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紅茶を飲んで一休みした後、それぞれの部屋に戻ろうという話になった、その時だ。二葉が紅茶を飲んでむせかえり、口元を抑えて吐きそうだと言い出した。それには真っ先に夏樹が反応し、二葉の口元に布巾を当てた。
「二葉、大丈夫?黒崎さん!キッチンから袋を貰ってきて!」
「ああ……」
俺が立ち上がると、二葉が嘔吐を始めた。ぜえぜえと息をしながら苦しんでいる様子を見て、一瞬、動けなくなった。しかし、すぐに我に返り、キッチンで片付けをしていた山崎さんからビニール袋を貰い、リビングに戻った。俺の後ろには山崎さんがいる。二葉が吐いた物を片付けてくれると言っている。
「二葉!」
「黒崎さん……。ああ、山崎さん、すみません。もう帰らないといけない時間なのに……」
「いいんですよ。雑巾を持ってきました。片付けましょう。病院へ連絡しましょうか?」
「そうだなあ。もう収まったみたいだけど……」
「うん……。ごめん、みんな……。う……」
二葉がもう一度嘔吐して、胃の中の物を吐き出した。食中毒だろうか。それとも、倉口のことでストレスを感じているのか。俺達には何もない。しかし、菌は二葉が食べた物だけにしか付いていなかったかも知れない。
「夏樹。救急車を呼ぶ。二葉の顔色が悪い。食中毒かも知れない」
「うん!お義父さんは書斎だよね?」
「ああ、ユーリー、知らせてくれないか?」
「ああ、分かった。呼んでくる」
「二葉……」
「カズ兄さん……、服が汚れ……、う……」
一貴が冷静な様子で二葉の隣に座り、背中をさすり始めた。夏樹は彼女の前にしゃがみ込み、口元に袋を当てている。これに吐けと言いながら。そして、それを病院に持って行こうと言った。
俺は救急車を要請しようと、スマホを手に取った。門の前に立って待機する必要がある。入り口からは離れた場所にこの家があり、俺達の家の方に救急車が停まるかも知れないからだ。俺が喘息で救急搬送されたときは、拓海兄さんが門のそばで立って救急車を待ち、この家に案内していた。
すると、リビングのドアが開き、父とユーリーが入ってきた。2人とも青ざめている。そして、2人が、自分たちのせいだと言い出した。俺が家に戻っている間に、二葉に何があったのだろう。
「何かあったのか?」
「ああ。僕のせいだ。彼女、僕の子供を産んでくれるって言っていたんだ。僕のことを介抱してくれたときにね……。ストレスになったんだろう……」
「いや、私のせいだ。志乃ちゃんのお母さんは元気かと聞いた時、烏丸真琴のこととお母さんのことで、最近知ったことを話してくれたんだが……」
「分かった。後で聞きたい。……もしもし、救急車の要請をしたいのですが……」
俺は急いで救急車の要請をした。食後1時間経って嘔吐を始めたことと、まだ続いていることを伝えた。搬送先は聖加世病院を希望した。まだ二葉はかかったことがないが、夏樹の通院先だし、聖河もいる。そこが慣れているため、良いと思った。
「分かりました。10分後ですね。僕は門の前にいます。家は奥の方なので……。患者の名前は倉口二葉です。僕は黒崎圭一です……」
「もう、私は倉口の名前を名乗らせたくない!」
電話を切った後、父が張りのある声で言った。俺も同じ気持ちだ。すると、夏樹が顔を上げた。二葉の嘔吐が治まってきたという。しかし、彼女の顔色は青ざめており、白い肌の手が赤くなっている。強く口元を抑えた後、かきむしるようにソファーを掴んだからだ。苦しいのだろう。
(二葉、死なないでくれ……)
俺は目の前で失われるかも知れない命に、何もすることが出来ない自分は無力だと思った。すると、夏樹が俺の方を見て言った。黒崎さん、早く門のそばに行ってよと。そこで冷静さを取り戻せて、家を出て門に向かった。
「二葉、大丈夫?黒崎さん!キッチンから袋を貰ってきて!」
「ああ……」
俺が立ち上がると、二葉が嘔吐を始めた。ぜえぜえと息をしながら苦しんでいる様子を見て、一瞬、動けなくなった。しかし、すぐに我に返り、キッチンで片付けをしていた山崎さんからビニール袋を貰い、リビングに戻った。俺の後ろには山崎さんがいる。二葉が吐いた物を片付けてくれると言っている。
「二葉!」
「黒崎さん……。ああ、山崎さん、すみません。もう帰らないといけない時間なのに……」
「いいんですよ。雑巾を持ってきました。片付けましょう。病院へ連絡しましょうか?」
「そうだなあ。もう収まったみたいだけど……」
「うん……。ごめん、みんな……。う……」
二葉がもう一度嘔吐して、胃の中の物を吐き出した。食中毒だろうか。それとも、倉口のことでストレスを感じているのか。俺達には何もない。しかし、菌は二葉が食べた物だけにしか付いていなかったかも知れない。
「夏樹。救急車を呼ぶ。二葉の顔色が悪い。食中毒かも知れない」
「うん!お義父さんは書斎だよね?」
「ああ、ユーリー、知らせてくれないか?」
「ああ、分かった。呼んでくる」
「二葉……」
「カズ兄さん……、服が汚れ……、う……」
一貴が冷静な様子で二葉の隣に座り、背中をさすり始めた。夏樹は彼女の前にしゃがみ込み、口元に袋を当てている。これに吐けと言いながら。そして、それを病院に持って行こうと言った。
俺は救急車を要請しようと、スマホを手に取った。門の前に立って待機する必要がある。入り口からは離れた場所にこの家があり、俺達の家の方に救急車が停まるかも知れないからだ。俺が喘息で救急搬送されたときは、拓海兄さんが門のそばで立って救急車を待ち、この家に案内していた。
すると、リビングのドアが開き、父とユーリーが入ってきた。2人とも青ざめている。そして、2人が、自分たちのせいだと言い出した。俺が家に戻っている間に、二葉に何があったのだろう。
「何かあったのか?」
「ああ。僕のせいだ。彼女、僕の子供を産んでくれるって言っていたんだ。僕のことを介抱してくれたときにね……。ストレスになったんだろう……」
「いや、私のせいだ。志乃ちゃんのお母さんは元気かと聞いた時、烏丸真琴のこととお母さんのことで、最近知ったことを話してくれたんだが……」
「分かった。後で聞きたい。……もしもし、救急車の要請をしたいのですが……」
俺は急いで救急車の要請をした。食後1時間経って嘔吐を始めたことと、まだ続いていることを伝えた。搬送先は聖加世病院を希望した。まだ二葉はかかったことがないが、夏樹の通院先だし、聖河もいる。そこが慣れているため、良いと思った。
「分かりました。10分後ですね。僕は門の前にいます。家は奥の方なので……。患者の名前は倉口二葉です。僕は黒崎圭一です……」
「もう、私は倉口の名前を名乗らせたくない!」
電話を切った後、父が張りのある声で言った。俺も同じ気持ちだ。すると、夏樹が顔を上げた。二葉の嘔吐が治まってきたという。しかし、彼女の顔色は青ざめており、白い肌の手が赤くなっている。強く口元を抑えた後、かきむしるようにソファーを掴んだからだ。苦しいのだろう。
(二葉、死なないでくれ……)
俺は目の前で失われるかも知れない命に、何もすることが出来ない自分は無力だと思った。すると、夏樹が俺の方を見て言った。黒崎さん、早く門のそばに行ってよと。そこで冷静さを取り戻せて、家を出て門に向かった。
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