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そして、拓海さんが亡くなったことで黒崎達の運命が変わる。黒崎家の次の当主選びだ。それは黒崎製菓グループで働くということも含まれる。誰がその座に着くのかと、黒崎家の中では争いになっていたそうだ。
黒崎家では、なるべくなら当主の子供が跡取りには良いが、実子にこだわらないという決まりがあり、お義父さんもその考え方をしていたから、お義父さんの養子にと、各家から養子候補が紹介されたそうだ。そこで、お義父さんが、“圭一を次期当主にする”と言ったことで、晴海さんの心が壊れそうになった。
その時、一貴さんはプラセルを立ち上げた後で忙しくて、お義父さんのことなどどうでも良かった時期だったそうだ。しかし、褒められたいとか、認められたいという思いは残っていた。しかし、社員と共にミシンを使って服を作り、売り込み、PR活動をしてどんどん会社が大きくなり、黒崎家を壊してやろうと思い始めていた。そして、黒崎が22歳の時に、お義父さんから任されたアメリカの会社で訴訟が起きて、一貴さんが仲裁に入って、騒動が収まった。
それ以来、黒崎と一貴さんは親しくしている。例え、一貴さんが黒崎の身体目当てて仲裁をしたと分かったとはいえ、当時のことでは助かったし、お兄ちゃんがいて良かったと言った黒崎に一貴さんが喜び、それ以来、兄弟だと思うことにして、身体を求めなくなった。もちろん、当時も今も、身体の関係は一度も無い。
学生の頃は年に一度の法事ぐらいしか顔を合わせることがなかった兄弟達が、今はこの家に集まってきている。大人になれば、自然と糸がほどけて、親しくなれるという事だと思い、ホッとした。
しかし、今の話題はそうではない。優月さんに起きたこと、真利奈さんに起きたこと、宮川さんの話題だ。一貴さんとしては、どちらかというと、真利奈さんの味方をした方が良いと思うという意見だ。そして、訴訟は避けた方が良いという意見だ。子供の人格形成にも関わると言っている。
「真利奈さんのお子さんの満羽さんと友達の優月さんを、私立学校の玉名学園か、城川学園に転校させようかと両親が思っているんだって……。真利奈さんの旦那さんの親の、田川家のお父さんが、だから小学校からここにしろって言ったのにって、息子さんに言っているんだって……」
「そうは言っても、子供の両親が地元の小学校に通わせると決めて、受験は中学受験からで良いと言うなら、そうするべきだ。学校の方では、宮川さんの評判が悪いのか。宮川さんの親が問題を起こしかけていたのか……。つまりは、おじいさんだ」
「うん。沙耶さんから詳しい話を聞くと、そうなんだって。宮川さんのお母さんの再婚相手の、国会議員のお義父さんが、小学校の学区の管轄の教育委員会に自由に出入りして、校長先生とも親しいって言って、音楽会では孫を希望の楽器に配置させろとか、自分の都合の良い日に運動会を開かせようとしているんだってさ。遠足の時には見送りに来ていて、国会議員の自分の名前が入ったたすきを肩から掛けて、選挙アピールみたいな事もしているんだそうだよ」
「嫌なおじいさんだな。孫の名前は宮川宏尚君と宮川美紀さんか。以前の名前の読みは、“ひろなお君”と“みきさん”だったんだろう。小学校入学直前に読みを変えた上で今の校区に引っ越してきたなんて、何か問題があったに違いない。その理由はまだ、沙耶さんは真利奈さんから聞いていないのか……」
「うん。今、黒崎さんが真利奈さんに電話を掛けているはずだよ。久しぶりに話したいってさ……。いろいろと大変だね」
はあ。俺達はため息をついた。もう地元の小学校に通わせるのは我慢の限界だと、田川家のお義母さんが言い、お義父さんの方も、ちょうど空きが出ている学校を真利奈さん達に指定してきたそうだ。常日頃から情報を集めていて、いつ学校を変えるか待っていたそうだ。安心して学校に通えないなんて、すごく残念なことだと思う。優月さんの両親とおじいさん達も同じ意見だそうだ。
そこで、俺は考えた。宏尚君は大丈夫なのだろうかと。美紀さんのことも心配だ。学校で突然暴れるなんて、何も理由がないわけが無い。それを止めに来たお姉ちゃんである美紀さんは弟と一緒にいじめを受けて、心配だ。
しかし、黒崎がこう言っていた。真利奈さんのことだから、満羽さんのことを叱りつけただろうと。そういう面は信頼しているそうだ。
黒崎家では、なるべくなら当主の子供が跡取りには良いが、実子にこだわらないという決まりがあり、お義父さんもその考え方をしていたから、お義父さんの養子にと、各家から養子候補が紹介されたそうだ。そこで、お義父さんが、“圭一を次期当主にする”と言ったことで、晴海さんの心が壊れそうになった。
その時、一貴さんはプラセルを立ち上げた後で忙しくて、お義父さんのことなどどうでも良かった時期だったそうだ。しかし、褒められたいとか、認められたいという思いは残っていた。しかし、社員と共にミシンを使って服を作り、売り込み、PR活動をしてどんどん会社が大きくなり、黒崎家を壊してやろうと思い始めていた。そして、黒崎が22歳の時に、お義父さんから任されたアメリカの会社で訴訟が起きて、一貴さんが仲裁に入って、騒動が収まった。
それ以来、黒崎と一貴さんは親しくしている。例え、一貴さんが黒崎の身体目当てて仲裁をしたと分かったとはいえ、当時のことでは助かったし、お兄ちゃんがいて良かったと言った黒崎に一貴さんが喜び、それ以来、兄弟だと思うことにして、身体を求めなくなった。もちろん、当時も今も、身体の関係は一度も無い。
学生の頃は年に一度の法事ぐらいしか顔を合わせることがなかった兄弟達が、今はこの家に集まってきている。大人になれば、自然と糸がほどけて、親しくなれるという事だと思い、ホッとした。
しかし、今の話題はそうではない。優月さんに起きたこと、真利奈さんに起きたこと、宮川さんの話題だ。一貴さんとしては、どちらかというと、真利奈さんの味方をした方が良いと思うという意見だ。そして、訴訟は避けた方が良いという意見だ。子供の人格形成にも関わると言っている。
「真利奈さんのお子さんの満羽さんと友達の優月さんを、私立学校の玉名学園か、城川学園に転校させようかと両親が思っているんだって……。真利奈さんの旦那さんの親の、田川家のお父さんが、だから小学校からここにしろって言ったのにって、息子さんに言っているんだって……」
「そうは言っても、子供の両親が地元の小学校に通わせると決めて、受験は中学受験からで良いと言うなら、そうするべきだ。学校の方では、宮川さんの評判が悪いのか。宮川さんの親が問題を起こしかけていたのか……。つまりは、おじいさんだ」
「うん。沙耶さんから詳しい話を聞くと、そうなんだって。宮川さんのお母さんの再婚相手の、国会議員のお義父さんが、小学校の学区の管轄の教育委員会に自由に出入りして、校長先生とも親しいって言って、音楽会では孫を希望の楽器に配置させろとか、自分の都合の良い日に運動会を開かせようとしているんだってさ。遠足の時には見送りに来ていて、国会議員の自分の名前が入ったたすきを肩から掛けて、選挙アピールみたいな事もしているんだそうだよ」
「嫌なおじいさんだな。孫の名前は宮川宏尚君と宮川美紀さんか。以前の名前の読みは、“ひろなお君”と“みきさん”だったんだろう。小学校入学直前に読みを変えた上で今の校区に引っ越してきたなんて、何か問題があったに違いない。その理由はまだ、沙耶さんは真利奈さんから聞いていないのか……」
「うん。今、黒崎さんが真利奈さんに電話を掛けているはずだよ。久しぶりに話したいってさ……。いろいろと大変だね」
はあ。俺達はため息をついた。もう地元の小学校に通わせるのは我慢の限界だと、田川家のお義母さんが言い、お義父さんの方も、ちょうど空きが出ている学校を真利奈さん達に指定してきたそうだ。常日頃から情報を集めていて、いつ学校を変えるか待っていたそうだ。安心して学校に通えないなんて、すごく残念なことだと思う。優月さんの両親とおじいさん達も同じ意見だそうだ。
そこで、俺は考えた。宏尚君は大丈夫なのだろうかと。美紀さんのことも心配だ。学校で突然暴れるなんて、何も理由がないわけが無い。それを止めに来たお姉ちゃんである美紀さんは弟と一緒にいじめを受けて、心配だ。
しかし、黒崎がこう言っていた。真利奈さんのことだから、満羽さんのことを叱りつけただろうと。そういう面は信頼しているそうだ。
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