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17-22(夏樹視点)
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14時。
月島さんが病院に駆けつけてくれた。俺が彼に連絡を取ったのは、ここに来る前の車の中だ。もしかしたら入院するかもと書いて送ってあった。それが何を意味するのかは深く考えていなかった。俺としては、ユーリーと連絡がつかなくなるかもというシンプルな話だった。それから、恋のキューピッドの感覚でもあった。しかし、黒崎からは怒られた。そんな書き方をしたら、まるでお前のせいだと言っているような物だと。
そこで俺はラインを読み返し、自分の言葉選びが間違っていたのだとよく分かった。俺が月島さんの立場なら、同じ事を思うだろう。このように、俺は人に誤解を与えてしまう。音楽の仕事でSNSでつぶやけない理由だ。月島さんにメッセージを送る前に、黒崎に見てもらったら良かったと後悔した。
「黒崎さん。そんなに怒らないでよ。誤解が解けたんだからさ~」
「“ユーリーが具合が悪くなったから聖加世病院へ連れて行く。入院するかも知れない。詳しいことはまた後で連絡します”でいい。それをお前は……」
「うっうっ。“朝まで飲んだせいで倒れたから、聖加世病院に連れて行くよ。だから、ユーリーとは連絡が取れないよ。入院するかも”。こう書いたらだめなんだね~。ごめんなさい!」
「いいんだよ。僕が悪かったんだ。止めないといけなかった。いや、一緒に居るべきだった……」
月島さんが俺の前に座った。幸いにも怒っていなくて、ホッとした。お義父さんも一貴さんも怒っていない。黒崎だけがプリプリと怒り顔だ。
身を縮こめている俺に、月島さんが自分はもっと悪いのだと言った。それはなんだろうか。俺が顔を上げると、アメリカに行った彼のことを聞いているのだと言った。ユーリーが打ち明けたのか。友情が進んでいる証だと思って、明るい兆しを感じた。
「夏樹君。僕はユリウス君からそれを聞いて、チャンスだと思ったんだ。思ったよりも早くこっちに引っ張れそうだと思って、心が躍った。失恋の痛手の隙間に入ろうとした。でも、彼が倒れてしまった。永遠に失うかも知れないと思って、自分への罰だと思った」
「ごめんなさい。俺のせいだよ。月島さんのせいだって言って怒っているようなラインだもんね。月島さん、寝起きなんだろ?慌ててシャワーを浴びてきた感じだね……」
「こら、夏樹。じろじろ見るな」
「だって、いつもと違う感じなんだもん……」
俺は月島さんのことを見た。いつもきちんとセットしてあるヘアスタイルなのに、ちょっとボサッとしている。しかも、少しお酒臭い。シャワーを浴びてきたのが分かったのは、ボディーソープの匂いからだ。ティーオーレというブランドのアブダビという香りだ。主に化粧品を作っているメーカーで、香水も有名だ。そのメンズラインの化粧品とボディーソープを愛用していると、月島さんから聞いてある。久弥も好きなブランドで、同じ匂いの香水を嗅いだことがある。
目の前に居る月島さんはここに来たときには憔悴していた。そこで、検査室から車椅子で戻ってきたユーリーを見かけて、ホッとした顔をした。俺達も同じだ。数十分前はストレッチャーに乗せられていたからだ。かっこいいと言われて手を振っていたとはいえ、心配だった。
「ユリウス・バーテルスさんの付き添いの方、いらっしゃいますか?」
「はい。行きます」
看護師さんから俺達を呼ぶ声が聞こえてきた。検査結果が出たのだという。そこで、お義父さんが代表で立ち上がった。本当なら身内でないと話を聞けないだろうが、親族同様に暮らしているのだと説明してあったから、話を聞かせて貰える。そこで、ユーリーの具合はどうかと気になって、聞いてみた。すると、もう立ち上がれるとのことで、ホッとした。
「月島さん。よかったね」
「ああ……」
「会われますか?」
「はい!」
看護師さんから聞かれて、俺達が返事をした。そして、部屋の中からユーリがー出てきた。俺達が良かったねと言っていると、月島さんが彼に抱きついて、泣きそうになっていた。
「ユリウス君!すまない!僕が気を付けておくべきだった」
「月島君……。来ていたのか……。夏樹だな。言ったのは……」
「ユリウス君!君が大丈夫だというから、僕は信じたんだぞ。君は嘘つきだと知っている。だから……」
「僕が付く嘘は本当なんだろう?だから、大丈夫だ。泣くな……」
「月島さん……」
ユーリーのことを月島さんが離そうとしない。ずっと一緒にいるのだと言った。それを聞き、まるで駄々をこねているのかと思った。それだけ彼は取り乱している。俺達はそれを笑うわけも咎めるわけもなく、来て貰えて良かったと思った。
月島さんが病院に駆けつけてくれた。俺が彼に連絡を取ったのは、ここに来る前の車の中だ。もしかしたら入院するかもと書いて送ってあった。それが何を意味するのかは深く考えていなかった。俺としては、ユーリーと連絡がつかなくなるかもというシンプルな話だった。それから、恋のキューピッドの感覚でもあった。しかし、黒崎からは怒られた。そんな書き方をしたら、まるでお前のせいだと言っているような物だと。
そこで俺はラインを読み返し、自分の言葉選びが間違っていたのだとよく分かった。俺が月島さんの立場なら、同じ事を思うだろう。このように、俺は人に誤解を与えてしまう。音楽の仕事でSNSでつぶやけない理由だ。月島さんにメッセージを送る前に、黒崎に見てもらったら良かったと後悔した。
「黒崎さん。そんなに怒らないでよ。誤解が解けたんだからさ~」
「“ユーリーが具合が悪くなったから聖加世病院へ連れて行く。入院するかも知れない。詳しいことはまた後で連絡します”でいい。それをお前は……」
「うっうっ。“朝まで飲んだせいで倒れたから、聖加世病院に連れて行くよ。だから、ユーリーとは連絡が取れないよ。入院するかも”。こう書いたらだめなんだね~。ごめんなさい!」
「いいんだよ。僕が悪かったんだ。止めないといけなかった。いや、一緒に居るべきだった……」
月島さんが俺の前に座った。幸いにも怒っていなくて、ホッとした。お義父さんも一貴さんも怒っていない。黒崎だけがプリプリと怒り顔だ。
身を縮こめている俺に、月島さんが自分はもっと悪いのだと言った。それはなんだろうか。俺が顔を上げると、アメリカに行った彼のことを聞いているのだと言った。ユーリーが打ち明けたのか。友情が進んでいる証だと思って、明るい兆しを感じた。
「夏樹君。僕はユリウス君からそれを聞いて、チャンスだと思ったんだ。思ったよりも早くこっちに引っ張れそうだと思って、心が躍った。失恋の痛手の隙間に入ろうとした。でも、彼が倒れてしまった。永遠に失うかも知れないと思って、自分への罰だと思った」
「ごめんなさい。俺のせいだよ。月島さんのせいだって言って怒っているようなラインだもんね。月島さん、寝起きなんだろ?慌ててシャワーを浴びてきた感じだね……」
「こら、夏樹。じろじろ見るな」
「だって、いつもと違う感じなんだもん……」
俺は月島さんのことを見た。いつもきちんとセットしてあるヘアスタイルなのに、ちょっとボサッとしている。しかも、少しお酒臭い。シャワーを浴びてきたのが分かったのは、ボディーソープの匂いからだ。ティーオーレというブランドのアブダビという香りだ。主に化粧品を作っているメーカーで、香水も有名だ。そのメンズラインの化粧品とボディーソープを愛用していると、月島さんから聞いてある。久弥も好きなブランドで、同じ匂いの香水を嗅いだことがある。
目の前に居る月島さんはここに来たときには憔悴していた。そこで、検査室から車椅子で戻ってきたユーリーを見かけて、ホッとした顔をした。俺達も同じだ。数十分前はストレッチャーに乗せられていたからだ。かっこいいと言われて手を振っていたとはいえ、心配だった。
「ユリウス・バーテルスさんの付き添いの方、いらっしゃいますか?」
「はい。行きます」
看護師さんから俺達を呼ぶ声が聞こえてきた。検査結果が出たのだという。そこで、お義父さんが代表で立ち上がった。本当なら身内でないと話を聞けないだろうが、親族同様に暮らしているのだと説明してあったから、話を聞かせて貰える。そこで、ユーリーの具合はどうかと気になって、聞いてみた。すると、もう立ち上がれるとのことで、ホッとした。
「月島さん。よかったね」
「ああ……」
「会われますか?」
「はい!」
看護師さんから聞かれて、俺達が返事をした。そして、部屋の中からユーリがー出てきた。俺達が良かったねと言っていると、月島さんが彼に抱きついて、泣きそうになっていた。
「ユリウス君!すまない!僕が気を付けておくべきだった」
「月島君……。来ていたのか……。夏樹だな。言ったのは……」
「ユリウス君!君が大丈夫だというから、僕は信じたんだぞ。君は嘘つきだと知っている。だから……」
「僕が付く嘘は本当なんだろう?だから、大丈夫だ。泣くな……」
「月島さん……」
ユーリーのことを月島さんが離そうとしない。ずっと一緒にいるのだと言った。それを聞き、まるで駄々をこねているのかと思った。それだけ彼は取り乱している。俺達はそれを笑うわけも咎めるわけもなく、来て貰えて良かったと思った。
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