俺だけで十分片付けられると言った。それは倉口さんへの攻撃だ。今まで穏便にしすぎた反省もあるという。12歳の子からママを奪った。今ではすっかり嫌いになった人ではあるがと前置きした上で、そんな子から母親を奪い取るような奴は、地獄に落ちろと思っていると言った。何としてでも、烏丸家に住んでいる黒崎に会いに行けと、倉口さんはママにそうさせることだってできたはずだし、倉口さんが会いに来ても良いんだというのが、黒崎の意見だ。
いくらお義父さんとの約束があったとはいえ、二葉が生まれたことを烏丸家に連絡を取った時に、黒崎が住んでいることを知ったのだと、お祖父さんが黒崎に教えたそうだ。だから、手紙がダメなら、本人が来ればいい。そう遠くなくて、慣れ親しんだ家に帰る気持ちで、自分の親に会えばいい。ママはお義父さんと付き合いを始めた時に、烏丸家から絶縁されている。愛人の一人になると言わざるを得なくて、そうした結果だ。しかし、黒崎のことは引き受けてくれた。ママが会いたいはずの息子は近くに居た。
するとその時だ。黒崎が俺の前に座って、じっと見つめてきたから、頷いた。
「夏樹。どうした、考え込んで……」
「正直に言うよ。あんたに隠し事はなしっていう約束だもんね。お義父さんのことなんだけど、引っ込んでいられないと思うよ?お義父さんさ、倉口さんと話したいんだと思うんだ。二葉と朝陽のDNA鑑定に立ち会ってもらおうよ。あんただけ傷つけるわけにはいかないんだ」
「親父は年を取っている。大きな刺激はいけない。晴海兄さんに立ち会いを頼んでも良いと思っている。大勢で倉口に会うことになるが……」
「一対大勢になるのが引っかかるの?これは喧嘩じゃないんだからさ。お義父さんにも立ち会ってもらおうよ。……ユーリー、どうしたの?」
「僕たちに迎えが来たよ。山崎さんが呼んでいるよ。……隆さんに何かあったんですか?……え、なんだって?」
「お義父さんが電話で言い合い?」
黒崎を説得するよりも早く、お義父さんの方が先に動いたようだ。俺達がここに居る間に倉口さんに電話を掛けて、物騒なことを言われて、脅されたそうだ。お義父さんは負けずに対応し、部屋に居た山崎さんが俺達を呼んだ方が良いと思って、呼びに来たということだ。お義父さんに何かあってはいけないからだ。さっそく俺達は立ち上がり、倉庫を出た。
「圭一さん。ごめんなさい。黙っていないといけないと思ったんだけど……」
「いや、知らせてくれてありがとうございます。夏樹。沙耶を呼んでくれないか?俺は親父の携帯に電話を掛ける」
「うん、分かった。ユーリー、先に走って行って!」
「ああ、そうする!」
ユーリーが走り出した。そして、お義父さんの家に吸い込まれていくように入っていった。俺は走らないようにして、沙耶さんに電話を掛けた。弁護士さんの力が必要なのだと伝えるために。
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