青い月の天使~あの日の約束の旋律

夏目奈緖

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12-13

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 12時半。

 神社参拝から帰って来た後、お昼ご飯を大広間で食べたところだ。月島さんも一緒だ。のんびりと起きてきた二葉と、破魔矢を見て怖がっている一貴さんも席に着いている。今日はおせち料理が昼ご飯だった。うちのおせちは変わっていて、一人分ずつのお重仕様になっている。それが3日分あり、冷蔵庫にパンパンに詰められているというわけだ。

 お昼ご飯の後で、お義父さんが月島さんからの話を聞くことになっている。聖河さんのことだ。もちろん、聖河さんも月島さんが感じたことを聞くのだが、もうすでに聞いてあったから、今からはお茶を飲みながら、詳しいことを聞くことになっている だから俺はドキドキしている。どんな話になるだろうかと。

 どうしてお義父さんにも話をすることになったかというと、お義父さんが聞きたがっているということと、今回のことはお義父さんが関わっているからだった。

 聖河さんの実のお父さんの家に起きたことは山岸家からの祟りではないが、月島さんがまず最初に話を聞いた時に見たのは、お義父さんがどこかに電話をかけている映像だったという。それは、遺言にあるという土地が開発予定なのかと知り合いに聞いているときの映像だ。今回のことはお義父さんが内田家の人から聖河さんに向けられた思念を返したのだというから俺達は驚き、では、お義父さんからの祟りなのかと言葉を失いそうになった。聖河さんから相談された時以降に起きたことは、そうなのだろうか。

「月島さん……。お、お義父さんからの祟りなの?」
「少しあるよ。だから、黒崎さんに会いたかった。聖河君にはお稲荷さんが付いているんだけど、黒崎さんからの怒りが強くて、飛んで行ってしまったようだ。黒崎家にも神が居る。だから、今、それをほぐしてもらいます」

 そう言って、月島さんが目を閉じた。そして、俺達は静まりかえった大広間の中で、静かにお茶を飲んだ。月島さんが今しているのは、天への願い出だという。お義父さんが怒りを向けたことで少し影響が出たことで、それを跳ね返されるかも知れなくて、今、それをほぐして貰っているという。そして、月島さんが目を開いた。

「終わりました。黒崎さんも皆さんも、普段通りに過ごして下さい。聖河君から相談があったことは、ぜひ、力になってあげて下さい」

 月島さんがそう言った後、お義父さんが頷いた。

「もちろんだよ。聖河は遺言のあった土地を相続することになるだろうか?それとも、話し合いで書き換えされて、別の何かを相続するのか、それとも、何も受け取らない方が良いだろうか」
「聖河君はその土地を相続せずに、もう一人のお兄さんに譲ると出ています」
「なんだって?兄弟が居るのか?聖河、そうなのか?」
「はい。そうです」

 月島さんの言葉に驚いたのはお義父さんだけでは無く、聖河さんもだった。実は、昨日、実のお父さんから電話があり、聖河さんが産まれる前に付き合っていた人との間に男の子が生まれていたのだと聞かされたそうだ。聖河さんの兄に当たる人だ。付き合っていた相手とは縁が続いていて、今も付き合っているのだそうだ。おばあさんから叱られたお父さんが、お兄さんの認知をすることにしたそうだ。そのお兄さんは事故は起こしていないそうだ。

 聖河さんからの話に驚きながらも、月島さんがお義父さんから質問された。どうして聖河さんが相続しないのかと。

「それについては、おばあさんとの話し合いの結果と出ています。聖河君は何も受け取りたくないからです。しかしながら、天の意見としては、聖河君に受け取って貰いたいので、別の物を受け取ります。これは学費に相当する額です。ちょうどピッタリの額になるでしょう。ショッピングモール側としては、お稲荷さんが付いている聖河君との土地の売買をする方がいい。商売の神様がいるんですから。だから、天の意見としても、その方が良い。しかしながら、土地というのは内田家の人の念がこもってしまう。思いが来てしまう。そこで、違う物を勧めてきた。でも、聖河君は何もいらないと言っている。親子の縁も要らないぐらいだ。しかし、受け取ってもらうそうです。心配なのは、内田家の人から頼られてしまうということです。これからどんどん廃れていく人達ですから、財産が無くなってしまう。これは天の意志です。そうなると、本当にそうなります。そこで、実のお父さんから聖河君が頼られるんです。そして、聖河君はおばあさんから受け取った財産を全て、お父さんに譲ることになるでしょう。これで縁は終わりです。もう二度と関わることはない」

 もしかして、そこで実のお父さんが亡くなるということかと想像した。全てを使い果たした後でだ。月島さんが特に言いたいのは、何年先かというぐらいの近い未来だということと、何かを受け取って返す方が良いということだった。その通りにしなくても良いが、そう選ぶ気持ちになることが起きるのだということだ。
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