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16時。
南波さんが庭に出て生放送中だというのに、ユーリーが家の中にいる。これからアレクシスさんと二葉とのお見合いが開始されるからだ。場所は応接室だ。部屋の温度を温かくしておき、すっかり良い温度になったところで2人が入ってきた。二葉は普通の格好をしている。アレクシスさんの方は一貴さんから貰ったシャツ姿だ。急遽その格好をすることになった。ネクタイはしていない。わりとくつろいだ格好だと思う。
2人の仲人を務めるようにして、お義父さんが二葉の隣のソファーに座っている。俺はそばで見ている。黒崎は立ち会わないと言って、庭に出てしまった。そういうわけで、後ここに居るのはユーリーだ。全部で4人居る。
「では、お見合いを始めたいと思う。私の方から一言申し上げる。恨みっこ無しだ。どちらがどう断ろとな」
「はい」
「分かっているよ」
緊張している二葉に対して、アレクシスさんがクスクスと笑った。さっきまでの印象と違う。まるでユーリーのようなインテリジェンスぶりを発揮しているオーラを持っている。大広間に居たときは優しいお兄さんといった感じだったのに、どこか意地悪そうでもある。
「では、二葉にアレクシスのことを紹介する。アレクシス・バーテルス、44歳だ。大学卒業後は酒造会社で勤務している。ベルリンに本社がある。近々、実家のあるフランクフルト市に戻ってくる予定だと聞いている。趣味は読書だ。詩集を好んでいる。絵を眺めることも好きだ。実家には両親と弟がいるが、それぞれ家が違う。結婚後はフランクフルト市で居住になる。エミリアのスイーツショップを手伝うという道を用意してある。繁盛店だから、2号店を出そうという計画がある。お前はスープカレーの店を出したいと言っていただろう。出そうと思えば出来る。エミリアがやってみたいと言っていた」
「はい」
「結婚後はバーテルス姓を名乗ることになる。アレクシスが次期当主だ。結婚後は学ぶことがたくさんある。マナー、親戚や知人との付き合い、パーティーへの出席だ。チャリティーにも参加することになる。忙しくなると思う。正直言うと、かなりの社交性を必要とするから、私は勧めたくない縁談だ。しかしながら、さっきも大広間で話したとおり、またとない良縁だ。……アレクシス。この子が娘の二葉だ。性の自認は男性だ。しかしながら、子供を産んでも良いと言っている」
「え?」
俺はお義父さんの発言に驚き、声をあげた。また二葉が無理を言っていると思ったからだ。家のために何かしないといけないと思うのはやめた方が良い。それはお義父さんだって同じだ。古い時代の人間だからと前置きした上だったが、新しい考え方をしていると思う。実子にこだわらずに、養子を迎えるという考え方だ。それはずっとこの家に伝えられた考え方でもある。
「夏樹。二葉は子育てというものに興味を持っている。ただし、男性との間に子供をもうける行為をせずに、精子提供という形での出産を希望している。アレクシスとの子供が望める。ただし、子育ては親友の志乃さんとしたいと言っている。アレクシス、二葉の出した条件の中には彼女がいる。彼女は二葉のことを親友だと思っているが、恋愛感情はない。しかしながら、二葉の考えに賛同し、子育てに参加しても良いと言っている。アレクシス、この結婚は二葉と志乃さんとの3人で関わることになる」
お義父さんに言葉に驚いた。志乃さんとの話がそこまでいっているなんて知らなかったからだ。さらにお義父さんが言った。アレクシスは男性が恋愛対象だから、男性と婚外恋愛をしてくれていいのだと。そして、二葉はアレクシスとの子供を産む約束が出来る。跡取りができる。バーテルス家で育てて貰うべきだが、子育てには志乃さんと臨みたい。こんな条件だが、どうだろうかとお義父さんが言った。
南波さんが庭に出て生放送中だというのに、ユーリーが家の中にいる。これからアレクシスさんと二葉とのお見合いが開始されるからだ。場所は応接室だ。部屋の温度を温かくしておき、すっかり良い温度になったところで2人が入ってきた。二葉は普通の格好をしている。アレクシスさんの方は一貴さんから貰ったシャツ姿だ。急遽その格好をすることになった。ネクタイはしていない。わりとくつろいだ格好だと思う。
2人の仲人を務めるようにして、お義父さんが二葉の隣のソファーに座っている。俺はそばで見ている。黒崎は立ち会わないと言って、庭に出てしまった。そういうわけで、後ここに居るのはユーリーだ。全部で4人居る。
「では、お見合いを始めたいと思う。私の方から一言申し上げる。恨みっこ無しだ。どちらがどう断ろとな」
「はい」
「分かっているよ」
緊張している二葉に対して、アレクシスさんがクスクスと笑った。さっきまでの印象と違う。まるでユーリーのようなインテリジェンスぶりを発揮しているオーラを持っている。大広間に居たときは優しいお兄さんといった感じだったのに、どこか意地悪そうでもある。
「では、二葉にアレクシスのことを紹介する。アレクシス・バーテルス、44歳だ。大学卒業後は酒造会社で勤務している。ベルリンに本社がある。近々、実家のあるフランクフルト市に戻ってくる予定だと聞いている。趣味は読書だ。詩集を好んでいる。絵を眺めることも好きだ。実家には両親と弟がいるが、それぞれ家が違う。結婚後はフランクフルト市で居住になる。エミリアのスイーツショップを手伝うという道を用意してある。繁盛店だから、2号店を出そうという計画がある。お前はスープカレーの店を出したいと言っていただろう。出そうと思えば出来る。エミリアがやってみたいと言っていた」
「はい」
「結婚後はバーテルス姓を名乗ることになる。アレクシスが次期当主だ。結婚後は学ぶことがたくさんある。マナー、親戚や知人との付き合い、パーティーへの出席だ。チャリティーにも参加することになる。忙しくなると思う。正直言うと、かなりの社交性を必要とするから、私は勧めたくない縁談だ。しかしながら、さっきも大広間で話したとおり、またとない良縁だ。……アレクシス。この子が娘の二葉だ。性の自認は男性だ。しかしながら、子供を産んでも良いと言っている」
「え?」
俺はお義父さんの発言に驚き、声をあげた。また二葉が無理を言っていると思ったからだ。家のために何かしないといけないと思うのはやめた方が良い。それはお義父さんだって同じだ。古い時代の人間だからと前置きした上だったが、新しい考え方をしていると思う。実子にこだわらずに、養子を迎えるという考え方だ。それはずっとこの家に伝えられた考え方でもある。
「夏樹。二葉は子育てというものに興味を持っている。ただし、男性との間に子供をもうける行為をせずに、精子提供という形での出産を希望している。アレクシスとの子供が望める。ただし、子育ては親友の志乃さんとしたいと言っている。アレクシス、二葉の出した条件の中には彼女がいる。彼女は二葉のことを親友だと思っているが、恋愛感情はない。しかしながら、二葉の考えに賛同し、子育てに参加しても良いと言っている。アレクシス、この結婚は二葉と志乃さんとの3人で関わることになる」
お義父さんに言葉に驚いた。志乃さんとの話がそこまでいっているなんて知らなかったからだ。さらにお義父さんが言った。アレクシスは男性が恋愛対象だから、男性と婚外恋愛をしてくれていいのだと。そして、二葉はアレクシスとの子供を産む約束が出来る。跡取りができる。バーテルス家で育てて貰うべきだが、子育てには志乃さんと臨みたい。こんな条件だが、どうだろうかとお義父さんが言った。
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