青い月の天使~あの日の約束の旋律

夏目奈緖

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 さて、室内は引っ越しの荷物の搬入作業が順調に進んでいる。それが終わるまで、俺は室内を見て回ることにした。どこもかしこもも綺麗だから、ため息の連続だ。教授と二人並んで室内を見回し、隣の部屋に行った。すると、ユーリーもついてきた。教授が目当てだろう。

「教授。ユーリーには気を付けて下さい」
「僕の手にキスをした人だ。油断ならない」
「そうですよ。口説いた人は星の数という人です。ユーリー、そうなんだろ?」
「今になってそれは否定しない。教授、この間、電話で話した時の返事を聞きたい」
「オカルト研究部のことですか?」
「そうだよ。キシヤマ味噌の社長が、ぜひご一緒したいと言っている。僕も貴方に入って貰いたい」
「へえーーー。そんな話が出ていたんだねえ」

 オカルト研究部といえば、最近になって部員の数が増えたそうだ。現在50人居るそうだ。住んでいる場所は様々で、月に二度、ビデオ会議が行われることになったそうだ。今までは月に一度だった。部員の中で不思議な現象の目撃例が増えたことと、発売されている著書の中で気になった研究者の事例のシェアなど、情報交流が盛んになったそうだ。そこで、会議の回数が増やされた。ここで教授が入部すれば、それに伴ってついてくる人がいるだろうから、大きくなりそうだ。

 オカルト研究部には俺も入ってみたいが、事務所から許可されていない。カルチャー教室の手芸クラブもダメだった。内容によるのでは無く、やっぱり俺の信用度だった。口が悪いし誤解を受けるしということで、インタビューの時も答えた内容を細かくチェックしてされている。

 俺のそばではユーリーが教授のことを口説き落としている。まるでデートの誘いのようにざわざわする。彼がこんなナンパ男だったとは、出会った時には思いもしなかった。

「教授。僕と一緒にやろう」
「そうですね……。大学の方では許可が出ました。あくまでも個人的な範囲で楽しむ目的ならと……」
「だったらいいじゃないか。僕と旅行にも行こう。四国に空飛ぶ円盤が目撃されたUFOロードという場所がある。オカルト研究部の旅行で行ってみようと案が出ている」
「しかしながら、こちらに一貴さんという方がいます。UFOを観に行かなくても、ここに宇宙から来た方がいるんです」
「そうなんだけど、不思議現象を見つける旅に出るというのは楽しいことだ。彼は彼だ」
「しかしながら、僕は先ほどウーリさんと話をしました。もう間に合っています」
「ふむふむ……」

 教授の断り方を参考にしたいと思った。間に合っています。良いセリフだ。すると、ユーリーが教授の手を取り、壁に追い詰めた。そして、手を付き、教授を追い込むスタイルになった。

「教授。僕の目を見てくれ」
「ええ……」
「僕の瞳は青い。貴方の目は茶色い。これは人類が地球に誕生したときからの物だろうか。いつからそうなったのだろう。オカルト研究部では、様々な見解を述べるメンバーの集まりだ。みんな、それぞれ宇宙の星々からきた存在だから、目の色が違うという意見があった。きっと、あなたの好奇心を満たせると思う」
「そうですか。仕方が無いですね……。そこまで言われると……」

 教授が頷いた。そして、俺の方は距離を詰めて口説き落としたユーリーの手法に呆れかえった。まるでデートの誘いをしているかのようだ。きっと君を楽しませてみせる。そう変換できる。そこで、俺は楽曲の歌詞が思い浮かんだ。ユーリーのようなナンパ男が登場する楽曲なんてどうだろうか。
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