青い月の天使~あの日の約束の旋律

夏目奈緖

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 実際に志乃さんが月島さんに会ってみて、怖くないことと、お兄さんが霊能者という仕事はしないのだと聞き、納得できたと言っていた。ただしお兄さんは今でも霊能者というものに憧れがあり、今も自分には霊能力があり、人の考えを読むことが出来ると思っているということも言っているのだと、月島さんが言った。そして、その通りなのだと、志乃さんが驚いていた。お兄さんが人の考えを読めるというのは、今までのケースから見ると、どれもが予想できる範囲のことであり、それを霊能力というのは違うと思っていたそうだ。

 そして、自分の隣に大きな鎌を持った男の人が立っていて、その人はカレシなのだと知り、さらに驚いていた。月島さんもママの見立てと同じだった。そういうわけもあって、今世では独身を貫き通すと太鼓判を押されて、笑っていた。結婚に対して恐れという物を感じていたからだそうだ。

 その時、一緒に居た二葉は喜んでいた。彼女が他の誰かの物になる未来が無いのだと分かったからだ。だから、志乃さんのことを本気で好きなのだとよく分かった。そういう一面を見て、一貴さんに似ていると思った。そこで、俺はこっそりと月島さんに聞いた。一貴さんはお義父さんの息子だろうかと。結果はYESだと思うという答えだった。だからもう、一貴さんには親子鑑定を受けて、スッキリして貰いたい。思うという答えなのは、僕は時々惑わされるからだと言っていた。間違っていたらごめんねとも言ってくれた。

「ねえ、アレクシスさん。あんたがいる間に、カズ兄さんに親子鑑定を受けてもらいたいんだ。あの人、結果が出るまでは落ち込むに決まっているんだ。だから、励まして欲しいんだ」
「引き受けても良いぞ。俺のことが好きだって言うのか。何年も前に会ったっきりだけどな。俺のことを一目惚れだというのか……。いつそうなったんだ?昨日の一貴君は腹を壊して、トイレから出てこなかったのに……」
「そうなんだよ。でも、ユーリーによく似た男前がうちに来て、ドキドキしているんだってさ」
「俺はユリウスには叶わない。あいつは親父の兄貴に似ている。叔父さんもいい男だぞ。体つきもいい。そうかーーー、出会い目的の銭湯で出会っていたのか。月島さんとなあ……」
「うん。お湯で顔が濡れていたから、ユーリーは月島さんのことを覚えていなかったんだって。本当かな?月島さんのことが嫌で、げえええ、また会ったって思ったのかも……」
「それは言えている。あいつの男の好みは可愛い系だ。そして、抱く方だ。月島さんも抱く方だ。意見が一致しない」
「うーーん。何とか乗り越えられないかなあ……」

 ユーリーと月島さんが初対面したのは、この庭だった。しかし、月島さんは去年、ある健康ランドの銭湯でユーリーを見かけて出会って話をしているそうだ。その時はユーリーは同僚の人と来ていて、出会い目的ではなかったそうだ。

 その時、月島さんもそうではなくて、友達の付き合いで来ていたそうだ。その銭湯は男性同士の出会いの場としても活用されているから、月島さんとしては誰かに出会えるかもと思って、ドキドキしていたそうだ。そして、ユーリーに出会った。さらに、彼も男性が好きなのだと知り、もっとドキドキしたそうだ。

 しかし、長く話せなかった。ユーリーに用事が出来て、慌ただしく銭湯から出て行ったからだった。月島さんとしては、また会えると分かっていたそうだ。そして、この庭で、ユーリーが南波さんと初デートの日程を決めるまでに滑り込みセーフで間に合うようにして訪ねてきたわけだ。そのタイミングは天の意志で決められており、ここぞというタイミングが来るのを待っていたそうだ。フライングは禁止されているのだという。

 すると、タバコを吸い終えたアレクシスさんが、池の反対の方を見てくれと言った。そこには、山鳩が食べるための餌場が設置されている。餌も置いてある。

「夏樹。山鳩が来ているぞ」
「あ、本当だね~。ああ、餌を食べてくれているよ。気がついて貰えて良かったな~」
「いい庭だ。俺が住んでいた部屋は向こうだな。当時から幽霊が出ていたぞ」
「そうなんだってね。部屋でタバコを吸っていたの?」
「いや、吸っていない。俺は大人になった後で吸い始めた。ふあーーー、眠い。朝飯を食ったら目が覚めそうだ」
「眠たくなるんじゃ無いの?変わっているよね。さあ、活動するぞってモードになれるなんて……」
「そうか?ふあーーー、鮭の塩焼きかーーー。久しぶりに食える……」

 さあ中に入ろう。アレクシスさんが立ち上がってジーンズをずり上げて、リビングの中に入った。アレクシスさんからはタバコの匂いがプンプンしていて、昨日、ユーリーが消臭スプレーを掛けていたから笑った。俺はそういうことはしない。そして、起きてきた黒崎に挨拶をして、たばこ臭いという嫌みを貰い、笑った。
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