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20-1 青空の下の花壇で
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5月11日、土曜日。午前8時。
早瀬の車に乗って、黒崎家へ向かっている。花壇の手入れをしながら、親睦を深める行事に参加するために。島川さんとは仲直りが出来たが緊張する。会話のきっかけになればと、手土産を用意してきた。ざるそばセットだ。
佐久弥からは驚かれた。さらに友達になれたと報告すると、こう言われた。根っからの悪い男ではないが、可愛らしい一面で騙される人が多いのだと。
それについては早瀬が説明した。プラセルがスポンサー企業に参加した以上、ギスギスした関係は避けようと言っていた。そして、島川さんが近づいてきたときのことを佐久弥が教えてくれた。
(これで納得がいった。俺に近づいてきた時、裕理のことを聞かれた。しつこかった。警戒して、音信不通だと言っておいた。本当のことだし。……いつのことか?お前と友達になる前だ。やぶれかぶれの時期だ。クラとハッピーになったけどなー。でも、EMIRIが島川氏に近づいたぞ。どうなったかは知らない)
(ふむふむ……。手土産を用意するんだ。何が好きか分からなくて。夏樹達でも分からないって言うんだ……)
(ざるそばを食べていた。主食級だぞ)
(ホントは嫌いなんだよね?あの人は反対の反応をするんだ。もしかして、アレルギーあり?)
そこで思い出したことがある。家に乗り込んだ時は、昼ご飯の途中だった。テーブルには食べかけのざるそばがあったから、好きだろう。アレルギーもない。
さらに可愛らしいラッピングの箱がある。佳代子さんへの母の日プレゼントだ。そして、明日、玲子さんへ会いに行く。好きだという、ノースウィンドウカーネーションを持って。
養子縁組のことでは、新しい発想ができた。一組の親としか縁組ができないと思っていると、そうではなかった。両方可能だ。父はあえて触れてこなかった。俺が知っていると思っていたからだ。3年生では法学部へ進もうとしていたくせにと言われた。イラっとして言い合いになった。親子らしいといえる。
早瀬も知っていたことだ。3組の両親の息子になり、負担がかかることを心配している。遠藤さん達に手助けが必要になれば手伝う。他人だと出来ないことが多い。
お父さんと玲子さんからは、俺たちの意思に任せると答えが返って来た。最後の砦の、早瀬を説得中だ。
「名字は早瀬になりたい。すぐに家族だって分かるから。1回目の縁組みを遠藤家にして、二回目に早瀬家と縁組するとそうなれるよ」
「もう……。遠藤さんが遠慮している。うちの両親ともそういう話が出ていると知らなくてと」
「俺が遠慮して相談しないからだよ。親になれば違うから……」
「もう……」
「モウモウ言うとウシになるよー?」
「牛歩戦術だ。ヤギになって養子縁組の書類を食べてやる」
「いいの?」
「もう……。遠藤さんは喜んでいた」
「裕理さん大好き!」
運転中だからと、早瀬は前を向いたままだ。頭を撫でると笑っていた。
車が坂を上がり、門の向こうへ進んだ。男性が土を運んでいて、その人が晴海お兄さんだと教えてくれた。窓を開けて会釈すると、優しい笑顔を返してくれた。
早瀬の車に乗って、黒崎家へ向かっている。花壇の手入れをしながら、親睦を深める行事に参加するために。島川さんとは仲直りが出来たが緊張する。会話のきっかけになればと、手土産を用意してきた。ざるそばセットだ。
佐久弥からは驚かれた。さらに友達になれたと報告すると、こう言われた。根っからの悪い男ではないが、可愛らしい一面で騙される人が多いのだと。
それについては早瀬が説明した。プラセルがスポンサー企業に参加した以上、ギスギスした関係は避けようと言っていた。そして、島川さんが近づいてきたときのことを佐久弥が教えてくれた。
(これで納得がいった。俺に近づいてきた時、裕理のことを聞かれた。しつこかった。警戒して、音信不通だと言っておいた。本当のことだし。……いつのことか?お前と友達になる前だ。やぶれかぶれの時期だ。クラとハッピーになったけどなー。でも、EMIRIが島川氏に近づいたぞ。どうなったかは知らない)
(ふむふむ……。手土産を用意するんだ。何が好きか分からなくて。夏樹達でも分からないって言うんだ……)
(ざるそばを食べていた。主食級だぞ)
(ホントは嫌いなんだよね?あの人は反対の反応をするんだ。もしかして、アレルギーあり?)
そこで思い出したことがある。家に乗り込んだ時は、昼ご飯の途中だった。テーブルには食べかけのざるそばがあったから、好きだろう。アレルギーもない。
さらに可愛らしいラッピングの箱がある。佳代子さんへの母の日プレゼントだ。そして、明日、玲子さんへ会いに行く。好きだという、ノースウィンドウカーネーションを持って。
養子縁組のことでは、新しい発想ができた。一組の親としか縁組ができないと思っていると、そうではなかった。両方可能だ。父はあえて触れてこなかった。俺が知っていると思っていたからだ。3年生では法学部へ進もうとしていたくせにと言われた。イラっとして言い合いになった。親子らしいといえる。
早瀬も知っていたことだ。3組の両親の息子になり、負担がかかることを心配している。遠藤さん達に手助けが必要になれば手伝う。他人だと出来ないことが多い。
お父さんと玲子さんからは、俺たちの意思に任せると答えが返って来た。最後の砦の、早瀬を説得中だ。
「名字は早瀬になりたい。すぐに家族だって分かるから。1回目の縁組みを遠藤家にして、二回目に早瀬家と縁組するとそうなれるよ」
「もう……。遠藤さんが遠慮している。うちの両親ともそういう話が出ていると知らなくてと」
「俺が遠慮して相談しないからだよ。親になれば違うから……」
「もう……」
「モウモウ言うとウシになるよー?」
「牛歩戦術だ。ヤギになって養子縁組の書類を食べてやる」
「いいの?」
「もう……。遠藤さんは喜んでいた」
「裕理さん大好き!」
運転中だからと、早瀬は前を向いたままだ。頭を撫でると笑っていた。
車が坂を上がり、門の向こうへ進んだ。男性が土を運んでいて、その人が晴海お兄さんだと教えてくれた。窓を開けて会釈すると、優しい笑顔を返してくれた。
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